探し方が超重要な小型タマムシ
日本には220種近くものタマムシがいます。多くは2cm以下の小型種で、小型タマムシは4月~7月頃が旬です。
今回は非常に魅力的な小型タマムシのチビタマムシの仲間と、ナガタマムシの仲間発見に必要な探し方と食草について紹介します。
チビタマムシやナガタマムシなどタマムシ科の食性
タマムシ科の多くは食べる植物が限られます。
事前にどんな植物を食べるかを知っておくと楽しく探すことができます。
写真はエノキの葉ですが、この葉には複数のタマムシが付きます。
また、食性が限られるためか名前に植物の名前が入るものもいます。
例としてクズノチビタマムシ(クズ)やコウゾチビタマムシ(コウゾ)等が挙げられます。
食性さえ覚えておけば後は日当たりの良い環境の植物を見ていけば、何かしら見つかるかと思います。
葉をじっくりと眺めていくと2mm~3mm程のチビタマムシが見つかります。この大きさなので植物を確実に見分けて特定の種類を探していく必要があります。
手がかりとなるのは葉に残る食痕
必ずしも昆虫本体がいるとは限りませんが、チビタマムシがいた痕跡を探すことは結構簡単です。
葉の縁からギザギザに齧ったようなかなり特徴的な食痕を残してくれるからです。
チビタマがいなくてもこの痕を探せばOKです。いずれ出会えます。写真はコウゾチビタマムシで、クワ?にいました。
こちらはクズノチビタマムシですがやはりジグザグの特徴的な食痕を残します。
食草のクズがかなり見つけやすく、初心者でも見つけやすいチビタマムシの代表種です。
探し方をまとめておくと、食草を知っておく。日当たりのいい場所を探す。食痕を探す。この3つの過程で見つけられると思います。
林縁の日当たりのいい草を見る
日当たりのいい林縁で上記の探し方をやってみます。何が見つかるでしょうか?ワクワクしますね。こんな狭いエリアに居るのでしょうか?
コウゾやクワの葉が多く、これを食べるコウゾチビタマムシが頭によぎりました。
コウゾの葉を眺めていくと、ここでは4匹ほどもコウゾチビタマムシを発見できました。写真のマメがそうです。
タマムシ科らしい大きな2つの複眼が可愛らしいです。ちなみにこちらを向いています。
バラ科の植物にもチビタマムシがいました。
付近にクワがあり、コウゾチビタマムシの可能性もありますが、イチゴの仲間につくヒラタチビタマムシではないかと思われます。
小さくもタマムシらしい光沢が素晴らしいです。小さな宝石探しは本当に楽しく、時間を忘れてしまいます。
かわいい顔を映すのが難しいんですよねぇ。
ナガタマムシの出現
このエリアにはエノキの若木があるので、時期的にもいるだろうと睨んでいたヒシモンナガタマムシを見つけられました。
チビではなくナガタマムシの仲間です。タマムシ科は日を受けると本当に美しいです。この種は銅のような光沢があります。
ヒシモンナガタマムシはエノキ食いのタマムシで、4月から見られます。というのも前年の10月頃に新生虫が出て越冬するため、出現が早いんですよね。
もしタマムシの仲間が分からなければ、この大きな複眼を参考にしてくださいね。
クリっとした眼で他の虫には見られない特徴的な眼です。このヒシモンナガタマムシは人の気配を察知してすぐ飛んでしまいました。
結果としてはこの狭いエリアだけでも3種のタマムシに遭遇できました。
タマムシ探しの注意点について
このタマムシの仲間というのは非常に臆病な虫です。
日当たりがよく十分な体温を得られている場合、動くものの気配を察知するとすぐ飛んでしまいます。
そのためなるべく体を動かさずに眼で探すことが見つけるコツです。
(コナラにつくクロナガタマムシ)
気配を察知されると飛ぶか地面に落下してしまうので気をつけましょう。
長々と書いてきましたがタマムシの仲間には昆虫採集の醍醐味が詰まっています。
情報収集、生息環境、適切な時期などをフル活用する他、実物が見られずとも食痕だけでもその存在を確認できるという点は、何も成果がなかったという状況になりにくいという利点があります。
運良く実物を見られれば記憶に残ること間違いなしです。
昆虫好きな皆様にはぜひとも小さな宝石が放つ美しさをその眼で見てほしいですね。
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人気種ヤマトタマムシもぜひ。
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小型でも緑の美麗種がいます。人気種です。