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相模川河川敷オニグルミ、ヤナギルッキング採集。 ヒラタクワガタ編1

相模川での実際の採集記


6/29日に相模川河川敷の状態を確認してきました。

樹液の状況というのは度々変化していきます。地道ながらもこうした観察が重要になってくるのです。

早速クヌギと思われる木の新たな樹液を発見しました。カナブンが刺さっていますのでタイミング次第ではカブクワも来ますね。

この日はまさに夏日。河川敷は遮るものもなく、砂利や石などが多いので上からも下からも温められます。

飲み物はもちろん鞄の中なども暑くなるので、保冷剤など持ったほうが安心です。下草もだいぶ伸びてきましたね。藪こぎは辛そうな時期です。

クルミの樹液ポイントは増えているように感じました。

写真のような蓋はコウモリガという大型の蛾が幹に穿孔した際に見られることが多いです。

夜行性なので姿はなかなか見られませんが、この樹液の蓋は内側に広い穴が空いており、クワガタが潜んでいることもある要チェックポイントです。
何より見つけやすいのがいいですね。

樹木をルッキングしていく


昼間は幹から枝先までを丁寧に眺めるルッキングが効果的です。河川によく見られるオニグルミ(夏は実がある)を見ていきます。

枝につく不自然なシルエットを探していきます。

写真にはノコギリクワガタがいるのですが、わかるでしょうか? 初心者の方には難しいかもしれませんが、こうした枝の不自然な形に気がつけると成果を上げやすいです。

近くのエリアでノコギリの少歯も見かけました。

クワガタなどの黒い生き物は熱を集めやすいため、昼間は木陰に隠れています。

枝先の混み合ったところや枝の裏側の樹液でノコギリを見ることができました。

軽い藪こぎをしていきます。

河川敷の下草には様々な生き物が潜んでいます。水分のある場所で怖いのは毒蛇のマムシです。保護色で見つけにくいのですが、必ず足元の安全確認をするようにしましょう。

しかしまあ、ススキが伸びてきて真夏は先行者のいるところしか入れなさそうです。

逆に言うと先行者のワダチがあるところは慣れた人が継続して入っているため、樹液のでる可能性があります。

このポイントではカナブンの他ノコギリのメスを発見しました。実は遠目で黒光りしているように見え、前足先が広がってたのでヒラタのメスじゃないかと思ってました。

例の如くこうした黒ずんでいる箇所を見ていきます。

これは体感の話ですが気温が上がりすぎると虫を見かけなくなります。涼しかった前回と比べるとカナブンの割合が少ないです。

クヌギやコナラの樹液採集では小さな細い木は見ないと思います。

しかし河川敷採集ではその考えは危険です。オニグルミやヤナギの枝は非常に柔らかく、クワガタ自体が枝を傷つけて樹液を出すからです。

この小さな木にもしっかりと樹液ポイントがあります。見逃さないようにしましょう。

そして川に近づくとヤナギが出てきます。

この細い竹みたいな印象の木がヤナギです。今回の昼間採集ではヤナギに虫は来ていませんでした(先行者が取ったかも)が、樹液はよく出ており、夜間などは期待ができそうです。

ということでエリアを見渡した結果です。6/29段階で樹液はよく出ているが昼間は木陰に潜んでいることが多い。河川敷の暑さは予想以上に過酷で、対策必須。夜間に再度観察する必要がありそう。といった発見がありました。

相模川河川敷は人の出入りも多く、これからの時期は成果を上げにくくなるかもしれません。

しかし河川敷採集に必要な要素を満たしているので入りやすい相模川で経験を積んでおくと様々な河川で採集ができるようになると思います。
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河川敷ではマダニとツツガムシ対策が必須です。

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