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難しいとされる神奈川県のミヤマクワガタ採集。 宮ケ瀬付近のクヌギやコナラ、イタヤカエデやアキニレなどで採集記録あり。

神奈川で捕まえる憧れのミヤマ


夏のクワガタシーズンにおいて神奈川のクワガタ採集初心者が考えることは、ミヤマを捕まえてみたい!ではないでしょうか?

東北などでは珍しくありませんが、ここ神奈川においては相当頑張らないと捕まえられない種類です。

このミヤマクワガタ、神奈川では捕まえられないと思っている方も多いですが、頑張れば捕まえることも可能です。

今回は自身の採集体験に基づいた神奈川県産ミヤマ採集の要点をお伝えします。(写真は県西部産!)

神奈川県のミヤマクワガタ事情


ミヤマを探す上で重要となってくるのが採集エリアの選定です。

発見可能エリアについて

これを間違えるとまず見つかりません。具体的な場所は示せませんが、神奈川においては宮ヶ瀬以西(田代程度から確認)と横須賀~三浦半島付近でしょう。

県央の記録はないのではないかと思われます。

やや標高が有るもしくは広い森があることが条件です。ですが近年では町田エリアでの記録もあり、平地にも進出している可能性はあります。

一般的にミヤマクワガタは深山、つまり深く広い山があるような環境が好きです。

時期と採集方法について

時期も重要です。


クワガタの仲間は6月上旬から出始め、7月中旬頃までがピークです。その後カブトの増加によって見かける機会が減り、8月下旬ころからまた出てきます。

採集者の少ない6月~7月中旬が探しやすく、それ以降は採集ライバルとの戦いも増えますが9月上旬頃まで探すことは可能です。

残念ながらエリアを選定してもミヤマにはなかなか出会えません。

採取方法は昼に樹液を見つけて夜にそこを訪れる樹液採集か、山周辺の街灯や自動販売機を訪れる街灯採集がおすすめです。

樹液採集は6~9月頃までチャンスが有り、昼行性のミヤマにおいては昼でも捕獲のチャンスがあります。

街灯採集は月の出ていない風の弱い夜がベストです。

ミヤマクワガタは大型個体の2次発生も知られており、これは8月ごろから始まります。数は6月~7月。サイズは真夏の8月がいいと思います。
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発生初期は街灯に来やすく、チャンスも増えます。

イタヤカエデやアキニレなども探す


夏の昆虫採集においてはライバルの多さというのは深刻な問題です。

人が多いところでは期待値も減りますがアクセスしやすい。

人の少ないところは情報がなく、ポイントの発掘が大変ですが成果は上げやすいです。

木においてもそれは重要で、クヌギやコナラというメジャーな木は多くの人が見ています。

よりライバルの少ない木を知っておくことが差をつけるためには重要です。

例えば紅葉で有名なカエデの仲間です。

全部の種につくわけではありませんが自生のイタヤカエデは、高山でミヤマクワガタがつく代表的な樹木です。

メープルシロップはカエデの樹液からできていると聞けば納得がいくはずです。

公園などに植栽されるアキニレは、樹液がよく出る木です。ニレの仲間は樹皮もめくれやすく、クワガタたちに隠れ家を提供する非常にいい木たちです。

宮ヶ瀬付近ではヤマハンノキなどもいいですね。

こうして樹液の出る木、出現するエリア、活動時期を抑えておけば後はたくさんその環境にアクセスすることで発見の機会を増やすことが可能です。最後はどれだけ行けるかという話になってきてしまうので、根気強く探してみましょう。



神奈川のミヤマは苦労した分捕まえたときの感動も大きいので、挑戦するには非常におすすめですよ。
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神奈川西部ではマダニとヤマビル対策が必須です。皮膚科のお世話にならないようしっかり理解しておきましょう。

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神奈川でのクワガタ採集が気になる方はこちら。ヒラタ、ミヤマ、ノコ、コクワなどの神奈川における情報です。

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こちらは時期による取れない理由の考察です。追い込みに役立ちます。

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樹液の探し方に関してはこちら。クワガタ採集における2023年の最新情報です。
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もしも運良く採集できたならば長生きさせるための考察記事もおすすめです。参考程度にお願いしますね。