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神奈川のヒラタクワガタポイントを開拓中(下見編)ヒラタのいそうな場所を見つけるプロセス

神奈川の平地でヒラタを見つけたい(願望)

ヒラタを見つけるうえで重要となるのがうろや隙間。

神奈川県はヒラタクワガタが少ないと言われています。

県のレッドデータは2006年と古いものなのですが、それには絶滅危惧ⅡB類として登録されており、その遭遇難易度はクワガタの中でも高い方です。

県内では河川敷を中心としたエリアでの記録が多いのですが、山地や平地の雑木林でも取れているなどやや局所的ながらもポイントを知っていれば出会える種であるように認識しています。

今回は相模原エリアでヒラタクワガタを発見したいという思いからいそうなポイントの開拓を行ってきました。 

クワガタのいそうな雑木林などを見つけるプロセス的な記事として活用してみてください。

ヒラタクワガタの生息

ヒラタクワガタは南方系と言われる種類で南にいくほど普通種として出会えるクワガタと言われています。

南方で林を形成するカシやシイ類と相性がいいと考えられる

関西の方でヒラタが取れないという話をすると驚かれるそうです。

関東圏のヒラタクワガタは好む木があるように感じます。大型ヒラタが取れた木に後日行くとまた別のヒラタが見つかるというケースはあります。

つまりヒラタがいる雑木林を見つけ、ヒラタが好む木を見つけ出す必要があります。

臆病なヒラタは隙間に入ることが多い。いい環境を見つけられるかが重要。

過去の経験によれば、ヒラタは南方系であることからムシムシした空中湿度の高い雑木林に生息しているようです。

これに加えてドルクス系特有の臆病な性格があることから、洞や隙間などを好む傾向があります。

相模原や東京などではこの洞の条件が厳しく、採集者によって簡単に破壊されてしまうために平地の雑木林で洞を見つけることは困難です。

ヒラタが多いと言われる東京エリアの雑木で破壊されていたうろ。

一方で平地の環境は近年の都市化により暑い環境になっていることから都市部の方では見られているようです。

なので相模原エリアでもがんばれば見つかるのではないかと思うのです。

ヒラタクワガタがいそうな場所のあたりを付ける

ヒラタクワガタは丘陵地や段丘沿いに見つかる傾向があるように感じます。

かつての林の名残が残る場所、河川敷などなど昔から緑の残る場所が怪しい。

丘陵地はかつての山や雑木林の名残であり、そこに元々生息していた個体は朽木や樹液の枯渇などが無い限り生息し続けられると考えられます。

なのでかつて自然豊かな場所であり、今もその名残があるような場所を見ていきます。

加えて水分を好む傾向があると感じているので、丘陵地や段丘があるとなおよいと感じています。

沢に近い場所のコナラのうろ。怪しい場所。

餌資源である樹液でかつ洞内部に流出するようなものは夏の高温でも土中の水分が豊富な場所でないとなかなか見られません。

小規模な雑木林でも環境条件さえ整っていれば見られるようなので、ミヤマクワガタのように大規模な森が無くても大丈夫です。

あとはこの時期のペットショップなどで売られている個体を観察してみるというのもおすすめですね。○○産と地名が書かれている場合があります。そういう細かい情報を拾い集めていそうな場所を探りましょう。

