昔ながらの蹴り採集
俺は昔は木を蹴ってクワガタを取ったぞ。というのはもはや都市伝説のように聞こえてしまいます。
しかし場所さえ選べばいまだに有効なのが蹴り採集です。
今回の記事では大人にはなじみ深く子供には知られていない蹴り採集を紹介し、なぜ有効なのか?や注意点、有効な樹木の太さなどを紹介します。
蹴り採集とは?
蹴り採集とは木に衝撃を加えることで落ちてきたクワガタを捕まえる方法です。
ゲームでいえばぼくの夏休みでの採集シーンが有名でしょうか。
樹液採集や外灯採集、トラップ採集など多くのクワガタ採集が夜に行うものであるのに対して昼間にかなり効果的な採集方法です。
夜の各種採取に向けて下見を行うときに、その地域にどの程度クワガタがいるのかというのを図るのに適しています。
今でこそクワガタは山地などでしっかり探さないと見つけられませんが、かつては薪炭林環境の普通種でした。
私自身も蹴ったらバカバカ落ちてきたという話は話半分で聞いていましたが、いい条件の場所で本当にバカバカ落ちてきたことがあり、有効な採集方法であることを認識したという経緯があります。
落ちてくるメカニズム
まずこの採集の根拠を把握しましょう。
クワガタやカミキリなど特に甲虫で目立つのですが、彼らは衝撃を受けると落下するという行動を取ります。
この生態を逆手に取ったのが蹴り採集です。
甲虫は鎧のような体をしています。飛行もうまくないのでカラスを始めとする天敵などから逃げるのがとても苦手な生き物です。
実際、明け方明るくなってくるとクワガタたちは木を降りて地中に潜り込もうとする行動を取ります。天敵がカラスなどであるという点は的外れではなさそうなんですよね。
カラスがクワガタたちを捕まえようとすれば木につかまる過程で衝撃が生まれるものと考えます。
それを察知したクワガタはポロリと地面に落下し、隠れられることに望みをかけるのです。というのが蹴り採集のメカニズムです。
実際にクワガタを突いてみればわかりますが、彼らは簡単に落下します。重要なのはおそらく逃走のために本能的にその行動を取るということですね。
やり方について
まず樹種を見分ける必要があります。
蹴り採集で狙うことになる個体は、夜に樹液を舐めてそのまま木の枝先などに残った個体です。
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樹液の見つけ方についてはこの記事から。初心者向けと慣れた人向けに書いてます。
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昼間のクワガタは実に巧妙に枝や隙間などに隠れています。そのため目視するのは難しい場合も多いです。
クヌギやコナラ、カシやシイを始めとしたドングリの木や、イタヤカエデ、そして河川敷のオニグルミやヤナギは特に蹴りに適しています。
樹種を見分けたならば木に体重を乗せた蹴りを入れましょう。この際枝ぶりがどちらに流れているかを確認しておいて、枝が多い方に向けて蹴ってください。
そうしないと落ちた個体を見逃してしまいます。
蹴り方はサッカーボール蹴りはNGです。子供は結構やりがちですが、骨折します。体を木に対して平衡に向け、利き足に体重をかけて蹴ります。
最初の一撃で落とすつもりで蹴ってくださいね。半端な蹴りではしがみつかせるだけで逆効果となります。
どの程度の木を蹴るべき?
蹴り採集に挑戦しようと思うとどれぐらいの木まで蹴っていいんだろう?と疑問に思いますよね。
答えは簡単で、自分が揺らせる程度の木までです。
この点は体重が多いほど有利です。
前述の通り昆虫は天敵が来たことを勘違いして落ちてきます。なので鳥が捕まった程度の衝撃を加えると落ちてくる可能性があります。
これには個体差があり、細い木でどれだけ蹴っても落ちないものもいますし、太い木でもポロっと落ちるものもいます。
私的には外周が1m近くなると衝撃が伝わっていない感が強くなります。
それ以下の木は蹴ってみるといいでしょう。
蹴り採集でおすすめの場所を紹介
例のごとく特定の場所は紹介しません。しかしこんな場所が蹴り採集に適しているよという場所を紹介します。
河川敷
河川敷でクワガタを探すオニグルミやヤナギは細いものが多く、蹴り採集に非常に向いています。
木が細い分樹皮が柔らかく、クワガタが単体で木を傷つけられるので樹液ポイントも多く、クワガタが昼間に潜んでいる可能性はとても高いです。
初心者は河川敷から蹴り採集してみましょう。
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オニグルミの記事を読んでおけば河川敷の基礎は抑えられます。
蹴り採集の注意点
蹴り採集を行う初夏の木々というのはアシナガバチや一部のスズメバチなどの営巣場所となっていることがあります。
蹴りをいきなりかますのではなく、まずは目視で虫がいるか?蜂などの危険性はなさそうか?蜂が出入りするような気配が無いか?など確認しておきましょう。
そうすることでより安全に蹴り採集ができます。
また、ハチが出てくるリスクを考慮してムヒなどの軟膏やポイズンリムーバーなどを用意しておくのが安全です。
リムーバーは値段こそ数千円しますが、所持しておけば迅速に毒を除去できる心強い味方です。万が一を考えるならば最悪ハチジェットのようなものを所持しておくのもアリだとは思います。
クヌギやコナラなどのブナ科樹木では昨今ナラ枯れにより枝や幹の一部などが枯れている場合があります。場合によっては上部のそうした枝が蹴りの衝撃によって落ちてくることも考えられるので、蹴るときには上をしっかりと確認しておきましょう。
昆虫の落下地点は分からない場合が多いです。前方を広く見て落ちる物体と落ちた音にしっかり注目しましょう。
また、落下の性質は色々な虫に備わっています。毛虫やイモムシ、色々な生き物が落ちてくる可能性があります。特に毒毛虫の仲間のリスクがありますので、それらの対策も抑えておくとより安心ですね。
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今日紹介した蹴り採集は、同じく昼間に有効なルッキング採集と合わせることで効果を高めることができます。
そちらも理解して相乗的に採集効率を高めましょう。
カブクワ採集に役に立つアイテム
蹴り採集は昼も夜も行えます。夜にやる場合も多いですが拡散光のライトで足元を照らすとロストしてしまう可能性を減らすことができます。特に山地や河川敷、アウトドアを頻繁にする人には結論とも言えるライトです。pljbnature.com蹴り採集は記事で紹介しているルッキングとセットで行われます。ルッキングで枝などにクワガタを見つけた場合蹴るよりも長竿網を受け皿として伸ばし、叩き落とすのが有効です。長竿網があると飛翔個体なども取れるため非常に有用です。
pljbnature.com昼間の採集では対象が目視できる場合も多いです。長竿網があれば不要ですが、高い網を用意したくない場合には安価なこちらがおすすめです。
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包括的なクワガタ・カブトムシ採集の基礎はこの記事から。夏に抱えるクワガタ採集に関する点を網羅していると思います。
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