大きくて白い蝶
自然散策をしていると時折白い大きな蝶を目にしませんか?

大きい蝶はアゲハチョウと思っている方は多いものですが必ずしもそうとは限りません。そこで今回は身近で目にする白い大きな蝶にスポットを当てて紹介します。
アカボシゴマダラ
最も可能性が大きいのはアカボシゴマダラであると考えられます。

アカボシゴマダラはタテハチョウ科の外来種の蝶であり、夏のカブトムシやクワガタムシ採集の時によく目にします。
これは夏型です。アカボシゴマダラは5月から9月末ごろまで出現しているのですが、ほとんどの期間が夏型の姿をしています。
5月から6月の頭頃の僅かな期間にのみ春型のアカボシゴマダラが出現し、それは非常に大型で白の面積が大変広い見慣れない姿をしているのです。

体長は翅を広げると10㎝に到達するぐらい大きいものもおり、滑空するような飛翔も相まってとても目につきます。
大きな白い蝶の正体が気になる場合にはまずこの蝶が怪しいでしょう。
幼虫は主にエノキを利用しており、冬季にはエノキの根元に堆積した落ち葉の中で越冬しています。

エノキが雑木林を始め鳥散布により種子を運搬する都合で関東圏を中心に分布がどんどん拡大しています。
成虫は広葉樹の樹液を利用しており、主にクヌギやコナラなどの樹液に出現します。日中に雑木林に足を踏み入れれば樹液の場所を教えてくれる頼もしい存在になることでしょう。
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ウスバシロチョウ
ウスバシロチョウはアゲハチョウ科の蝶の仲間です。

一般的なアゲハ蝶と比べるとサイズ感はやや小さいのですが、ほんのり透けるような特有の翅がきれいな種類です。
成虫は春先の4月中旬から5月下旬ぐらいまで出現すし、期間が限られたやや珍しい蝶です。

食草がムラサキケマンというケシ科の植物であり、これが半日影的な環境に出現するため、ウスバシロチョウもそんな感じの場所で見つかることが多いです。自然度は高めな環境にいることが多いので平野部でみるのはなかなかに難しいと思います。
個体数が多ければアゲハチョウの他の仲間同様ピンクや赤系のお花に蜜を吸いに来ていることが多いです。
この蝶はムラサキケマンが毒草であることからも分かるように毒をもちます。
そのためなのか飛び方がひらひらしていて優雅なため、飛んでいる段階で判別することが可能です。
ナミアゲハ
ナミアゲハはアゲハチョウ科の蝶の仲間です。

アゲハチョウは黄色じゃんという声が上がりそうですが、羽化したての春型アゲハには黄色と白の中間のような淡い色合いのものがいるために一応紹介しておきます。飛んでいる段階では白っぽい大きな蝶がいると認識してしまうケースがあるのです。
出現は3月末から10月頃までと長く、春型と夏型といった季節型もあります。一般的に春型が小さく夏型が大きめになります。
成虫は翅の付け根が線状になっている点で類似のキアゲハと見分けることが可能です。キアゲハはメッシュになっています。

町中のミカンの仲間を利用して繁殖することができるため、町で出会える大型昆虫としても人気の高い昆虫ですね。昆虫採集といえばアゲハ蝶という方も多いはずです。
捕まえるならば春には赤系のお花を夏には白系のお花を探すのが見つけるコツです。また、山の山頂などのヒルトップ環境でメスを待っていたり、蝶道といってアゲハ蝶がよく通る道があるなど面白い生態があります。
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ウラギンシジミ
ウラギンシジミは白系のシジミチョウの中でも一回り以上大きなシジミチョウの最大種です。

翅を開いたときには♂に明るいオレンジ色の模様が、メスに白い大きな斑点があります。見分けに役に立つかと思いますが、大きさの時点で判別可能です。
食草はマメ科であり特にクズを利用しているため河川敷を始め林縁部などでよく目にする蝶です。成虫は人の汗や水、獣糞や死骸などにもよくやってきます。
人懐っこく付きまといますが汗がお目当てです。
成虫越冬をする特性があり、ほぼ一年中姿を見ることができます。冬場でも暖かい日であれば姿を目にする可能性があるのは嬉しいですね。
幼虫は主にクズという植物を利用します。

くず粉でおなじみの植物です。およそ夏ごろになると紫色の花をつけるのですが、このつぼみに非常に似た姿をしています。知らなければ見つけることはまずできません。
オオムラサキ
オオムラサキはタテハチョウ科のチョウの1種です。

オオムラサキは紫色だろうというのは多くの人に知れ渡る事実ですが、翅を閉じていると白っぽいというかクリーム色をしているために白い大型蝶に見えます。
成虫は主に6月の下旬から8月の中旬ごろに出現し、クヌギやコナラなどの樹液にやってきます。
成虫はこれ以外にもエノキの葉に産卵しに来ている個体や、樹液の木の周りのせり出した枝先で縄張りを持っているなどの場面で遭遇します。
国蝶でよく知られ、現在は絶滅危惧種にも指定されている場所もあるなど珍しいチョウです。
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モンシロチョウ
モンシロチョウはシロチョウ科の蝶の1種です。

結構大きな蝶なのですが小さいという表現があくまで主観的であるため、これを小さいと捉える方もいるかと思うため紹介しておきます。
モンシロチョウは白い姿をしていますがシジミチョウと比べると4~5倍ぐらい大きいです。が、アゲハチョウと比べるとその姿は半分以下です。
翅には黒い円形状の紋があり、これが名前の由来となっています。
食草はアブラナ科であり、キャベツの害虫として大変有名な昆虫です。

認知度でいえばオニヤンマにも負けないぐらいよく知られている蝶の中の蝶ですね。
出現期間は春先から秋口までととても長いです。
似たものには春先に出るツマキチョウがいます。

これは白くて小さいために今回の記事テーマとも合致します。
春先に出てくるシロチョウの仲間で、翅を閉じると苔のような緑の模様があるのが特徴です。
スジグロシロチョウ
スジグロシロチョウはシロチョウ科の仲間の蝶の1種です。

モンシロチョウの紋が無く、翅の脈の部分が黒いことが由来となっています。
モンシロチョウにかなり間違えられていますが、丸い紋が無いこととスジが黒い点に注目をすれば簡単に見分けることができます。
春先から秋の終わりまで広く草原環境に出現するため、よく目に付きます。
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