そんなところの情報を基に相模原でいそうな場所を選定してみました。相模原は今は緑区も含まれるようになったので緑のある場所はかなり多くなりました。



ヒラタがいそうなものですがどうでしょう。

雑木に訪れてみた

周辺MAPやグーグルアースなどを基に実際に良さそうな雰囲気の場所に来てみました。

現地にはナラ枯れの被害があり、カシ類からも樹液が流出。

場合によってはストリートビューなどで樹種などが分かる場合もあります。家でできることはなるべく家でやりましょう。

ここは一見するとスギを始めとする人工林に見えるのですが少し中に入ってみると外見と打って変わってカシやクヌギ、コナラの雑木林となっているようです。

パッと見は針葉樹林に見えたが、入っていくにつれて植生が変わる。

入り口側が人工林であるからかある種のスクリーニングとして機能しており、樹皮のめくれや洞が破壊されているなどの自然破壊が見られませんでした。

足元には不快なくらい落ち葉が堆積しており、ヒラタが好むカシ類がずいぶん多いようです。

直感的にここにはいる気がすると感じましたね。熱帯地域や海岸のシイ林のようなジメジメ感があり、林に高低差があるため周囲から水が集まるようです。

地際からの萌芽も多く、隙間がよくできていた。

林の密度が高く、木々がもたれかかってできる隙間などもかなり見られます。これは期待が持てますね。

閉鎖環境過ぎてトンボが入ってこれないからか蚊の数がかなり多いです。逆にこれはクワガタが好む蒸した環境を示しています。

クワガタカナブン調査

昼間の下見として実際に樹液が出そうな場所を探っていきます。

樹液とそれを利用する昆虫類はかなり多い

クワガタはもちろんのことカナブンや樹液性の蝶、スズメバチを探していきます。

素晴らしいカシの密度です。しかも隙間が多い。

この地域にいなければ他では見つけられないというくらいのよさげな環境です。

見てくださいこの洞。

割れたカシのうろ。樹液を示すアカボシゴマダラや、裂け目にはノコギリもいた。

やや高いですがヒラタがまさに見つかりそうな感じです。

地際が露出しており、木の根の起伏が隙間を作っています。ここに樹液が出ているケースもかなり見られました。

樹液の出る木の本数が多い

昼間とは言えカナブンの付き具合はかなり多く、人の出入りも多くないように感じます。人工林ガードがかなり働いているようですね。


いかにもという感じの樹液と洞にノコギリクワガタのペア。夜に来たらヒラタが良そうです。


地際にもノコギリ。斜面沿いに生えているカシやコナラの数が多く、クワガタの隠れ家にぴったりと言えます。

木と木がお互い成長していくことでやがてぶつかり合い隙間が生まれています。

うろ以外にも使える隠れスポット

こういう破壊できない隙間というのは極上の隠れスポットと言えます。

剪定と言いますか、ナラ枯れの被害も結構入っているようです。それにより枝の剪定が入っているのですが随分と雑なぶつ切りがされていました。

これにより樹液が流れているようで昼間ながらクワガタにはそれなりに遭遇出来ました。

昼間の感覚としては河川敷よりも個体数が多いという感じで、この場所がマイナースポットであることを示しているように感じます。

やたら大きく見えたので枝で落としてみました。60後半だと嬉しいのですが...?

約6mほどのところにノコギリクワガタ! 大きく見える。

目測58mm程でした。落とすと縮むクワガタあるあるですね。

落としてみたら縮んだ

採集経験のある方たちはきっと共感してくださるかと思いますが、虫がいそうな感覚ってあるんですよね。

ここからはそのパワーをかなり感じます。夜に来てみたいと思わせるくらいの昆虫パワーがあります。実に面白い!

このサイズが入れる穴になっていました

洞にスジと思われるクワガタのけつ。突くと潜っていきました。手の届く場所の洞が残っています。

シロテンに比べると模様の数が多く太い気がする

これはシラホシハナムグリ? シロテンとは明らかに模様が違います。神奈川では増加傾向にあるらしいですが、いいですね。



本腰を入れてちょっと雑木林の奥まで入ってみましょう。ヒラタは人のいないようなひっそりとした樹液に来ている印象があります。

今日一番のポイント。人の侵入の気配はなく、いそう。

こ、ここは! 素晴らしい! 3本の木が絡まっており、ツタも絡んでいます。

下草が多く河川敷のヤナギを彷彿させるコナラで、水分まみれの蒸し蒸しです。

カブトムシは普通にいた。夜にはヒラタもいるのではないだろうか。

何よりもこの虫の数々!昼間なのに凄いです。この木はぜひ見に来たい。

2時間ほど下見をしてきました。
とにかく洞や隙間が多く、その隙間から樹液も出ており、まさにこんな場所にヒラタはいるだろう!という場所でした。

虫密度も高く荒らされも少ない、今後に期待のできる場所っぽい

昼間の下見ではヒラタには遭遇できませんでしたが、また夜に訪れてみたいと思います。相模原の川以外でヒラタクワガタを見つけてみたいところです。

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相模川のヒラタクワガタ採集成功記事です。有名ポイントですがたくさんいるという感じでは有りません。
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東京編です。ヒラタの記事は空振り率も多いのですが、実際の採集はこんな感じで成果が上がらないことが多いです。