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高尾山クワガタ採集記7 8月の二次発生ミヤマクワガタ外灯採集といつまで採集できるのか。

2次発生初期を狙う外灯採集


ミヤマクワガタは7月上旬や中旬に個体数のピークを迎えます。

それで発生が終わるかと思いきや、このお盆時期以降もズルズルと多くはないものの発生が見られます。(俗に言う二次発生)

クワガタの新成虫になりたての時期に外灯に来やすいという特性に注目し、二次発生ミヤマクワガタの外灯採集を行ってきました。



8月上旬の高尾山事情

夜高尾初期の7月と比べると日没も早くなり、18:40分頃から甲虫の飛来が始まりました。(以前は19:30とか)

この日のコンディションはゲリラ豪雨予報があったこともあり、やや涼し気な空気です。

荒れそうな予報のお陰で人は少なく、3組ほどしか人はいません。外灯エリアではほぼ私だけでした。いる人達がクワガタ屋からヨコヤマ目当てのかみきり屋に移行しつつあります。

高尾山の外灯情報と月齢について


1号路途中の男坂女坂ですが、8月に入り女坂の方にも電気がつくようになっていました。こちらは谷を見下ろすイヌブナ林に隣接しているため、ヨコヤマヒゲナガカミキリやミヤマクワガタなどの虫が来るポイントが7つほど増えたことになります。

8月に入り、昆虫採集者は減少傾向にあります。おかげでこの日は外灯のライバルがいませんでした。

この日の要因としては月齢も関連しているのではないかと推測しています。

月齢をかじり始めた人は採集日に新月と満月を意識し、満月を避けるようになるはずです。

もちろん開けた場所の外灯であれば満月時に来る虫の数は減少します。
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(新月時の採集状況はこちら)

しかし月齢はそんな単純な話ではありません。月が登ってくる時間の変化を知る必要があります。

特に満月直後の下弦の月のタイミングは、丸い月ではあるものの登ってくる時刻が夜遅くになります。(満月後約4日以降は新月と同条件で探せる)

終電まで行う高尾採集では、この下弦の月のタイミングも新月同様夜空に月がない状態で採集を行えるので、絶好のタイミングになります。ぜひ意識してください。

今回は外灯採集のライバルが少なく、新月と同条件で散策ができました。

そのため、ノコギリカミキリやウスバカミキリ、スジコガネなどの甲虫類はよく飛来していました。この日は特にコクワガタの飛来が多かったです。


二次発生ミヤマクワガタの飛来と今回のミヤマ事情


外灯下で運良くミヤマの♂に遭遇することができました! このミヤマクワガタをよく見てください。

体中に金色の毛がはっきりと残っています。6月に発生したミヤマは8月になると擦れてボロボロになっています。

ピカピカの毛があるということは狙い通り真夏の盛りを過ぎた後に発生した二次発生個体のミヤマクワガタということです!

やはりこの時期でも彼らの生態を理解すれば十分にミヤマと遭遇できるようです。

♀も外灯下に来ていました。

♀は新成虫ではなく、晩夏に産卵に来ている個体ではないかと思われます。

♀には2匹遭遇したのですが、どちらも擦れていました。

また、取れなかったのですが外灯周りをミヤマの♂が飛翔していました。

今回の二次発生ミヤマ探しでは、♂2♀2を外灯だけで見つけることができました。

発見の要因について

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前回の記事で7月下旬付近の仮説を立てました。

昆虫採集には人間の感覚では図りにくい風や月、湿度などのコンディションが影響してくるのではっきりとは断言できないのですが、8月の中旬手前頃になってミヤマがまた見られ初めたように感じます。
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こちらの記事で発生後期を迎えたミヤマの性質を推測して、ミヤマクワガタに9匹も遭遇できた話をしました。

高尾山ミヤマクワガタの発生が6月の発生と比べてどの程度出てくるのかは未知数です。しかし二次発生個体は大型の傾向が大きい分個体数は少ないように感じています。

その場合高尾山のような外灯が限られた場所で、最も大きな抑圧要因となるのが採集圧です。

8月中旬以降の外灯ミヤマ採集で最も課題となるのは、やはり基礎中の基礎。


人が少ないタイミングに行けるかどうかになってくるのではないかと思います。新成虫なりたての時期は私の最初のミヤマクワガタ採集記でもおなじみのように良く飛来していることが今回の調査でわかりました。
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この時期は7月上旬と比べて数が少ない分しっかりとしたルッキングを行わなければ成果は上げにくくなってしまいます。

