雨や夕立の多い季節 カブクワは樹液に来るのか!?
カブクワ採集に天気は重要でしょうか?
経験に基づいて答えると環境によります。基本は晴れの続いた日が良いですが、多くの方が訪れるポイントなどでは採集圧の影響で雨の日のほうが採れるなんてこともあります。
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今回の記事は↑の樹液の探し方と合わせると理解が深まります。記事を読んで更に知りたくなったらアクセスしてみてください。
雨の日の樹液採集
雨の日はその強度にもよりますがカブクワの出現は少なくなる傾向が見られます。

しかしそれは大雨の場合であり、小雨や小規模の雨程度であれば問題なくカブクワが見つかることが多いです。
この理由についてはシンプルで、植物というのは基本雑木林や森の中にあるため、葉などが雨のしずくを防御してくれて樹液が出る幹などが濡れていないケースがあるためです。
つまり雨が降っても幹の樹液が流れなければカブクワは出現しています。そして都市部の採集環境を考慮するとむしろ雨の日の方が取れる可能性があるということもできます。

先ほど述べたように雨の日の採集というのは実際に体験してみると意外と幹は乾いており、カブクワがいるのですが、いわゆる親子などのライト層はこの判断ができず、雨=カブクワは取れないと判断しがちです。
ということはそういった都市部の最大の懸念点となるライバルの出現が大きく抑えられる可能性が生まれるため、人の多い環境下では成果を上げやすくなるかもしれないのです。
人が動きたくない、面倒くさいタイミング。人がやらないことをするというのは昆虫採集における成果を上げるための鉄則です。

なのでこの記事を読んだ方は人の多い公園、緑地、身近な場所へ行くならばチャンスだと。そして河川敷や山へ行く予定ならば控えておくのが良いかと思います。

私はこの雨や霧の条件下でカブクワが取れるのかを実験したことがあり、さすがに好奇心でやっただけなので回数は数えられる程度なのですが、ミヤマクワガタなどが霧の中出現したりノコやコクワが普通にいるのを経験しています。
そんな日には普段賑わう場所に人が来ないのでチャンスなのです。
参考程度に雨の程度も記しておくと、小雨(傘をさすか悩む)は振り始めや短時間なら問題ないです。雨(傘がいる)は幹が濡れてしまうので振り始めならともかく強度があるなら向かないです。

