タラノキのハズレ
春といえば山菜の季節。

一般的に山菜の王様と言われるタラノキを求めて探し回っていると植物を見つけることがありますよね。
タラといえばトゲの有無だからひょろりと立ち上がってトゲがあり、先端から芽が出ていればタラ。
タラノキにはとげが無いものもあるから開けた環境でスラリとたちがあるものはタラかな?
とタラノキの特徴を模倣して同じ環境に生える植物があるのです。
そこで今回はタラノキを探していたら必ず間違えるタラに似た2種類の植物を紹介します。
前提としてタラの生える環境を紹介
タラノキについては詳しい方もいるかと思いますが、類似種には初心者程騙されやすいと思うのでタラノキが生える環境についてまず紹介します。

タラノキはパイオニア植物として知られており、野焼きや伐採など森林環境から草原環境など環境が開けた時にそうした場所に入ってくる植物です。
かつて彼らが山菜としてなじみ深いものとなった背景にはクヌギやコナラの薪炭林環境下で適度に木々を若返らせ、木々を燃料として活用していた時代が背景としてあります。

そうして木が若がえり林床に日差しが差し込むとギャップと言いますが、周囲と異なる開放空間が生まれることになりタラノキを始めとするパイオニア植物が入り込んでくるというものです。
こうした背景を理解しておくとタラノキはギャップに出現するということが分かるため、非常に見つけやすくなります。
ところがパイオニア植物というのはタラノキだけではないのです。
棘のあるタラノキのような植物
代表的なタラノキのハズレ植物がカラスザンショウです。

カラスザンショウはタラノキを探していると遠目の場合高確率で間違えます。
それほど似ているのです。
まず木の高さや細さが取りやすいタラノキと同程度であること。

先端に大きな芽を出し、その葉の形がタラノキと同じ羽状複葉という葉であること、幹にトゲがあること、森林のギャップに出現することなどからほぼほぼタラノキと同じ条件、環境を利用するためです。
タラとカラスザンショウは同じ環境にあることが多く、カラスザンショウが見つかると言うことはすなわちタラノキが見つかる可能性も高いのですが、探している身からするとややこしいことこの上ありません。

一応見分けとしては体感カラスザンショウの方が幹が緑っぽいことと出ている新芽に不自然な光沢、ツヤ感があるのが大きな違いかと思います。

カラスザンショウはサンショウと付くとおりミカン科の植物であるため、葉をちぎってみるとミカンの仲間っぽい香りがすると言う特徴があるのですが、トゲが無いタラっぽい植物の中にはウルシと言ってかぶれるものもあるため、確認には注意が必要です。
ツヤと光沢感を見ておくといいかと思います。
トゲが無いタラの芽っぽい植物
タラノキは自然下のものでは基本とげがあります。

しかし栽培品の中にはとげの無いものがあり、それが野生化していたりするとトゲなしのタラが見つかることもあります。
トゲなしタラには似たものがいくつかあるのですが、その中でも雰囲気や生える環境が似ているものがニワウルシという植物です。

名前こそウルシとついていますが、ウルシ科の植物ではないため、毒などはありません。
ニワウルシも林縁や新しく生まれた開放空間で目にすることが多く、タラのようにスラリと立ち上がるため非常にややこしい植物です。
棘はありませんが芽出しの雰囲気はこちらもタラと同じ羽状複葉であるため似ています。

しかしタラノキビギナーならともかくトゲなしタラが自然下ではそこまで多くないことと枝が落ちた後に残る葉痕(ようこん)が広く丸い模様をしていて目立つことからカラスザンショウほどややこしくはありません。
ススキ原や林縁でタラを探していてそれらしきものを見つけて近づいてみるとニワウルシでがっかりというくらいですね。
初心者でも間違えて摘むほどの難易度ではありません。
毒のあるウルシ
トゲが無いタラに似た植物としてはウルシの仲間が挙げられます。

代表的なものはハゼノキやヤマウルシ、ヌルデなどになりますが、どれもパイオニア植物としてギャップや林縁で見られます。
この仲間にはウルシオールという成分を持つ者がおり、素手で触るとかぶれるものがあります。初心者でタラがよく分からない場合には十分注意する必要があります。
タラに見られてウルシ科に見られない特徴はトゲがあるか無いかです。
つまり判別に悩む方は棘の無いタラの仲間には触れないことを徹底することでこうしたリスクを回避できます。活用してください。
ハリギリ
林縁環境では同じウコギ科に所属するハリギリが見つかることがあります。

タラよりも鋭いトゲを持ち、カエデのような葉を持ちます。
これは市場に出ない美味しい山菜として知られている植物であるため、見つけられたらラッキーと思いましょう。
タラに似た植物は意外と多いことがよく分かりましたね。
基本的にはトゲがあるものを見ていけばよいのですが、カラスザンショウについては実際に現場で見て間違えてみるのが最も学びになります。
ツヤ感はかなり分かりやすいので違いを実践してみてください。
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