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2025年高尾山昆虫観察開幕! 2025年のイボタガとエゾヨツメの出現は?

春の蛾といえばイボタとエゾヨツ

春の3大蛾としてイボタガ、エゾヨツメ、オオシモフリスズメというものがいます。

今回遭遇したイボタガの1匹。計2匹の完品個体に遭遇でき、まさにシーズン初期。

この内関東ではイボタガとエゾヨツメが見られ、その模様や大きさから非常に人気を集めています。

2025年は寒暖差の影響か高尾におけるこの虫の情報が非常に少なく、SNSやwebに置いても情報が殆どありません。(14日時点)

しかしいるのかいないのかソワソワしてしまうのがこの時期の虫屋の性。

春に出るギフチョウなどの出現具合からそろそろ出るだろうと思い先日、イボタとエゾヨつを求めて行ってきました。

春の高尾

昨年のウスタビガ以来の高尾ですね。

登る前にパシャリと一枚。

例年は夏から観察記を書いていたのですが、ついに春から来てしまったかと嬉しいような沼にはまり込んでいるような感覚があります。

お目当てとなるエゾヨツメとイボタガですが、活性時間が異なることが知られており、通説としてはエゾヨツメが日没直後でイボタガは深夜など夜が更けた時間に来ると言われています。

去年も一昨年もよく通うもんだなぁと我ながら関心

ミーハー虫屋としてはどちらも遭遇したことがないのでそうした通説通り出てくるのか気になるところです。

今回は虫仲間として去年オオトラ時期に出会った方とともに探していきます。

結論としては人と行くのが正解と感じました。

蛾が来るまで退屈。同行者は昨年ソロでオールをしているなどなかなかにやる。

副産物が少なく耐える時間が長いのと、虫仲間と行くことで待ち時間の間無限に虫トークができ、待ちがなくなるからですね。

結果的にはイボタガ2匹に遭遇することができました。エゾヨツメがまさかの0。

先日のコンディション

訪れた先日は満月直後下弦の月のタイミングで月の上りは遅く風もそこまで強くはないそれなりにいいコンディションに思えました。

見つけたエダシャクみたいなやつ。蛾は少ない。

当記事の前半で述べたように、今季は季節変化が激しい影響か昆虫の出現がかなり不規則と言うか遅れており、例えばコツバメなら定点観測地で2週間以上、ギフチョウも2週間程度遅れています。

イボタガやエゾヨツメは当地では3月下旬もしくは4月上旬頃に出現しているのですが、おそらく例年通りに訪れて成果が上がらず、情報がない状況になっていると感じていました。

そんな中で例年より2週間程度遅れた時期ならばいるだろうと踏んで行ってきたのです。(という建前でお互いの休みの都合)

ちなみに副産物的な部分ではかなりマズかったです。ソロではなかなか堪えそうなもので、0か100かの採集となりますね。

イボタとエゾヨツを求めて

高尾山で日没直前に合流し、エゾヨツメを探していきます。

よくいたやつ。種類は不明。

日没間際から直後に活性があるエゾヨツと、活性の遅いイボタを同時に狙うと暇時間が増えます。

そうした時間には最近のブームであるオサムシ類や春の他の蛾類、ムササビなどを探していければと思います。

オサムシ類を拾えたら嬉しい

日没間際に大型の鱗翅目が飛翔したので早速来たかと思っていると、クロコノマチョウ。2匹が時折飛んでおり、来るたびに少し盛り上がりを届けてくれました。

冬のキリガやヤママユの時期と比べても虫の飛来は少なく、大型のフクラスズメやアケビコノハなども来ない中、目にしたのは壁などにつくこの蛾やこの蛾たち。

これと謎のシャチホコ系、あとはヒゲナガカワトビケラ。

名前は不明です。日没後からかなりの時間大型昆虫の飛来はなく、半年ぶりの虫仲間と虫トークをしていると突如数時間前にクロコノマチョウがよく飛んでいたところに大型の昆虫がやってきました。

飛翔速度はコウモリと同程度かやや遅い程度で非常に早く、事前にイボタガは飛翔が非常に早いと聞いていたのでイボタガを確信。

越冬明けの我々の情けない網さばきを器用に交わすイボタガらしき昆虫をなんとか追い詰めてネットインすると、見える裏側の模様になんだコレと表しか知らない私は困惑。

何だこの黄色模様?

