とある影響で甲虫が大発生!?
クワガタ採集に挑戦し、捕ることができなかった経験をした方は多いことでしょう。
山の方にまで出向いたのに成果は無かった。なかなかに辛い話です。ところが昨今の関東では町中などにあるちょっとした雑木林でたくさんのクワガタに遭遇できる可能性があります。
今回は夏の間に役立つ樹液の探し方や、ナラ枯れなどの昨今の情勢を用いたクワガタ探しの方法をお伝えします。
遠目からでも見える茶色く枯れた木のある雑木林を探そう!
関東圏では木を枯らすキクイムシが大きな問題となっています。
初夏のこの時期から雑木林や山などの一部樹木が茶色に変色する現象です。このキクイムシは木には酷ですが、樹液を大量に流してくれるんです。例を見てみましょう。
キクイムシは4mm程の非常に小さな虫で、1本のクヌギやコナラに数千~数万匹で攻撃を仕掛けます。
木の内部に入り穴を開けるため、被害を受けた木からは大量の樹液が流れている可能性があります。写真は攻撃を受け、発酵した樹液が流れているところです。
実は樹液というのは怪我と同じもので、木の内部が傷つかないと流れません。
樹液の発生要因にはカミキリムシ、ボクトウガの幼虫が主要要因として昔から知られています。このキクイムシは関東圏で大きな話題になったのが2018年頃からであり、樹液を出す虫として一般にあまり認知されていません。
なのでこれまでクワガタがいなかったor数が少なかった近場の雑木林や木のある公園が、思わぬ採取スポットになっている可能性があります。
とにかくこれまでの先入観を排除して、写真のような緑の中に枯れた木が混じっている公園や雑木林を探してみてください。するとたくさんあることに気がつくはずです。
雑木林を見つけたら樹液の下見をしよう
枯れた木のある雑木林を見つけたら、まずは写真のような小麦粉をまぶされたような状態の木を探します。
これがキクイムシの攻撃を受けた木で、樹液の出る可能性があるものです。
木の種類が分からなくても安心してください。このキクイムシが攻撃するのはどれもどんぐりの仲間であり、粉さえ見つければ植物を見分ける必要はありません。
見つけるのが大変な場合はスズメバチやチョウが飛んでいる木がないか探します。
もしくはそれらを見つけたらどこに飛んでいくか追いかけます。彼らが樹液まで導いてくれるでしょう。
そうして昼間のうちに当たりをつけておいて、樹液の場所に夜行けば大当たりの可能性があります。
一つ注意していただきたいのはキクイムシの樹液穴は小さいということです。
樹液がダラダラ流れると言うよりは小さな穴が木に点在し、それに覆いかぶさるように虫たちが付きます。
なので一見すると何も無いところに虫がついているように見えます。1つの穴に1つの虫というパターンが多いので、穴のある木を見かけたら注意深く探す必要があります。条件が良ければこんな素晴らしい木に都市部であっても出会うことができます。
ナラ枯れ被害木があるかどうか確かめる簡単な方法
各種公園ではキクイムシ対策としてこうした粘着テープが巻かれています。
これは初心者でも簡単に分かる樹液の出る木のサインとして使えます。これを見てピンときた方も多いのではないでしょうか? このテープのある所に樹液性の昆虫がいる可能性はかなり高いです。ただし枯れ木なども多いので、周囲には十分注意しましょう。
従来どおりのカミキリムシの痕跡探しも並行しよう
キクイムシの情報を知るだけで他の採集者と大きな差をつけることができます。
これに従来のカミキリムシによる樹液の判断を加えることでより効果を上げることができます。
クワガタ採集における重要なカミキリはシロスジカミキリと言うカミキリです。
日本最大クラスのカミキリなのですが、クヌギやコナラに産卵します。
その際に横一列に産卵のための痕を残すという特徴があるため、これを見分けられると大きく役に立ちます。
カミキリは弱った木に産卵する傾向があり、最近はナラ枯れの影響を受けた弱った木に産卵しているケースも見かけます。
詳しく見ていくとキクイムシは小麦粉状の粉を出すのですが、カミキリは線状のゴボウのようなものを出します。
細長い木くずが落ちていればその木は当たりなので、目をつけておきましょう。
とはいえカミキリも最近は少ないので、効率で言えばキクイムシが圧倒的です。私もここ3年ほどは木のある公園や雑木林などでクワガタ観察することが増えました。山に行くのがアホくさいほど見られます。
まとめと手順
1,雑木林や木のある公園、過去に虫取りした場所などを思い出す。
2,緑の中に茶色になっている木や、テープの巻かれた木がないか探す。
3,それらを見つけたら粉を出している木を探す。虫などを活用して樹液を探す。
4,夜にその樹液を訪れる。
アドバイス
・これまでいなかったから、取れなかった場所だからという先入観をなくす
・クヌギとコナラがある場所なら、今はどこでも取れる可能性がある
・足を運んだ回数が何よりも大事
個人的なアドバイスなどもできるかもしれませんので興味のある方はコメントいただけると助かります。採取したい方を応援しています。(具体的な場所などは✘)
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