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クワガタは死ぬとなぜひっくり返るのか? 生きていてもすぐひっくり返る理由と戦略を紹介

クワガタがひっくり返る不思議

ケース内でひっくり返るクワガタたち。見慣れた光景。

カブクワを飼育していると朝ひっくり返っていることがとても多いことに気が付くはずです。

また、死んでいるクワガタやカブトはそのほとんどがあおむけで死んでおり、不思議に思った方もいるかもしれません。


今回はクワガタはそもそもひっくり返りやすいという事情を紹介します。

死んでひっくり返るクワガタ

カブトムシやクワガタムシがひっくり返りやすいのは、その体高によるものと飼育環境や見つける環境によるものがあると考えられます。

クワガタはほとんどひっくり返って死んでいる。その理由とは。

クワガタを実際に飼育してみると、朝ひっくり返っているケースはとても多いです。

中でも特にノコギリクワガタやミヤマクワガタのような体に厚みのある種類というのは、特に転びやすいという風に感じます。

♂は特に縦の高さがあり、重心が不安定。

これは体高が関係していると考えており、イメージとしてはキャンピングカーとスポーツカーを想像するといいかと思います。

キャンピングカーはノコギリやミヤマ、スポーツカーはコクワやヒラタですね。

重心が高いキャンピングカーは不安定であるため、動く際に左右に触れることで重心がぶれて横転しやすいです。

ペラペラのコクワガタは平たいので安定している

一方で重心が低いスポーツカーはF1のように安定していますよね。

実際にクワガタを突いて逃避行動を取らせると、コクワやヒラタがひっくり返るケースはあまりありませんが、ノコギリはかなりこけてしまいます。

ミヤマは基本臨戦態勢をとりますが、逃げるとこけます。


つまり重心が高いために足が引っかからない場所においては自重が支えられず、ひっくり返ってしまうということです。

逆に言うと彼らは足がかかるならばひっくり返りません。

木につかまっている時にひっくり返ることはほとんど無い

死んだときも同様に足は引っかけられませんので、重心の高い背中側にひっくり返って死んでしまうということですね。

生きているうちでも何も対策をしないと簡単にひっくり返って死んでしまうので、足が引っかかる対策をしてあげれば事故は避けられます。

また、かぎ爪は足の先端部のふせつというところにあるのですが、これは取れやすいパーツです。

足先のカギ爪がなくなると、安定がなくなりひっくり返りやすくなる

ふせつがたくさん取れた個体は当然ひっくり返りやすくなると言えます。

死にそうなクワガタも自重でひっくり返る

死んでいないけれどもクワガタが頻繁にひっくり返っている場合、寿命が近い可能性が考えられます。

これまで安定していたクワガタが、急にひっくり返るようになったら寿命が近い。

寿命が近づき、足の力が弱まると自身のバランスを支えることができなくなりひっくり返ってしまいます。

人間でも足が痛風や骨折で片足が使えない場合や、ふとした時に押されたりして上半身の重心がズレるとおっとっととなりますよね。

そのまま倒れる場合がクワガタのひっくり返るものです。

上から見て触覚が見えなかったりすると弱っていることが多い

クワガタが捕まる場所があるのに頻繁にひっくり返るならば、同時に足が動かないことやブラシ状の口が出っぱなしになっていたり、触覚が折りたたまれるなどの症状が見られることが多いです。

ひっくり返ることは衰弱のサインとしても見ることができます。

生きててひっくり返るクワガタ

元気なもののひっくり返るケースも多々あります。

ルアーケースはすべすべなので重心が支えられずにひっくり返ってしまう

一番多いのは夜行性で飛翔した際に足が引っかかるところがなくひっくり返る例でしょう。

虫かごの中に木の無い所があると、そこで都合よくひっくり返っていることはよくあります。

多頭飼いしていると夜喧嘩して投げ飛ばされてひっくり返っている事例も見られます。

また、夜は非常に元気に動き回るのでゼリーや何かに乗り上げてひっくり返る例もよくあります。

重心が悪い割に動きすぎて墓穴を掘る傾向があるので、ひっくり返ることを前提に足をかけられる場所を用意するなど様子見してあげることがよいです。

車の重心を例として覚えましょう

このようにほとんどのケースでは自重と体高を要因として見ることで仮説が立てられます。

重いことによるメリット

一見すると悪いことだらけに見える体の重さですが、飼育環境下にいるからデメリットが目立つだけで、天敵だらけの自然の中においてはメリットもあると考えられます。

木の上にいたら足が外れて落ちてきたなんてことはない

基本的に活動圏である木の上にいる場合、ひっくり返ることはありません。

しかしクワガタには蹴り採集で知られるように、振動を感知して落下するという習性があります。

前足などの付け根にある黄色い毛が振動を感知する機能を持つ。

これは自身の体が重いため、落下することで素早く天敵から逃げられるという策であると考えています。

クワガタの体をよく見ると足の付け根部分に黄色い部位があり、微細な毛が密集しています。

ここで振動を感知して落下するという生態があり、蹴りによる木への振動、ジャンプなどの衝撃、場合によっては声の振動ですら落ちることがあります。

また、強いライトの照射などでびっくりして落ちることもあります。

細枝から落下すればこのように逃げられてしまう

体が軽いと落下した時にふわふわ舞ってしまいただの獲物となりますが、重さがあるので下草などがあればそのまま素早く落下して地面に潜り、逃げられる戦略なのではないかと考えています。(ただの主観)蹴り採集はこうした生態的な特性を利用した採集方法なんですね。

また、重さというのは戦いにおいては正義です。

自然界で像が最強と言われるのはその体重にあります。

天敵を除いて樹液酒場の王者となるうえでは体重はあればあるだけいいと言えるでしょうね。


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これからカブクワを捕まえていくならば0からでも成果を上げる情報がこの記事にまとめてあります。

樹液、木の見分け、採集テクニック、探したい種類など他サイトでは網羅していない情報もたくさんあります。

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