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シラカシから樹液が出る原因は?

樹液が出る謎の木

あまり知られていない樹木ながら、現在では主流と言ってもいいぐらい大量のカブクワが見つけられる。それがシラカシ。

ブナ科の樹木はカブクワが来ることでよく知られていますが、名が特に知られているのはクヌギやコナラに限られます。

一方で本日のテーマでもあるシラカシは植栽されることも多いことから、身近な場所で樹液が流れる良質な木となっています。

今回の記事ではシラカシをテーマにその樹液が今出ている原因を紹介し、カブクワ採集に役立てる方法を紹介します。

シラカシの樹液が出る主要な原因

まず結論として、シラカシの樹液が出る原因は木の外部から内部に傷をつけるカミキリムシやキクイムシによる樹木への穿孔(あなをあける)に由来します。

シラカシによく見られる白いコブ状の樹液。

これを引き起こす虫には大きく分けて現在ではキクイムシという小さな虫と、カミキリムシのような大きな虫がいます。

しかしこれらの虫の木の選択は異なっており、キクイムシでは大木が、カミキリムシでは小木が選ばれて穴を空けられる傾向が見られます。

太めのシラカシに点在する樹液。これはキクイムシによるもので現在の主流。

現在、シラカシが生えるような環境では林縁のような細い木が多い環境と、公園や神社のような大木が根を下ろしている場所があり、おおよそ木のサイズを見ることでどの虫による樹液が流れているのかを判別することも可能です。

細いシラカシに円形の穴が空いているならば樹液が出る可能性がある。カミキリムシによるもの。

小木ならカミキリやコウモリガ、ボクトウガ類が候補となり、大木ならば2025現在ではほとんどキクイムシでしょう。

樹液が出続ける要因

主要な要因としては前述の2つが大きいのですが、これら傷口ができても樹液には傷をふさぐ血のような機能があるため、やがてふさがってしまいます。

樹液を求めて樹皮の傷口を噛むスズメバチ。こうした様々な虫の継続的な加害により樹液は出続ける。

ですが、カブトムシやスズメバチのように傷口を噛んで広げるような昆虫もいるため、こうした虫の加害により傷口がふさがらずに樹液がにじみ出続けているという場合もあります。

シラカシの細い幹にこうした噛み跡があれば樹液ポイントになる可能性あり

これは樹皮の表面の話ですが、内部に穿孔したカミキリなどの幼虫類が木の内部を掘り進んで新たな傷をつけることでも流れ続けます。

内部でこれら生き物が死ぬと樹液が傷口をふさいで、時には閉鎖されてしまうこともあるようです。

そのため、樹液ポイントというのは年々変化していきます。

シラカシの樹液の雰囲気は?

ここからは樹液の虫を見つけたい場合に役立つ情報編です。

シラカシの樹液は、クヌギコナラのように白くなくても虫が来る

シラカシの樹液の雰囲気ですが、通常時は非常にさらさらしている傾向が見られます。

一般的に発酵している樹液に来るのが知られるカブクワですが、シラカシの樹液には発酵がはっきりと分からない場合があります。

そのため、サラサラの樹液にカブクワがついていることがあるので気を付けましょう。

幹に残る黒いシミは、現在なら数年間樹液が出ては乾いてを繰り返してできたサイン

シラカシの樹液流出を示すサインとしてはすべすべの幹に残る黒いシミが役に立ちます。

キクイムシに由来する樹液であるならば年をまたいでも樹液が出続ける可能性は高く、そのようなシミが見つけられればポイントになる可能性は高いです。

発酵時期はおよそ水分が多い梅雨時から梅雨明けぐらいに偏るが、見つけやすい

また、セオリー通り発酵する場合も見られます。シラカシの発酵樹液では時折写真のように白いこぶ状にまで成長することがあり、これはカシ類に特徴的です。非常に目立ちますので分かりやすいです。

甘酸っぱい香りがかなり漂っているので、シラカシだと分からなくてもそういうものを見つけたらカブクワが来る可能性を考えましょう。

環境により左右されるので参考程度に

発酵する時期は結構シビアで、6月下旬ごろから急激に発酵が増加し、8月上旬ぐらいまでぽつぽつと発酵樹液が見られます。
さらさらした樹液は晩夏まで出続けますが、発酵は晩夏以降かなり少ない印象がありますね。

シラカシを探したいなら?

樹液の要因と雰囲気を見てシラカシを探したいと考えるならば身近な公園に足を運んでみるのが確実です。

公園、緑地、マンションやアパート、神社、例を上げればどこにでもあるといえるぐらい実は身近な種類。

シラカシは自然下でも人の活動圏でも珍しくはない植物です。

例として身近な公園、緑地、マンションやアパートなどあらゆる場所に植栽されているほか、耐陰性植物として林縁などによく見られます。

オールシーズン幹に残る黒いシミを探せば万事OK

そうした場所に足を運んでみれば驚くほど簡単に見つけられます。そしてキクイムシのおかげで樹液もよく流れています。

種の見分けとしては常緑樹であることが他のクヌギやコナラなどのブナ科と大きく違う点です。

シラカシの冬芽ですが、葉も残っているのが分かります。常緑樹です。

つまり冬場に葉っぱがついています。

左からシラカシ、コナラ、クヌギ。シラカシはすべすべなのが一目瞭然

樹皮は白みが強くすべすべで、指で撫でてみると引っ掛かりを感じません。

葉は細長いのが特徴で、コナラの縁のように適度なギザギザが見られます。葉での判別は初心者では難しいかと思います。

まあ今は葉などの複雑なものではなくシミを探しましょう。

夏から晩秋ならドングリがついていないか?
年中を通して幹に黒いシミが無いか? 夏頃にはハチなどが飛んでいないか?と色々なサインから絞り込んでいきましょう。

自然下で探すならばシラカシは林縁に生えていることが多いです。陽樹といい、明るい環境を好むクヌギコナラに対し、シラカシは陰樹といい薄暗い環境に生えます。

これはアラカシですが、カシ類は木漏れ日が差すくらいの半日陰にあることが多いです

数はとても多い植物なので、発見には困りませんが、初心者でなんかよく分からない場合には神社などに足を運ぶと高確率で見つかります。

そこで雰囲気を掴んで後は実際に見つけてみましょう。

山で見つけた何かわからないカシ。シラカシかどうかは関係なく、前述のシミなどがあれば虫が来る。

怪しくても大丈夫です、類似のウラジロガシ、シラカシ、アラカシ、アカガシなどなどは種レベルで見分けられなくても今のナラ枯れの時代には樹液が出ています。

シラカシの樹液は今は穴場の樹木としてとてもおすすめできますので、樹液の出る理由と木の見分けを活かしてカブクワに挑みましょう。

ナラ枯れを利用した樹液採集や探し方、その他もろもろの初心者に必要な情報もまとめてありますので、活用してくださいね。
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