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初夏のクロホシタマムシ、サトウナガタマムシ採集in神奈川 2024年5月上旬編

ついにクロホシタマムシのシーズン

5月初旬GWのクロホシタマムシ

今回は採集記です。



5月といえばクロホシタマムシの時期です。

毎年GW頃を目安に採取していますが、今年は桜やツツジの開花などを見ても随分進みが遅いように感じます。果たしてクロホシタマムシは出てるのでしょうか?(目次ネタバレ済み)

倒木などに来る枯れ木の虫たち。クロホシも同様の性質

クロホシタマムシは土場などに飛来することが知られています。

昨年度は立ち枯れにも当然来ると思っていたのでコナラの立ち枯れに張り付いて成果を上げることができました。
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今回は下見段階で目を付けていた衰弱コナラに張り付いてみることにしました。

現地は真夏日でかなり暑い日でした。

ここまで来る気配ビンビンの木があると期待が持てる

しかしいい衰弱具合です。ゴマフカミキリやクビアカトラカミキリが来ており、これらのカミキリは昨年度のクロホシタマムシが来る木であることと関連がありそうであったため、期待が持てます。

神奈川の平地でクロホシが来る木にはクビアカやゴマフがいる。

ということで朝9時ごろから見ていたのですが、この朝の時間はクロホシタマムシが来ませんでした。
まだ朝の時間で日の角度が低いためなのか不明ですが、周囲を見てもう少し日が上がるのを待つことにしました。

時間は10時半を回ったころでしょうか。胴吹きの葉に小型のキラキラが飛来、やはりこの見つけた時の嬉しさはたまりませんね。

1年ぶりの再開。やっぱりタマムシを目視したときの嬉しさは癖になる。

クロホシタマムシです。類似種にはマスダクロホシタマムシがいますが、マスダは針葉樹利用である点や翅上部の黒点の数が少ないなどの違いがあります。

クロホシは広葉樹のコナラやクヌギが好きなようでこのコナラなどの枯れ木によく産卵しに来ます。

光に照らしてこの美しさを満喫した

まだシーズン初期なのでオレンジ味が強く大変好みな色合いです。夏に行くにつれて緑色が強くなっていくのは面白いですよね。

このまま張り付いてみましょう。なんと今日はタマムシ好き大歓喜のクロホシタマムシフィーバーでした。

立ち枯れに飛来することから幹や枝に来るものかと推測していましたが、その他葉にもよく飛来していました。

ナラ枯れで衰弱した木は胴吹きの葉が多い。飛来が見えやすくて採集向き。

捕まえた成虫がウンチを頻繁にしていたため、衰弱木で食事と産卵をしていたのかもしれません。

残念ながら探すのに夢中になりすぎて写真は数枚しかありませんが、成果は5匹(後日30分ほどで3匹追加)目視は12匹ほど確認できました。

3匹ほど頂いて後は逃がしています。また見たいですからね。

時間は午前の10時30から12時ごろまでがピークのように感じ、午後は飛来数も少なく2匹ほどしか見つかりませんでした。

このうち緑ネットに誘引されてきたのは2匹です。(8匹中2匹)ネット様様ですね。

後日の3匹を追加すると捕まえたうちの20%が緑色に誘引。効果あり。

性別は不明ですが枯れ木に来ている♀であることを考慮して採取の内3匹だけ持ち帰ることにしました。


クロホシタマムシは見れても採集するのが難しいですね。とはいえ初夏を感じる楽しい採集となりました。



ちょうどいい衰弱木があれば思ったより成果を上げられそうな気がしています。昨年よりも個体数を感じるあたりナラ枯れで増加傾向なのかもしれませんね。

最近話題のサトウナガタマムシ。神奈川では2年ほど前から出現。

おまけというか人によってはこっちのほうがいいじゃんと思われそうですがサトウナガタマムシが早くも出ていました。
このタマムシも数年前に関東で発見されてから色々な場所で見つかり始めていますよね。神奈川では確か2年前ほどだった記憶があります。

昨年のアカアシオオアオカミキリの急激な生息域の拡大などおそらくナラ枯れをトリガーとして広まっている希少な生き物たちの増加を前にワクワクが止まりませんね。


その他何か見られた虫たちです。

やっぱりでかい

コナラの樹液にはオオスズメバチの女王バチです。ハチを捕まえる気にはまだなりませんが、最近はその魅力に気が付きつつあります。
展翅したらさぞかっこいいことでしょうね。

産卵管が立派なハチ。若い枯れ木に来ている。

枯れ木には寄生バチ系も結構来ていますね。小型カミキリやタマムシが犠牲になっているんでしょうか?オオホシオナガバチと思われるハチはそこそこ遭遇しました。

そんなこんなで眺めているとこの時期ならではの尾が長いあいつが出現です。

みかんの苦みみたいな香りがしていい

ウマノオバチですね。神奈川県レッドデータは2006年と情報が古いのですがこの地域では毎年観察できています。
ミヤマカミキリ寄生の生態が明らかとなり、ナラ枯れにより枯れたコナラなどが増えた昨今では個体数も増えてくるのではないかとひそかに期待しています。

花に枯れ木に見るべき場所がたくさんあってあっという間の採集

バラ科のお花ではエグリトラカミキリやトガリバアカネトラカミキリと思われるカミキリ、ベニカミキリなども観察できました。

タマムシ採集に役立つアイテム

これ1冊でタマムシがどの木を利用しているのかがよくわかり、春~夏のタマムシ探しがとても楽しくなります。タマムシ採集で使う網には玉の柄を活用します。私が使用してる剛剣はカーボン65%で扱いやすい人気の柄です。

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エノキにつくナガタマムシの観察です。この時期はタマムシが熱い!