身近な山菜としてのヨモギ
ヨモギは昔から日本人の生活になじみの深い植物です。
自然と人間が離れつつある現在ではヨモギがどんな植物なのか知らない方も増えているかと思いますが、草餅(緑色のモチ)に使われている点から不滅の存在でしょう。
モチが有名なヨモギですが、春の新芽の時期はとてもおいしい天ぷらを味わうこともできます。
山地では極めてリスクの高い植物ですが平地では安全度の高い植物なので、リスクを理解した上で採取しましょう。
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採取には軍手があるとイモムシや手の汚れなど抑えられて便利です。
ヨモギとは
ヨモギはキク科に所属する植物です。思い返せば春菊のような香りだと思いますよね。
葉は切れ込みが非常に深く複雑な形をしています。葉裏は白く、粉を吹いているような特有の色合いをしています。花期は9月頃と秋に咲き、その頃には背丈も60㎝近くなっています。
山菜としての時期と花の時期で大きく印象が異なるため、気を付けましょう。
平地~山地で普通に目にする植物ですが、人間生活のある場所で目にすることが多いです。
これはおそらくヨモギがタンポポと同じキク科の植物であり、風によって種子を散布することが影響していると思います。
タンポポも山の中では目にしませんよね。
山地では既に日当たりを奪い合う植物たちがおり、なかなか根付けないのだと思われます。
一方でかく乱の多い人間活動のあるエリアではこうした種子が入り込む余地が生まれるのでキク科植物の身近な種は平地でよく目にします。
新芽の時期は3~4月頃で若い芽にはとても爽やかな清涼感ある香りが楽しめます。
平地であればリスクの少ない植物です。
知らなくてもおなじみの植物
ヨモギはスーパーなどで並ぶ緑色のお餅こと草餅の原料に使われています。
その色合いから和菓子屋さんやお参りなどで使われており、昔の日本を感じさせる風物詩であると個人的に考えます。
スーパーの草餅を再現しようとしてヨモギの新芽を使用した草餅を作ったことがあります。
市販のものと異なり、鮮度のいいヨモギは風味が強すぎて甘いあんこや牛皮をも凌駕してしまいました。
結果出来上がったのは苦みと歯磨き粉のような清涼感のあるモチモチした物体でしたね。
鮮度のいいヨモギは香りが強すぎるので単品での使用や、お吸い物や茶わん蒸しの香り付けとしての三つ葉のような添え物に使うのがいいと思います。混ぜてはいけません。
山菜としてのヨモギ
草餅はスーパーや和菓子屋などで多くの人に知られています。
これはヨモギを使った何か程度のものでしかありません。
こうした単品の風味が強いものは天ぷらにするのがベストです。
春のヨモギのてんぷらは採取が簡単な割に風味もしっかりしており、なかなかにおいしい一品です。
衣をつけすぎないのが美味しく食べるコツで、生に比べると風味は大きく飛んでしまいますがしっかりとキク科らしい香りと苦みを味わうことができます。揚げが甘いと結構苦みが強いです。
ヨモギに新芽はおひたしなどにするとちょっと辛いくらいの苦みがあります。私の草餅作成時もそうでしたが、餡の甘さよりもヨモギの苦みが目立ってしまうほどでした。
揚げることでこのアク?成分が揮発するためにかなり食べやすくなります。
春の山菜のうち、ヨモギとセリは特にそば類やめんつゆとの相性が良く、こうした料理と合わせると抜群においしいです。私的にはソバと食べるのがおススメですね。
ヨモギ天には塩を、そしてソバとめんつゆ。春のベストな組み合わせです。
ただてんぷら以外ではこれはうまい!というものがあまりありません。自然下の山菜というのはどれも協調性が無いので他の料理に混ぜるとその主役を奪ってしまいます。
そのためどうしても料理は茶色になりがちです。(揚げる)
トリカブトなどの有毒植物に注意
平地で庭にトリカブトを植えるような人はまあいないと思います。
そのため平地のヨモギに関してはリスクとなるような植物が多くありません。
一方で山地においては猛毒のトリカブトと間違えないように注意する必要があります。
2種にはニラとスイセンのように香りという明確な見分けるポイントがありますので、手間だとしても必ず香りを確かめた方がいいでしょう。
その際は手ごと嗅がないように気を付ける必要があります。植物側の切断面を確認するようにするのが確実です。
トリカブトとヨモギの誤認は死ぬ可能性があります。
スイセンとニラよりも深刻なので不安な人や判別店がよくわからない人はやめておいた方がいいと思います。
山菜については美味しいものですが命を天秤にのせるものでは決してありません。
香りを重要な識別点として押さえていただきたいのはトリカブトの仲間は個体差が大きいためです。
これは私側でサンプルとなる写真がないのですが、webでトリカブトの葉を調べると中にはヨモギと似たものもあります。
また、毒はないのですがアメリカフウロという植物の葉はヨモギととても似ています。
アメリカフウロは生える環境も似ており、混同して生えていることもありますが美味しくないだけで問題はないと言えるでしょう。
こんな場所のヨモギは取らないように注意
ヨモギは線路沿いを始め、畑地や側溝などあらゆる場所で目にします。
適度なかく乱があれば入ってくる種という印象を受けます。
舗装沿いのヨモギを取る方は多くは無いと思いますが、採集場所には十分注意してください。
例えば私の住んでいる地域の線路沿いはススキを始めとするいろいろな植物が生えているのですが、ある日急に枯れます。
除草剤が撒かれているのです。除草剤は成分が雨に乗って流れ、近くの植物も汚染される場合があります。
特にさッと草を減らしたい舗装環境の近くでは影響をもろに/軽く受けている可能性があるのでなるべく避ける方が良いと思います。
畑地においても農薬の影響が無いか考えておきましょう。 その場合たいてい自宅の畑になると思うので農薬散布後どれくらいたっているのかメーカーの仕様書をしっかり読んで利用しましょうね。
推奨アイテムについて
草地に生えることが多いヨモギはマダニのリスクが付きまといます。国立感染症研究センターにてディートの有効性が示されています。
草地で活動することが多い方にはディートがより多い虫よけをオススメします。
毒草やハチなどがいる草地では肌を守ることは重要です。採取時に不快な毛虫などからも肌を守るため、軍手などの利用を推奨します。
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