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クワガタの脚の金色の部分って何?蹴り採集で役立つ習性の理解と洞などで生存に役立つ可能性を紹介。

クワガタの足に黄色?金色とも取れる模様

クワガタの足の付根にあるこの金色もしくは黄色の部分。目立つけど何?と疑問に思いますよね。

クワガタをふと持ち上げて体のつくりなど見ていると、足の付け根部分に黄色い模様のようなものを見つけることができます。

人に例えればホクロのようにも見えるこの模様、いったい何なのか気になって調べてみたらこの記事にたどり着いた方もいるかもしれません。

そこで今回はクワガタの足にある黄色い不思議な模様は何のためにあるのか紹介します。

金色の模様ってどこのこと?

まず金色の模様自体よく分からない方がいるかもしれません。

前足付け根にある金色の模様を指し、ミヤマの足のような広い黄色のことではない。

クワガタの前足の付け根部分を見てみると丸い円状の小さな金色の模様を見つけられるかと思います。

金色と聞くとミヤマクワガタの全体にある毛や各足の腿節(たいせつ)や脛節(けいせつ)にある黄色い色を思い浮かべるかもしれませんが、それとは別の模様です。

ミヤマに限らずクワガタのほとんどに見られる模様です。

脚の金色模様は耳に近い

まず結論としてこの金色の模様は振動を感知する器官として機能しています。

大変見にくいのですが、このパーツを撮るのは難しかったです。

そしてそれは捕食者の接近を感知するためのものであると考えられます。

この金色の模様は細部まで拡大してみると、微細な毛が密集していると分かります。

機能的には学術的根拠は不明ですが、毛虫の毛と同様に機能していると推測できます。

クワガタは木にしがみつくと同時に木からの振動を感知している

つまりクワガタの捕食者の1種であるカラスなどの接近を木と接地している前足の振動で感知し、逃げるというものです。

機能のトリガーとなる程度は不明ですが、この習性を利用して木を揺らすことでクワガタを落とすのが蹴り採集です。
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(クワガタがければ落ちてくるというのはこの毛に由来する)
金色の毛の機能は知らなくとも、人々はその習性を利用して昆虫採集をしていたんですね、

感知する程度は個体により変化すると思われます。

すぐに落ちるもの、なぜか落ちないものが見つかります。

この辺の機能に関しては学術的根拠は見つからず、あくまで主観的意見となりますが、カラスやタヌキ、アライグマなどの動物が木に来れば当然その生き物に応じた振動が伝わります。

以前夜の高尾でムササビの飛来先毎に木の上からクワガタが大量に落ちてきたことがある

カラスならば木の枝につかまってぐらッと来るでしょう。そうした不自然な振動を得ると、足を畳んで落下するのでしょう。下が草木ならばそのまま逃げることができます。

振動感知を利用した生存戦略、音の増幅

私の観察と結びつけると、最も敏感なものは声の振動でさえ落ちてくることがあります。

友人と話していたら落ちてきたクワガタ。もしかしたら投げ飛ばされた説もあるが。

クワガタの多い森で多数ついているような木を見つけたら、大きな声を出してみるといいかもしれません。

ノコギリクワガタのような隙間にあまり隠れない種類には特に有効です。

一方で閉所に隠れるコクワガタやヒラタクワガタのような種類は、閉所に隠れています。

なんと隙間に入ることで周囲の音を効率的に拾っている可能性を観察した

こうした環境は音の反射性が高いために、落ち葉や足音、声などが非常に伝わりやすく、木々への接近が事前に感じ取られるようです、

これは洞に大型のコクワガタを発見し、私が息を潜めてクワガタがまだ気が付いていない時の話なのですが、静かに見ている分には問題なく洞の中の樹液を舐めていたクワガタが、他の人の話し声が聞こえた途端に洞の奥に逃げていく行動を取りました。

単純に隠れる以外の効果がありそうで、改めて見ると非常に効果的

恐らく隙間に音が入り、狭い空間で増幅させることでその振動を素早くキャッチし、敵の接近を効率的に感知したものと考えられます。

閉所に潜むクワガタにはその足の付け根で振動を感知する機能の効果をより効率的に利用し、生存につなげている可能性が考えられます。

ヒラタが潜んでいた穴。下草の音などを拾える場所とも見える。

つまりカブクワ採集で盛り上がって声を上げるとヒラタなどは逆に取りにくくなってしまうのです。

別の面白い体験としては前述の通り振動を感知して敵の接近を察するとクワガタは落ちてきます。

振動は木を直接揺らさずとも根などからも伝わります。

クワガタの前足の金色の毛は思った以上に生存に有利に働くものなのかも知れない

私の知人の体重100kg以上のものが、木の横でジャンプしたらクワガタが落ちてきたことがあります。笑

振動を伝えるという意味では木を蹴ることもそうですが、ジャンプするにしても体重が多いほど有利です。

カブクワ採集では部分的に見れば大型の人の方が有利に働く場面もありそうですね。

こういった内容から木に衝撃を与えるケリ採集は非常に有効。試してみてほしいですね。

今回はクワガタの足にある金色の模様の機能について紹介しました。

これを活用すると蹴り採集や外灯周りで枝を叩くことの有効性、洞や隙間に隠れることの有意義さなどの理解につながり、自然の中を生きるカブクワの知恵を見ることができます。

ぜひそれを理解した上で彼らを木から落としてあげてください。
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蹴り採集を始め色々なテクニックから基本となる樹液の見つけ方、木の見分け方などなどのお役立ち情報がまとめて読めます。

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