ネット内で表側を確認してようやく...

だいぶ小型らしい。フクロウ擬態と言われる不思議な模様が素敵!

イボタガ!初見で見る翅の表は生で見ると本当に衝撃的でした。

しかも欠けやスレは見たところほとんどなし(暴れてちょっと毛が散りました)、新成虫成り立てと言わんばかりの姿を記念すべき1匹目として取ることができました。

エゾヨつの時間から長期間待機し、暗闇に指す明かりの中を高速で駆け抜けるイボタガが飛来するあの瞬間は、どことなく癖になるギャンブル性というか副産物が期待できない分嬉しい大当たりとなりましたね。

イボタガ2匹目

1匹目を取り終えて時刻はイボタに良いとされる頃合いになります。

1匹目の表側を確認したときのもの。胸踊る~。

エゾヨつが見れれば万々歳という気持ちで集まっていたのに、完品イボタの出現で気分はすでにウイニングラン状態でした。

一層虫トークで盛り上がっていると当日であった蛾屋の人と合流します。

ヒメヤマ、ウスタビの時期も来ていたそうで、昨年の出現時期の答え合わせを。

イボタが取れたと話しつつその方がヤママユ専門というので3人で会話で盛り上がります。

会話をしていると蛾屋の人が走り出します。

外灯の先には1匹目よりも随分と大きそうなシルエットの素早く飛ぶ蛾の姿が。蛾屋の方も我々と同じく越冬明けのネット振りで苦戦しつつもなんとかネットイン。

流石にこれにも大興奮。完品に二匹も出会えるとはね。

なんと2匹目のイボタガにも遭遇してしまいました。しかも一回りくらい大きいです。見ての通りビカビカの完品。

イボタはやはり一昨日か先日が発生のタイミングだったのではないでしょうか?

とりあえず当ブログに来てくださっている方たちには旬の出現情報をお届けできて何よりです。

春の蛾採集はロマンと落胆の落差が激しそう

結果的に出会えないかと思っていたイボタガには2匹も遭遇することができ、ホクホクな観察記となりました。

あたり頻度が高いオオトラ採集のような感覚。なんか癖になりそう。

開始前はエゾヨツメの飛来もなく、大丈夫かと不安になる雰囲気でしたが初回が楽しく終われてよかったですね。

それと同時に高尾という地でこれらの虫を探すギャンブル性のような楽しさもよくわかりました。

探す人の気持がよく分かる美麗種でした。

流石にソロで行く気にはなりませんが、虫仲間とタイミングの会うことがあれば春の蛾観察編が続くかも知れません。

私は今回写真だけなので1匹ぐらいは記録として欲しいですね。
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昨年のラストシーズンはこの記事です。

高尾山昆虫観察記シリーズ

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過去2023~4年の観察記シリーズはこちら。過去のものは主に夏の夜の高尾です。
今季は春~初夏も活動していく予定です。お楽しみに。

待ち時間やスキマ時間を充実させるために

昆虫採集では待ち時間や滞在時間などのスキマ時間が生まれるため、事前に楽しめるコンテンツを用意しておくと移動時や待機時に捗ります。


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遭遇する動物事情はこの記事から。過去20回分程度の夜活動で遭遇した動物の情報です。
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24年の冒頭です。ヨコヤマやアカエゾ、ネブトなどなどと遭遇。
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23年の冒頭です。主にミヤマについて色々情報を探った時期のものです。

イボタ採集に欲しいアイテム

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イボタは飛翔が早く止まりませんでした。長竿である必要はありませんが、口径の広い網がないとなかなか捕獲に苦労すると思います。
個体数も多くはないのでチャンスロスを避けるためにも網は用意しましょう。
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展翅関連はこの記事から。それからアンモニアなども必要となります。