蓼食う虫も好き好き

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クワガタ採集におけるスポットの見つけ方。航空写真を利用して採集場所を選定する方法。

クワガタ採集する場所をみつけるために


クワガタがたくさんいるような場所が見つけられない。どうすればいいのか分かりません。

採集始めたてはこうした悩みに当たりますよね。

そこで今回の記事ではどのようにしてクワガタが採れるスポットを開拓しているのかというプロセスを紹介します。




航空写真を利用して怪しい場所を探してみよう


まず採集のyoutubeや私のようなブログは数打って当たった場所を記事化しています。実はその裏では成果の上がらない採集をたくさん経験しています。(取れないことを前提にするとがっかりせずオススメ)

開拓方法としてはgoogleの航空写真MAPを利用して自身の経験からいそうな雑木林に当たりをつけて実際に訪れています。

コクワ、ノコギリ、カブトあたりの平地普通種3種であれば適当な雑木林でも外しませんが、ヒラタなどの難関種では取れないことのほうが普通です。
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(汗まみれで成果が上がらないのも珍しくないです)

どこでとれますか?どの辺でとれますか?というような答えだけを求めるのは採集において間違いです。

基本的な探し方を覚えて当たりそうな場所を訪れ、根気強く成果が上がるまで繰り返すことによって甲虫がいそうな環境のあたりを付けられるようになります。
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結果、最初の年では成果が上がらなかった場所にて1年後にヒラタが取れたという粘りの事例です。

このプロセスにより幅広い虫たちの採集にも応用が効きます。



(基本的な探し方なども別記事ですが当ブログにて全て紹介しています*)
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基礎が気になることはこの記事で当ブログカブクワ関連の内容を網羅できます。

スポットになるか実際に訪れる

場所に目星をつけたら実際に訪れてみます。事前にストリートビューなどで雰囲気を見ておくのもいい手です。

レベルの低い藪漕ぎ。コレくらいならば入れることが分かる。

下見活動は非常に重要で場所の雰囲気やコンビニ、トイレなどの有無、進入禁止の有無などがわかります。

ここからは当たりをつけた場所での実際の採集記を紹介します。

この日は気温と湿度が高くムシムシとしています。樹液性昆虫たちには良さげな雰囲気ですがどうでしょうか。

予想通り現地には樹液の出る木があり、カブクワが見られました。

ここの割合は6/29時点でノコ:コクワ:カブト=7:2:1位の割合です。

近年はナラ枯れの影響で樹液がよく出るため、本当に適当に探しても見つかりますね。

発酵するシラカシの樹液。
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ポイントを絞り込んだら?どう探すかを紹介しています。

取れない場合の要因

もしこの記事を読んで成果が上がらない場合、季節の影響も大きいかもしれません。

夏休み目前になると昆虫愛好家だけでなく、野生の個体で金儲けしようとする人達が現れます。(現地で確認)

7月に入り、私のお気に入りスポットにも網と大きなボックスを持った人が根こそぎ虫を取っていました。

恐らくペットショップやオークションで売る人でしょう。

平地のスポットはアクセスが比較的良好かつ今回の記事の内容で当たりをつけられるため、真夏になるとどこも厳しくなりがちです。

そこで平地ではクワガタの生態を理解した早期or晩期の採取か、情報の出ていない場所での採集をしなければなりません。

前者の時期としては6月中もしくはほとぼりの冷める9月以降の期間はライバルがガックリと減るので、初心者でも成果を上げやすいです。(秋はコクワなどの一部の種に限りますが)

クワガタは5月下旬~9月下旬ころから見られるので、期間を外すのはおすすめですね。

9月以降ならば日没が早くなることで、遅くなる前に引き上げることも可能になります。コクワやヒラタなら10月中頃くらいまで可能性はありますよ。


木の種類が強力なスポットになる!

今年はコナラよりもかしの木のほうが集客力があるように感じますね。

平地採集の場合クヌギとコナラは有名すぎます。

差をつけるため、別の木を見ていきましょう。シイやカシというどんぐりの木です。

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私のエリアでは虫が連なる御神木が数本あるのですが、内訳はシラカシが6本、コナラが2本程度でかしの木が強いです。

かしの木はナラ枯れを起こす菌への抵抗力が強いため、コナラと比べて枯れにくいです。スポットを見つけたら数年間は楽しむことができます。

なんだか平和そうな樹液です。やはりカナブンの割合はカブクワの量に直結している気がします。

こちらは新規開拓地で見つけたコナラのご神木です。

10m位のところまでノコギリまみれです。どれも50mm~後半くらいのものですね。

昆虫採集や観察をした方は共感してくださると思いますが、クワガタは木にいるとやたら大きく見えます。

手にすると縮んでしまい、あれ?こんなもんか?と思います。

シラカシのご神木が凄いことに。この樹液だけで10匹のクワガタがいました。眺めているだけで嬉しくなりますね。

中歯くらいのノコの割合が多いです。

私は中歯サイズの体に大歯の個体がかなり好きなんですよね。ノコギリは個体差がかなり大きいのも好きなポイントです。

暖かく樹液も多いからかかなり活発なようで、飛翔する場面にも多く出くわしました。

結構強力な懐中電灯を使用しているのですが、明らかにLEDに飛んでくるものもおり、この辺は検証のしがいがありそうです。

発生初期のクワガタはよく外灯に集まります。平地の町中では樹液がよく狙われますが、こうした外灯周りも見るのはおすすめです。

この時期は街灯周りの関係ない木にもよくくっついていましたね。

今回はスポットを人に聞くのではなく自身で開拓していく方法の初歩を紹介しました。このように開拓したことのない方はイメージがつきにくいかもしれませんが、採集記と合わせて発見までのプロセスをイメージしてもらえればと思います。

平地の昆虫採集で成果を上げるのは夏の期間にはなかなかに難しいです。

採集ブログやyoutubeのような樹液につく多数の虫を見たい場合には今回の方法は大いに役立つはずです。

また、日本全国の山中を除いてどこでも使える方法なので活用してみてください。



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カブクワを取りたい本気の方に捧げる20000字の本気採集記事です。
この夏クワガタを取りたい方はぜひじっくりと読みすすめてください。
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取れない方になぜあなたはクワガタが見つけられないのかを考察しています。
カブクワや自然イベントの中で多数の親子を観察した経験からお伝えします。

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今回の記事の東京稲城版です。良さげな場所を見つけて訪れてみました。

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スポットを見つけたら外灯と樹液採集の基礎を抑えましょう。
採集目標の設定→スポット発掘→採集方法の理解がスムーズです。

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全8回の高尾山編です。場所が明かされていますので、現地でどう見つけるのかの実践に最適です。

カブクワ採集に役に立つアイテム

スポットの見つけ方を理解したからクワガタが採れるわけでは有りません。
現地ではクワガタを目視する→捕まえるの2つのフェーズがあります。

ライトの性能が目視の量を増やすのに大きく貢献します。いい場所に行けても見れないのならば意味がありません。
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買う買わないは別として良いライトの性能がどのようなものか知っておくと良いと思います。見つけたあとは長竿網など網の性能の戦いとなります。特にミヤマなど飛翔性の高いものは高いところや斜面の木などについている場合も多く、そうした場合に取れるのは長い網を持つものになります。
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面倒なパーツや組み立てを紹介した記事がありますので是非活用してください。