逆に言えば夜間のルッキング採集の腕を上げる絶好のタイミングと言えます。

高尾でも自己採集記録65mmが取れていますし、現地では70mmの個体を取った方にも遭遇しました。

磨いたルッキングの腕でジャンボミヤマを発見するロマンがこの時期の採集にはあります。これは好きな人にはたまらないやつですよね。加えてこの時期の良い点が採集可能時間です。

ミヤマの2次発生はズルズルと遅くまで続き、個人の山地での最終採集記録は10月の17日です。

これまた個人の採集経験ですが、夏休みが終わり、いわゆる親子層がいなくなる夏休み明けの9月頭頃にミヤマの出現エリアでは採集しやすくなります。

8月下旬以降日没はさらに早くなり、高尾山のケーブルカー最終もしくは電車の終電までの採集でもかなりの活動時間を確保できるようになります。

イメージ的には終盤となりそうなクワガタの採集。

大型ミヤマクワガタの採集についてはむしろこの時期からが粘りどころかもしれません。この時期にはアカエゾゼミ、ヨコヤマヒゲナガカミキリ、ミヤマクワガタ、ヤママユの仲間などまだまだ楽しめる要素がもりだくさんですよ。


まとめとその他の虫たち


高尾山にて二次発生ミヤマを確認。これからの時期も新月周辺と満月後の下弦の月のタイミングを狙うことで新成虫ミヤマを狙うことが可能なのではないかと仮説を立て今後も調査を行う。

日没時間が早まることで採集活動時間が増え、親子などのライト層が減ることで外灯採集のやりやすい環境が生まれるはず。

出会えた虫たち


本日は高尾ではミヤマよりレアなノコギリに遭遇できました。かなり小型ではありましたがノコギリやコクワも二次発生があるのでしょうね。

クロシデムシは知らない虫だったのですが、その姿はクワガタにそっくりですね。外灯にやってくる虫たちも少しずつ季節とともに移り変わっています。

クロカミキリは針葉樹依存のカミキリです。あまりカミキリっぽくないフォルムが魅力的な昆虫ですね。灯火によくやってくる虫です。

カタシロゴマフカミキリは実物を見ると綺麗なカミキリです。枯れ木が大好きなのですが、明かりにも来るようでここ最近見かける機会が増えました。

毒を持つジャコウアゲハ擬態のアゲハモドキですね。蛾の仲間にはあまり恵まれておらず、人気のヤママユ類には出会えていません。外灯付近にいるTHE蛾という場所にいるのが、彼らの最も自然に見える姿なのかもしれません。

副産物も多くて楽しい夜高尾。今年は8月下旬にかけて薬王院ライトアップもあるようなので、合わせて外灯観察をしてみてはいかがでしょうか?

カブクワ採集に役に立つアイテム

高いところにつくカブクワを落として捕まえるために長竿網があると捕獲の可能性が高まります。
網があれば尚良しですが、クワガタはつつけば落ちてくるので何かしらの棒があれば助かります。その他草を分けたり蜘蛛の巣を払ったり便利ですよ。狙った場所のカブクワを採るための特別な網があります。当記事で見つけたカブクワをまさにピンポイントで取りたい場合に役に立ちます。夏の採集で鬱陶しい蚊やアブ、マダニやヒルなどに効果があるとされるディートが含まれたサラテクト。使わないより圧倒的に使うほうがおすすめです。不快感が減ります。夏になると品切れ傾向にある昆虫ゼリー。早めに備えておくのがおすすめです。ハチ対策としてポイズンリムーバーの携帯もオススメです。刺傷後2分以内の使用で大きく効果があります。

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次回の採集です。だんだん厳しくなってきますが、遭遇することはできました。いつまで会えるでしょうか?

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ミヤマの実飼育事例からどうしたら長期間生存できるのか?という考察です。採集できたならばぜひ参考程度に読んでみてください。