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神奈川県で探す絶滅危惧種オオムラサキ。国蝶オオムラサキの探し方と見つかる場所を構成する要素について

神奈川のオオムラサキは絶滅危惧種


豊かな自然環境にいるという印象が強いオオムラサキ。国蝶ということもあり、幻のような扱いを受けています。

確かに樹液の減少や生息地の冬季における落ち葉掃きなどなどのいろいろな影響を受けて生息地は減少傾向にあるように思います。

しかし神奈川でもいる所にはいます。特に近年はナラ枯れとその影響を受けて個体数も少なくないように思えます。

今回は夏の僅かな期間に現れる圧倒的人気を誇る蝶、オオムラサキを見つけるための要点をお伝えします。

(記事最終更新2025/12/3)

エリアの選定が重要


神奈川の平地においてオオムラサキを見る機会はナラ枯れ以前と比べると増えているように感じます。

県のレッドデータでは準絶滅危惧に指定されており、市町村によっては絶滅危惧2類など最近格上げされた場所もあります。

しかしながらもともと生息していたエリアでは樹液の木の増加が著しいために遭遇の機会はとても増えているように思えます。

探すならば平地よりも山側のエリアを選ぶのが良いでしょう。探す場合には探したいエリアの近隣の自然情報を調べてオオムラサキがいるのかどうか調べるのがおすすめです。

県内でおすすめなのはやはり自然の多い西部エリアや南西部です。

私がよく行くというのもありますが、ここ数年はナラ枯れの影響を受けて樹液の流出が盛んになり、多くの個体数を見られるようになりました。

夏場ならミヤマクワガタや樹液の昆虫なんかを探しながら樹液を歩いていたら遭遇できるのではないかと思います。

県西部では出現時期となる7月中旬ごろから探してみると遭遇難易度はあまり高くはありません。

オオムラサキの出現環境について


オオムラサキの幼虫の食草はエノキという樹木です。エノキの木があり、落ち葉が飛んでいかないような環境があることと成虫の餌資源となる広めな雑木林があることが出現条件です。

この樹木は雑木林や河川敷などどこにでも生えています。そのためどこにでもいそうなものですが、なかなか見られません。

幼虫の環境


オオムラサキの幼虫はユニークな特性を持っており、エノキの足元に堆積した落ち葉の下で冬を越すということをします。

なので足元が吹きさらしの環境では発生できません。

同環境にはオオムラサキを含む3種の幼虫がいますが、オオムラサキの幼虫は背中の4つの突起が等しい大きさを持つという特徴から分かります。

(オオムラサキの幼虫)
幼虫はエノキの胸高直径が1mいかない位で、林縁や沢沿いなどのやや湿度のある環境で見つかることが多いように感じます。

細い木ではアカボシゴマダラがよく利用しており、オオムラサキは中木から大木によくみられると感じています。

成虫の環境


成虫は発酵した樹液を訪れます。

適度に樹液が流れる湿度の多い雑木林環境が必要で、樹液流出に貢献するカミキリムシ類、広げるスズメバチ類など多様な生き物が生息する環境がなければなりません。


平地で緑が残る場所は公園や緑地などになりますが、管理されすぎて落ち葉を掃いてしまったり、樹液に貢献するシロスジカミキリの減少がオオムラサキの減少にも繋がっています。

そのため、オオムラサキを見ようとすると昔ながらの里山的な環境が残る場所、もしくは落ち葉が飛ばないような雑木林環境になります。

ただ最近の関東圏ではナラ枯れとその後遺症が引き続き見られるため、樹液回りの条件は良質になっていると思われますね。

成虫に遭遇するために必要なこと

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まず樹液の知識が必要です。エリアを把握して樹液の雰囲気を知っておけば樹液に来る個体、産卵に来る個体、縄張りを張っている個体、越冬している幼虫などなど遭遇のチャンスは多いです

時期や時間も重要

オオムラサキ成虫の出現時期は6月下旬~8月中旬くらいまでです。

最も見やすいのは7月中下旬頃になるのですが、この時期には既にボロボロになっている物も多いです。

美しいオオムラサキに出会うためには出現の少ない7月上旬ごろに探す必要があり、とても苦労します。

オオムラサキの新成虫は、羽化直後に樹液に来ているのか怪しいところがあり、新鮮な個体はなかなかやってきません。

仮説としてはアゲハの集団吸水のようにミネラル補給をしたり、獣ふんなどから栄養を取っているなどの行動が考えられます。

出現時間は現地観察の結果日中9時~16時程度まで幅広く現れ、樹液にいなくとも頻繁に飛んできます。

ナラ枯れの樹液流出以前はアキニレやイタヤカエデなどのマイナー樹木の樹液にも来ていましたが、最近ではシラカシやクヌギなどナラ枯れを起こすキクイムシの影響を受けたブナ科樹木での発見ばかりです。

なので西部ならばミヤマクワガタ探しのついでに遭遇できるというわけです。

樹液以外に枝先にもよくいる


生息密度の高いところでは樹液以外でも遭遇できます。

視界の開けた高い所や枝先などで自身の縄張りを貼る姿(テリハリ)を見ることができます。

(大きな人間さえ威圧する!)
他の虫や鳥などにさえ威圧的に追い払うこのテリハリ行動はオオムラサキらしい勇ましい姿を見ることができ、非常に感動します。

環境としてはやはり樹液がある雑木林なのですが、林と開放空間の両方があり開放空間に飛び出た枝の上などにいることが多い印象です。

ぜひ探していただきたいです。

美麗なオオムラサキは虫好き必見!


要点さえ抑えておけば神奈川でもオオムラサキに遭遇することは可能です。

先日のアカアシオオアオカミキリと同様に一時的なものだと思われます。
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4~5年前と比べここ2年ほどは非常に遭遇しやすくなりました。

図鑑でしか見たことがなく実物を是非見たいとお考えの方は今が最高のタイミングなので探してみてください。

そして見かけた際にはオオムラサキを取り巻く環境を作る多様な生き物たちにも目を向けていただきたいですね。

蝶採集道具

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美しいチョウ。個体数が多い場所ならば標本に挑戦してみるのもいいと思います。
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樹液や高所にいる個体、産卵の個体を捕まえるならば長竿網が適切です。
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高山に現れるチョウなんかはどうですか?標高2000mまで車で行ける場所での高山蝶の観察です。
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