蓼食う虫も好き好き

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あいかわ公園のカブトムシやクワガタ、樹液の出る木の事情など、昆虫採集に役立つ情報。

真夏のあいかわ公園で見られた虫


平地よりも山地の公園のほうが様々な昆虫が見られます。

宮ヶ瀬ダムの麓、あいかわ公園でどんな昆虫が見られるのか調査してきました。

夏の公園散策の参考にどうぞ。

夏の人気昆虫カブクワは見られそうか?


公園内にはカブトムシの発生場所となる腐葉土の堆積場所がありました。

この枠内にはいわゆる羽化不全で翅が駄目になってしまったカブトの死骸がありました。

外周に荒らされたあとがあり、蛹室が壊されてしまったのでしょう。残念な行為ではありますが、カブトムシはいるようです。

樹液に関しては結構出ています。それに対して見られる昆虫がスズメバチばかりで、偶にカナブンがいる程度です。

ここから想像するに採集圧は相当高いと思われます。

真夏の昼間に成果を出すのは厳しそうな印象を受けました。

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コクワやヒラタは見られそうか?


園内の低い位置にある木のめくれが破壊されていたり、樹皮が傷つけられている光景を目にしました。

高いところには樹洞のようなものが残っている所もあり、取れずともカブクワの存在はありそうです。

高いところに割れた箇所があり、そこでカブトムシの♂を見ることができました。

一通り見て回った結果、幹などで見られることは少なそうで、高いところの樹液に何かしら昆虫がついている傾向にあることを発見。

う~ん、これでは臆病なヒラタ採集はなかなか厳しそうです。しかし樹液の雰囲気だとかの基礎的な知識を学ぶ場としてはとても良さそうに感じますね。
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この記事の実践にはとても適していると感じました。

過去の観察からミヤマクワガタの生息圏であることも分かっており、一山当てるロマンもあります。

あいかわ公園で見かけた虫たち


この公園は芝生が多いです。ショウリョウバッタやトノサマバッタなどの人気昆虫に遭遇するには良さそうです。
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ナラ枯れの被害が深刻なようで、枯れている木が見られました。

逆に言うと立ち枯れに来るような昆虫が観察できます。クビアカトラカミキリが多数ついているコナラがありました。枯れ木性のカミキリは複数見られそうですね。

あいかわ公園はヤマトタマムシが多い!


あいかわ公園の広場にはエノキの木が多数植えられています。

それによって真夏の人気昆虫ヤマトタマムシが多数飛んでいるのを眼にしました。

立ち枯れ木や衰弱木に産卵に来ているものもおり、こんな簡単に出会えるなんて素晴らしいなと思いました。

広場だけで10~20匹程度は見かけました。午前中はあまり飛びませんが、お昼すぎくらいからエノキの上空を飛び回っていましたよ。
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こちらはアカハナカミキリ。小型カミキリムシの中でも遅い時期に出てくる種類です。まだ早い時期なのですが、既にいるということは今後さらに増えそうですね。

マスダクロホシタマムシの死骸です。植生は針葉樹~広葉樹まで幅広く、どちらの性質の虫であっても見られそうな感じがしました。

小型のタマムシで、平地ではそこまで数が見られない虫という印象です。

虫ではありませんがこの公園はトカゲがとても多いです。昆虫が多いので爬虫類が豊かなのでしょうね。
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かわいいセスジスズメの幼虫がいました。大きくなると8cm近くなる巨大幼虫です。目玉模様がはっきりとしてきて、蛇のような擬態をするようになる夏の代表的な幼虫です。
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コウゾチビタマムシ。山地なだけあってカミキリムシ層やタマムシ層はなかなかに厚そうです。

生えている樹木の種類も豊富でじっくり探していくと様々な虫に遭遇できそうでした。

また、写真はありませんがオオムラサキにも遭遇できました。
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総じて樹液、枯れ木、葉様々なものに来る昆虫が見られ、カブクワ以外を目的にしても楽しめるいい昆虫観察ポイントなのではないかと思います。興味のある方は訪れてみてください。
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丹沢の麓なのでマダニには要注意の公園です。対策はしっかりしましょう。皮膚科のお世話になりますよ。

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平地の公園では成果を上げるのは難しいです。生態を理解して公園ではない場所で探すのが成果を上げる近道です。