早春の高尾で名物植物を満喫!
春の高尾といえばハナネコノメソウが大変人気です。
彼らの花期にはたくさんの人がお花目当てに写真を撮りに訪れ、愛でています。
ハナネコノメソウは裏高尾の日影沢がとても有名です。しかしながら表の6号路や蛇滝などの水分が多いコースでも見ることができます。
今回はハナネコノメソウの美しさを紹介しつつ裏高尾がおススメの理由を紹介します。
ハナネコノメとは
ハナネコノメはユキノシタ科に所属する植物の仲間です。
常に水分が維持されるような岩場や湧き水があるような環境の縁に生えており、白いガクと赤いおしべの葯が大変美しいお花を付けます。
開花期はおよそ3月上旬~4月上旬程度、大抵の場合集団で生えているために小さいながらも見ごたえのある植物です。
花は約4~5mm程度と非常に小型で葉は対生、張り付くように生えていることも多くかつ普段は見ないような場所に生えているため、初めて探す方は苦戦するかもしれません。
ハナネコノメはどんな場所に生えているか
これからハナネコノメを探そうと思う方は彼らの生息環境に注意する必要があります。
彼らの生息には水分が必要なのですが、流水が流れるような水量では強すぎます。
岩から水がしみ出し、表面が常に濡れ続けているような場所が最適です。
似たような環境に生える植物としては例えば6号路ならばユリワサビやイワタバコが挙げられます。
6号路ではユリワサビが生えられるような条件のいい環境がずっと続いていますので、逆に難しいかもしれません。
開花期ならば白いお花と対照的な赤色がとても目立ちます。
岩壁を見ながらじっくり探しつつ、他のお客さんが岩壁を見ていないかなども注意してみましょう。環境が分かればきっと見つけられるはずです。人気種のため具体的な場所は伏せておきます。
裏高尾でもハナネコノメを見ることが可能です。
少し前に台風で群落が剥がれたとの話もありますが、比較的入口の近くにて観察することができます。
時期ならばおそらく観察者が他にいると思います。
裏高尾のハナネコノメは赤身もありますが葯が黄味を帯びるものもおり、個体差が楽しいです。
ハナネコノメ自体がシロバナネコノメソウの変異ともいわれていますので、シロバナよりなどの差が有るのでしょうね。
ハナネコノメを楽しむ+ポイント
ハナネコノメのユニークなお花にはいわゆる植物の体を支えるガクという部分がありません。
ガクとはいわゆる花の付け根を支える部分ですね。サクラなどでいえば厳密にはガクではありませんが、花全体を支える緑の部分があります。
ガク→花→おしべやめしべなどはあっても花→おしべめしべというパターンは実はありません。
同じく早春に見られるキンポウゲ科などにも共通するものですが、これらの花はガクが花びらの代わりをしているより原始的なカテゴリーの花の形態です。
彼らはガク→おしべめしべという形なんですね。興味があれば白いガクをめくってみてください。基部には支える場所がありません。
後の時期には裏高尾ではムカシトンボというこれまた原始的なトンボが出現しますが、自然界にも最先端~原始的まで進化の程度が違う種があるということです。
コチャルメルソウと楽しむハナネコノメ
裏高尾ではこのハナネコノメソウのエリアにてコチャルメルソウも楽しむことができます。
コチャルメルソウは私自身では6号路では確認できておらず、裏高尾でハナネコノメを見る明確な強みとなるポイントかなと思います。
コチャルメルソウもまたユニークな植物で、このために訪れる価値がある植物です。
この変なお花を見てください(誉め言葉)
どこにいったらこんな面白い植物に出会えるでしょうか?
コチャルメルソウもハナネコノメと同じく渓流環境の代表的な植物です。
ハナネコノメより圧倒的の大型であり、匍匐茎を出して増えるので群生する傾向があります。
コチャルメルソウは花の作りをよく見ると分かるように電波受信器のような部分が花びらで、その外側には緑色の額があることが分かります。
この不思議なものが花としてどのような機能を持っているのは分かりませんが、日本固有種と呼ぶにふさわしい実に奇妙な見た目をしていますよね。
たくさん生えていると眼福なのでぜひ早春の時期には裏高尾に足を運んで植物の多様性に目を向けてみて欲しいですね。
高尾の植物関連記事
pljbnature.com
高尾といえばスミレ。見つけたスミレの仲間たちを紹介していきます。
pljbnature.com
初夏の高尾での腐生植物探し。人気の高いランの仲間やギンリョウソウを探したものです。