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長竿×志賀昆虫の捕虫網。玉の柄で自作長竿網を作り、昆虫採集に挑戦しよう。

ロマンあふれる長竿網で昆虫採集!

5mの捕虫網。初めてみた人は驚くが、本人的には物足りない網

虫取りをしていると驚くほど長い網を利用している方に遭遇して驚きませんか?

何万円するんだアレ...と驚愕しがちですが、実はパーツパーツでくっつけているので思ったよりは高くありません。(長さにもよりますが1万円くらいで可能です。)

今回は最も王道な捕虫網として玉の柄(釣具)と志賀昆虫捕虫網をくっつけた長竿網を紹介し、その作成方法を紹介していきます。

長竿網は必要か?

さて多くの方が気になるのはそんな網必要ですか?ということでしょう。「虫なんて100均の網でとれるじゃん」という声が聞こえてきそうですね。

縦横無尽に飛び回るアゲハチョウ。捕獲難易度の高い人気の虫。

答えはシンプルで一定以上の虫を取りたいならば必要です。

もしもあなたがモンシロチョウやヤマトシジミ、アブラゼミやショウリョウバッタなどのよくいる種を捕まえたいならばおそらく長竿網は必要ないです。

しかしあなた自身やお子様がより魅力的な蝶の仲間、カミキリムシ、タマムシの仲間を始め、多くの昆虫と出会う体験をしたいならば長竿網はあった方がいいと言えます。

夏の人気昆虫アオタマムシ。枯れ木に飛来するため、高い場所につくことも多い。

昆虫に今後も興味をもてそうならば購入を検討してみてはいかがでしょうか? あなたがお子様ではなく大人で採集をするならば網は絶対購入した方が満足度は上がります。

最も簡単な長竿網の作成

まず結論ですがそれなりにしっかりとした長竿網を作りたくて、面倒な手順を踏みたくないという方は志賀昆虫の網と枠を専用オスねじで玉の柄と結合させる方法が楽です。

各社が出す専門の長網に比べればずいぶん安い長竿網。それが志賀昆虫×玉の柄

今回紹介する長竿網作成の要点を押さえれば、そのまま別の柄でも使えます。

自作網には色々な作成方法があります。それこそ枠は別メーカー(志賀昆虫以外)で買って、それに合わせた網を買って、それに合うねじを調べて、たも網とくっつけるという基本は変わりません。

この方法が楽なのは組み立てるための面倒な手順を省けることと、人気の捕虫網をそのまま長竿網にも改良できるという点です。

網の深さや枠の大きさに驚くプロ仕様の捕虫網。

志賀昆虫捕虫網はその筋ではとても人気の高い網で、youtubeなどで簡単に採集風景を見られるようになった影響か、手を出しているお子様も増えているように感じます。(ここ数年で見かける機会が増えました)

そうした熱意のある人たちはやがて採取したい虫の幅が増えてきて、網の長さが足りないという壁に当たります。

高所にヤマトタマムシがいるのに眺めるしか無い事態

その際にこの方法であれば志賀昆虫の網からそのまま移行できてしまいます。

これは親子の例ですが昆虫採集を本格的にやろうと思えば虫網はどちらにせよ必要です。


昆虫採集の網に関しては長竿網が結論です。 なので大人は長竿網から始めましょう。

網が届けば虫を目視さえできれば捕獲の可能性が生まれる。非常に楽しくなる。

実のところ志賀昆虫捕虫網(最大2.5m)を買うのと枠と網だけ購入してたも網と結合するのでは値段はそんなに変わりません。志賀昆虫網も取り回しの良さなど、差別化できているので使い分けができますよ。

長竿網を作ろう

今回は私の網を例に作り方を紹介します。パーツを選ぶだけで作れます。

50cm枠の網の例。50ぐらいからプロっぽい道具感も強くなる。

まず志賀昆虫やむし社などから虫網を選びましょう。

口径は大きいほどいいですし、妥協すると後ほど絶対に大きいサイズが欲しくなります。

私的にはせっかく作るなら50㎝以上にしましょう。50あればいい網だと感じられるはずです。
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色や材質などは別記事で詳細を話しますが、こだわりが無ければメッシュ+白でいいです。

基本の色はこれ。他の色は明確な理由があれば採用していい。

その後それと同じサイズのグラスロッド及金属用金具バネ付ネジ込み式の枠を選びます。網が50㎝ならば枠も50㎝にしてください。
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グラスロッド及金属用金具バネ付ネジ込み式はこのようにかなり縮められて運搬にも便利。

