朝、クワガタの顎が落ちているのを発見。なぜ?
夏場にカブクワ採集に出かけた方の中には彼らの頭部だけを見つけてがっかりというケースが時折あると思います。
死骸を見つけて残念と思うと同時にそれを見つけることができたならば生きたカブトムシやクワガタを捕まえるのは目前であったりします。
今回の記事では死骸が示すクワガタを捕まえるサインと彼らが一体何に食べられているのか?を紹介します。
死骸はカブクワを捕まえられる理由
これはシンプルな理由なのですが、死骸があるということはその付近に生きたカブクワがいたという可能性が高いです。
彼らは樹液にやってきます。甲虫である彼らは飛翔がうまい訳ではないので長距離から飛来したというよりは付近に生息していたと考えられます。(ライトトラップに飛来するように長距離を飛べないわけではありません)
ということは付近に良質な樹液があり、そこに食事に来ていたタイミングで襲われて死亡してしまったという説が濃厚ですよね。
地面に落ちている死骸を見つけた場合にはがっかりしている場合ではありません。早急に落ちていた樹木、近場の樹木に樹液が無いか確認してください。
きっとスズメバチやカナブン、チョウが飛来している樹液があるはずです。
ということは?毎日樹液に来ては食べられるということを繰り返している可能性が高い訳です。
地面に死骸が高密度であればある程付近の良質な樹液を示すサインであると言えます。これからは死骸を見つけたらむしろチャンスですね。
カブトムシやクワガタを食べる生き物
では頭部だけ残った彼らは誰によって食べられてしまったのでしょうか?
その答えは街中でも目にするあの鳥です。
カラスこそカブクワたちの天敵であり、美味しい腹部だけを食べて頭部というサインを残してくれる存在です。
カブトムシやクワガタを観察していると夜明けの時間と共に幹をおり、地面や落ち葉の下の隠れたり枝の隙間などに潜もうとする行動を取る個体が見られます。
飼育環境であればより観察しやすいと思いますが、電気を付けて急に明るくなるとカブクワは潜ろうとするケースが多いです。
これは根拠は持論なのですが、カブトムシやクワガタはカラスを天敵として認識しており、彼らの目が効くようになる朝の陽ざしが出るとともに忌避行動を取るのではないかというものです。
人も間接的にこの行動を利用しており、例えば早朝のクワガタ採集では夜明け前に家を出てカラスに食べられる前位の時間に探すことが多いと思います。
知らずのうちにクワガタとカラスの捕食関係を我々も利用していたのですね。
カブクワを食べるそれ以外の生き物
これに加えてあまり知られていないのが雑食性哺乳類による捕食です。
この仲間は爪が優れており、ハクビシンやアライグマのように樹上に登ることができる外来種の生き物もいます。
これらの動物も樹液に訪れるカブクワを食べることが確認されており、カラスによる捕食よりも悲惨な光景になっている場合があります。
ハクビシンやアライグマといった本来いなかった生き物が在来のカブトムシやクワガタを食べている外来種による捕食は、ウシガエルによる水生生物の捕食やブラックバスによる魚類などの捕食などと同じく実は身近な外来生物による在来種の捕食の例であったりします。
一方でタヌキによる捕食などもあるので決めつけには注意しましょう。
今回の記事ではシンプルながらも有益な死骸を用いたカブクワ採集の方法を紹介しました。
死骸だけで初心者が出所を探すというのは樹木の種類や樹液の見つけ方など他の課題も出てくると思います。
しかしながら当ブログではそれらを初心者が見つけるための情報を網羅していますので、ぜひ他記事と合わせてクワガタを捕まえてください。
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よく知らない木々であっても死骸をサインとすることでカブクワ採集ができます。上の探し方を理解することで木の見分けが不要な採集も可能です。