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マダニの移動速度は脅威の1秒1cm!? 神奈川西部で広範囲に生息地域を持つマダニへの注意と対策

野外の最重要害虫マダニ


アウトドアのすべてのシーンにおいて意識しなければならないのが、マダニ及びツツガムシです。

特に都会育ちでマダニに遭遇したことがない場合、山や川に無防備で訪れると噛みつかれることが多いです。

今回の記事ではマダニの実際の大きさや潜んでいる場所、その恐るべき移動速度や対策を紹介します。




マダニの生息地と平地の媒介動物例


動物が生息している草地があればいる可能性があると思ってください。

神奈川において哺乳動物といえば丹沢におけるシカやイノシシの拡大が有名ですよね。

マダニは特にイネ科(ササ類)に着いているという話があります。

山の上の方で主にダニを媒介するシカたちが生息しているのは、ブナ帯という植生で、下草にクマザサというイネ科が生えています。

実際イネ科にはよく着いているのですが、それ以外にも普通についているので気をつけましょう。

低地ではそこら辺に生えている芝や、沢沿いではシダ植物などに着いているケースも多いです。取り付きやすく、高さのある草に付いています。

では山地以外は安全と思いがちですが、平地にもマダニの宿主となる中型の哺乳類たちはたくさんいます。

例えばアナグマやハクビシンは平地でも見かける機会のある動物です。こうした生き物がマダニの媒介者となるため、平地でも油断しないでください。

マダニの潜む場所は本当に身近


こちらは遊び場近くの茂みです。アクセス良好で親子が良く来ています。

付近では獣道が見られ、丹沢の麓ということもありシカの糞やヤマビルなどもよく見られる場所ですね。

こうした動物の痕跡が強い場所(山など)には必ずいると思ってください。

例えばこちらは夏に人気の水遊び場です。

昼間は人が利用していますが、こうした水辺には夜にはシカなどの動物が訪れます。

植え込みにはツツジが植えられていますね。丸い葉をしている植物なのですが、よく見てみると...?

葉裏にフタトゲチマダニが潜んでいました。

タカサゴキララマダニと並び、昨今話題のSFTSウイルスを保有する可能性があるマダニです。

このように動物の痕跡や生態への理解がマダニの生息地発見のセンサーになります。

マダニは本当に身近に潜んでいるので気をつけてください。夏場にはこうした植え込みで服を干している人がいますが、甘いと言わざるを得ません。


マダニのひっつき術

マダニがどのようにして人に取り付くかご存知ですか? 

このようにマダニは葉に取り付きながら足を少しだけ葉の外に伸ばして、獲物が来るのを待ち構えています。
(写真はイメージです。本当は足だけを出しています)

服と足が僅かに触れさえすればそこから取り付いてきます。最近では静電気で取り付くという研究結果も出ましたね。一瞬でつくという点が重要です。

その後張り付いたマダニは服から皮膚の吸血しやすい場所を探して移動します。その速度が鳥肌が立つくらい早いのです。

マダニの移動速度は1秒1cm!?


早速先程のマダニサンプルを捕らえました。マダニの移動速度がどの程度か検証してみましょう。

マダニの移動速度はこちらのA4用紙において開始地点を丸で囲いました。

動物についている時とは異なるので、実際にはこれよりも早い可能性があります。

中心の円をスタートとし最初に左下に移動しました。およそ20秒でA4用紙の半分程の17cmの距離を移動してしまいました。

思ったよりもだいぶ早いですね。

次に右上~右下に移動しました。20cmほどの距離を20秒で移動しています。
中心円から右下に伸びるものは30秒の移動距離ですが、こちらは23cm程でした。

僅かな計測とはいえ体長3mm程度の生き物が1秒1cm近いスピードで動いているという脅威の結果が出ました。 

これは非常に恐ろしい結果で、例えば芝生などに潜んでいたマダニがズボンの裾などに取り付いた場合、取り付き被害の多いふとももや股間周辺までは子供で1分、大人で2分かからない位となりますね。

(ズボンにいても分からないです)

草地で1分2分ズボンを見ないなんてことは当たり前のことですから、非常に怖い結果が出ました。

マダニの吸血は肌に顎を突っ込むので、もし吸血されて無理に剥がすと体がちぎれて顎が体内に残ります。

皮膚科で切除しなければならないのでケアがとても大変なのです。ですからマダニへの徹底的な対策が重要になります。


マダニ対策について

まずアウトドアシーンにおいてはマダニがいるという前提で過ごす必要があります。

こういった草地を見て、まあマダニがいるだろうなと認識しておくのが重要です。

外では長袖長ズボンを着用。の意図がよくわかりますよね。

肌を出さないだけでマダニの皮膚取り付きの可能性を低くすることが可能です。更に言うとスラックスのような滑りの良いズボンは相性がいいです。

化学繊維の服

私のズボンを例に取ります。

ポリエステルが76%のズボンに実験でマダニを取り付けてみたのですが、歩きなどの振動で簡単に落ちてしまいました。彼らの爪が引っかからないようです。

良くツナギやカッパなどがいいと聞いてはいましたが本当のようです。

ズボンをポリエステルなど化学繊維のサラサラ系にするのは対策としてとてもオススメです!

薬剤で対策

その他にはディート含有の薬剤もオススメです。

サラテクトやヤマビルファイターなどの10%含有のものからサラテクトリッチでは30%もの含有量があり、使わないよりいいと思います。

ただしディートはポリエステルなどの合成繊維を痛めるため、両者の併用はできませんのでご注意を。

それと薬剤の使用は逆に油断を引き起こすのにも注意してください。使用の有無に関わらず草地などでは定期的に裾を見るなど目視での対策が必要です。

ヤマビルのように不快なだけではなく、マダニには最悪死亡につながる実害があります。徹底的に対策することで楽しいアウトドアの時間を過ごしましょう。


まとめ


マダニの出現は動物の出現と関わりが強く、山地で非常によく見られます。

しかし平地でも中型哺乳類を介して潜んでいることがあるので、基本的にアウトドアではマダニがいるという前提で準備をしましょう。

移動速度は非常に早く、無対策では取り付き後1分2分程度でも皮膚の柔らかい箇所に到達することが可能です。

対策としてはスラックスのような化学繊維を利用するか、ディート含有の薬剤を散布するのが効果的です。
両者は併用できないので気をつけましょう。

マダニは年中活動しています。どの季節も油断することなくしっかり対策をしてアウトドアを楽しみましょう。

ディート含有30%のサラテクト。化学繊維を履かないなら、アウトドアシーンで使いたいアイテムです。


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