非常に珍しい昆虫ヤマトタマムシ?
人によっては幻とも捉えられているタマムシ。
探す際の要点だけ抑えておけば実は町中などでも簡単に遭遇できる昆虫だったりします。
逆に言うと要点を知らなければ遭遇難易度は非常に高い昆虫です。
今回はメジャーな2種類の探し方をお伝えします。
エサとなるエノキの木で探す方法
エノキについてはオオムラサキの記事でも紹介しました。
pljbnature.com
エノキの木は神社や雑木林、河川敷などで普通に見られます。
特徴としては葉の途中から縁のギザギザが出るという点と、夏場においては緑~黃、赤色の実がついている点で分かりやすいと思います。
公園などにもよくあるので、初心者はそういう場所で探してみるのがいいと思います。
探す時間と天気が超重要
ここが最重要ポイントになります。
ヤマトタマムシは晴れの日のお昼すぎ(13時頃)から活発に飛び始めます。
曇や雨の日、午前中にはなかなか見られないので、見つけたい方は必ず意識してください。
採集可能時期としては6月下旬~8月下旬で、個体数は7月下旬頃が一番多いです。
ここを意識したらあとは探し方を理解すれば簡単に遭遇できます。
エノキの上空を眺めて飛翔を待つ
エノキの葉先と空の青の境をじっと眺めます。
ヤマトタマムシはエノキの樹冠(高い所)を飛び回り、1匹が飛ぶと釣られて多数のタマムシも飛び始めます。
恐らく♀が飛翔し♂が追従する形なのではないかと思います。
2~3分ほど眺め、角度を変えてそれを繰り返します。
いなければ別の木で繰り返します。
先程お伝えした天気と時間を意識し、風の強くない日であればきっとヤマトタマムシが飛び出てくるはずです。
至福の瞬間
来ましたー!
左上にヤマトタマムシが飛翔しているのが見えるはずです。
1匹見つけることができれば恐らく数匹潜んでいるはずです。
タマムシは基本的に高い所しか飛びません。
いわゆる100円ショップの網では風に煽られて低いところに来た個体をたまたま捕まえるくらいしか手がありません。
おぉー!次々出てきます!
このように夏の宝石、タマムシが飛翔する様を眺めることはとても簡単です。
しかし捕まえるとなると相当苦労します。5m以上の長竿を元にした網がほしいですね。
別の採集方法、立ち枯れ木採集
エノキでしかタマムシが取れないと思っている方は多いです。
しかしタマムシの生態を理解することで、更に捕獲の機会を増やすことができます。
神奈川で猛威を振るっているナラ枯れによるブナ科の枯れ木を利用しましょう。
ヤマトタマムシの生態について
最初の採集方法で説明した通り、エノキで飛翔し交尾をした♀はサクラやコナラなど幅広い樹木に産卵のため訪れます。
エノキは雑木林の普通種であり、近隣にコナラなどのナラ枯れ木があることはとても多いです。
卵は孵化し、枯れ木の中で2年もの歳月をかけてキレイな成虫になります。
この採集では正午付近~午後にかけて産卵に来た個体を狙ってみましょう。
飛来しました!
体感としてはエノキ採集よりもやってくる個体数は少ないのですが、幹の太いところに止まることが多く、飛び回らないため初心者にとてもおすすめです。
じっくりと生態を観察してタマムシへの理解を深めるのもおすすめです。
立ち枯れコナラに飛来したヤマトタマムシ。樹皮の様子を確かめながら木を登っていきます。
そして嬉しいことに産卵の場面にも遭遇することができました。タマムシの産卵シーンに出会ったことのある方は少ないのではないでしょうか?
個人的にはこのように産卵してから捕まえてほしいなぁと思います。そういう採取を心がければ今後も見ることができますね。
ヤマトタマムシは普通種で、簡単に出会える虫である!
捕まえたタマムシを光に照らせばもう虫の虜間違いなしです。
話を聞くと幻の虫で、大人の方でも実物には出会ったことがないという方は多いです。
しかしタマムシに限らず昆虫というのは生態を理解することができれば簡単に出会えるものも多いのです。
ヤマトタマムシは前述の通り6月下旬~8月終わり頃まで見られます。興味の湧いた方はぜひ本記事を参考に夏の宝石を探してみてください。
タマムシ採集でおすすめのアイテム
流石にオススメです。タマムシの仲間をやるなら携帯しておきましょう。ナガタマムシの側隆線による見分けや実寸台のサイズが載っていたり網羅性も高く、眺めているだけで幸せになれる図鑑です。タマムシ科採集には5m以上の網がおすすめです。高いところを飛ぶタマムシのために長竿網を作るのはお高いですが、これ一品あれば昆虫採集の幅が大きく増えるため、虫好きな方にとてもおすすめできます。pljbnature.com
タマムシと戦える網の作成に関してはこの記事を参考にしてください。
タマムシ科採集関連記事
pljbnature.com
タマムシ科の超人気種アオタマムシの有名産地高尾山での採集期とそのコツです。ヤマトタマムシの次のステップにぜひ。
pljbnature.com
ライブ感が味わえる採集記編です。夏にアオタマに挑みたいならばぜひ読んでみてください。
pljbnature.com
美麗種アオマダラタマムシ採集編です。実物には会えませんでしたが、タマムシ採集のプロセスが学べます。
pljbnature.com
こちらは夏以降も探せるチビタマムシの探し方についてです。小さいながらもその光沢はさすがタマムシ!
pljbnature.com
pljbnature.com
2024年のクロホシやサトウナガタマムシなどの採集記もあります。