次は玉の柄です。

これは私は剛剣を利用しています。

現在は剛剣シリーズは廃盤。代わりに剛剣SEシリーズが利用できます。公式HPよりネジ経12.7mm、カーボン55%とほぼ同性能です。

剛剣でなくとも長さ、素材、仕舞尺、ネジ経を把握しておけばok

人気がある柄の様で使っている人は時折見かけます。

これについては私もそうですが既に使っている人がいるため、ねじ幅が合わないなどのミスが出ません。

玉の柄について注目すべき点は素材と長さです。素材についてはグラスファイバーカーボン製のものが多いです。

傾向としてはカーボン含有率が上がると値段が高くなりますが、軽くてしなるようになります。

立てて使う都合上、カーボン含有率はある程度あったほうがいいというのが私見。

私が利用しているものはカーボン65%ですが、かなり扱いやすいので初心者はこの割合を選ぶといいかもしれません。

次に仕舞尺です。私の剛剣は仕舞尺が1m近く(ランディングポール)あります。仕舞尺とは全ての継ぎ目を仕舞った時の長さ、つまり持ち運びの長さです。

伸ばさずに約1mの網として使えるのは便利。通常網+長竿網のダブル。

私は仕舞尺を長くすることで1mの虫網としても利用しています。

選択肢としてはランディングポール(長い)と小継(短い)の2択で、自身がどう使いたいかにより使い分けます。

ランディングポール型は手持ちでの移動になりますが、前述の通り仕舞尺で通常の網のように使えるのが魅力です。

継数1m×4の計5継。途中で止めて使いやすいのも利点。

長竿網は仕舞われている継ぎ目を引っ張り出して網を伸ばしていくのですが、ランディングポール型は継ぎ数が少ないのも魅力的です。

小継は携帯性に優れています。

仕舞尺が50~70㎝程度(ものによる)で、深いカバンがあれば目立つ虫網を仕舞って行動できます。その影響で継ぎ数が多いのが欠点ですね。

継ぎ数が多いと伸ばすのもしまうのも大変なのですが、携帯性は魅力的だと思います。

42cm網の縮小例。柄からも取り外せるので、網だけカバンに放り込める。

特に志賀昆虫網はグラスロッド及金属用金具バネ付ネジ込み式の場合50㎝網で15㎝位まで縮まります。

ランディングポール型では電車やバス移動時に網を外さないとさすがに恥ずかしいのですが、その手間が省けるのは魅力的です。


長さですがこれは長いものが絶対に欲しくなります。

網は大きくしたくなるし、柄は長くしたくなる。大は小を兼ねるので、最初から大きいものを選ぶのが吉。

私は5mを使っていますが、もう何度7~8mのランディングポールを見たか分かりません。

一方で長いとそれだけ負荷がかかりやすいため、壊れやすくもなります。

玉の柄は本来寝かせて使うものです。

それを立てて使うので、勢いをつけすぎたり一定以上の力が入ると壊れます。

長いほど力の入れ具合で継ぎ目が折れやすくなる。これが悩みのタネ。

なので注意が必要ですが、絶対長いのが欲しくなってしまうので7m~8m位のものを買うのがいいと思います。


最後にねじ穴です。4分ねじ、外径12.7㎜のものが利用可能です。

オスネジで枠と柄を繋ぐことができる。枠側は外れなくなるくらいがっちりハマるため、要注意。

これは汎用的に使われているサイズなのですが、ものによってサイズ感が違う場合があるので気を付けてください。

玉の柄も選べたら志賀昆虫枠と12.7㎜枠をつなぐ専用オスねじを購入します。これもamazonなどで売られています。

(最重要パーツです)
後は結合するだけですね。

長竿網の注意点

カーボン含有のものは特に注意が必要となりますが、送電線で感電死します。

電柱にかなり意識を配るようにしましょう。

虫を追って死ぬのは笑えないので絶対にこれらのあるところで長竿網を使用しないようにしましょう。お子様がいる場合にはそうした場所で使わせない配慮が必要です。


これだけで虫を知ってそうなプロっぽい人がみな使っている長竿網の完成です。

玉の柄の価格にもよりますが1万円OVERくらいで作れると思います。

網を持っていると高尾なんかではそれを目印に挨拶が始まったりするので虫屋の一員です。

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網を揃えたならば、その網が十二分に成果を出すカミキリムシ採集がおすすめです。

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網を抑えたならば虫捕りに行く前に基礎部分も理解しておきましょう。