ゲリラ豪雨などの雨の強度はダメです。
しかし夕方に降る程度や短時間だけ降るならばその後湿度が上がるので都合はよくなります。
ただし強度の強い雨は目につく発酵した白い樹液を流してしまうので、少し経験が求められる採集となります。
以下にそんな雨の日にカブクワを探す際のコツを紹介します。特に特別なことは無いです。
天気に関わらず基本の樹液周り
近年はナラ枯れの影響で樹液の流出が非常に多いです。おかげでカブクワの量も多く、今回の記事の発酵した樹液も見つかりやすいです。
ここで雨の日も晴れの日も共通して行えるナラ枯れ樹液採集について詳細を省いて説明します。
キクイムシという非常に小さな虫がブナ科の木に穴を開け、大量の樹液を出す。そのため木を見分ける必要がなく、写真のように幹に黒ずんだ樹液跡がある木を見ていく。というのがナラ枯れ樹液採集です。
ブナ科の木というのが重要で、クヌギコナラ以外のカシやシイなどのドングリを付ける木も対象木になります。そのため街路樹やっちょっとした公園、雑木林などあらゆるところで実践することができます。(木を見分ける必要がない)
神奈川ではそこら中の雑木林や公園で黒ずんだ樹液が見られますので、ここはマストな前提知識として理解してください。
そして探す樹液の姿はこれです。
イメージの樹液とは違うはずです。白く泡のように、もしくは固形物のように見えるものを探してください。これが虫が大好きな発酵した樹液です。かしの木の樹液は良質なものが多く、何年か継続して流れる傾向にあります。
こんな樹液見たことがないよ!という方も多いかと思います。実は樹液にはタイミングというのがあるのです。
発酵した樹液の探し方
すべての樹液が発酵しているケースというのはあまりないです。
この幹に滲んだ黒ずみ、晴れの日が3日ほど続くと自然界にある酵母菌などが付いて発酵します。
お酒の作りと同じでアルコールができるのです。
雨がふると流されてしまい弱くなってしまいますから、採集初心者は夕立などがない晴れが続いた日の後に採集に行ってください。お酒の甘い香りが雑木林に漂っているはずです。
雨でもクワガタは現れるのですが、幹が黒ずみ樹液の場所がわかりにくい。特有の香りが弱くなる。音などの五感に雨が干渉してくるなど初心者にとってかなり厳しい戦いになってしまいます。
線状の樹液に来ているノコギリ。晴れなら樹液の後が一目瞭然ですね。
2021年以前に探索した場所は変化していると思え
ナラ枯れ樹液採集の面白いところはキクイムシの性質上幹に数百~数千の樹液ポイントが生まれることです。
本来樹液ポイントというのは平地のような乾燥しやすい場所では多く生まれません。そのため強い虫が餌場を独占してしまっていました。
ナラ枯れ樹液採集の優れている点は、1本の木で無数の樹液が流れ、地上10M程度の高いところまで餌場が点在しているところです。
私は敬意を込めてご神木と呼んでいますが、条件のいい木では1本の木に20程度のノコ、コクワが付き、スズメガの仲間やキシタバなどの樹液性の蛾が取り付く昆虫パラダイスを拝むことができます。
このような好条件の木がひっそり息を潜めているんです。
しかし毎年同じ場所を定点的に調査する人はいません。
特に1度訪れてドングリを付ける木はあったけどもカブクワがいなかった。ならその場所を訪れることはもうないですよね。
そういったポイントが穴場になっている可能性があります。
初めの1歩は大変だけども、そのハードルは極限まで下がっている!
クワガタ採集は初心者にとって大変です。木、ポイント探し、樹液などに加えスズメバチなどのリスクもあります。
しかし2021年にキクイムシが神奈川に現れることで戦局は大きく変わりました。
それから2年たち、増えた樹液でクワガタの個体数が増えたのかもしれません。今は本当に初心者にとってハードルが下がったタイミングだと思います。
キクイムシは木を枯らします。
そのためこの最高のタイミングは長くは続きません。
ですからクワガタを捕りたいと思っている方は思い立ったが吉日。早速近場の雑木林などに再度足を運んで様子を見てみましょう。黒ずみを発見できたなら素晴らしい夏の体験が待っているかもしれませんよ。
以下はこの日に撮った写真とコメントです。
キクイムシにやられた木は写真のように木屑が出ます。樹液の判別に役立ちます。
1本に数十匹もついていると強力なライトや声の振動でクワガタが落ちてきます。
この日最大の62mmノコギリクワガタ。数が多いとサイズはもちろん色やサイズに対する顎の形などを観察するのも楽しい。
7月中旬以降はカブトムシだらけになりそうな予感。クワガタは7月中旬まで、カブトなら7月中旬~お盆頃まで。
甲虫だらけの樹液は何歳になってもワクワクしますね。
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0からでも成果を挙げられるカブクワ情報をまとめてあります。親子層が疑問に思う樹液や木の見分け、どんな種類が狙えるのかなどの必須情報から種の見分けや発生時期などの情報まで幅広く夏を楽しむコンテンツを取り揃えています。
カブクワ採集必須道具
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特に都市部で顕著となりますが、短い網で届くところはすべて取られてしまっている場合が多いです。差別化として何mも伸びる網を利用すると成果を上げやすくなります。また、他の虫取りもかなり楽しくなります。
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夜間の安心がほしいですよね。それならば良いライトを所持することを強くおすすめします。実は見れる範囲が大きく増えることでカブクワが捕まえやすくもなります。
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