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タマムシハンドブックのレビュー。タマムシやキラキラした虫が好きな方にお勧めしたい良書

タマムシをお手軽に!

ハンドブックシリーズはその手軽さから持ち歩きやすく色々な昆虫のものが出版されています。

虫好きならば購入して間違いなしな一冊。あまり買ったほうがいいですよとは言いたくないが、タマムシに興味があるなら買って後悔しない内容

2022年に出版されたタマムシハンドブックは価格に対し非常に濃密な内容が展開されており、タマムシ好きはもちろん、この仲間に興味がある人や単純に図鑑を眺めることが好きな人にもおすすめできるものとなっています。

そんなハンドブックのレビューです。

タマムシ科に興味がある全ての人におすすめ

タマムシハンドブックですが、市販の本では情報が少ないタマムシの仲間を専門でまとめたものというだけあり、タマムシ科に興味がある人、手を出してみたい人、キラキラした虫を眺めるのが好きな人などなどの多くのタマムシニーズにこたえてくれる内容となっています。

この本のおかげで憧れたアオマダラタマムシ。苦労させられた。

なんといっても小さい本でありながらでかでかと掲載されている魅力的なタマムシの数々。

一般的に知られるタマムシは昆虫入門者ならばヤマトタマムシがせいぜいであると思いますが、この本ではルリタマムシの仲間、ナガタマムシの仲間、ナカボソタマムシの仲間、チビタマムシの仲間などに加え、こんな種類もいるんだ?タマムシってスゲーというような発見がたくさんあります。

植物を見つけたらあのタマムシいるかも!?という知見が増える。松を見たらウバタマムシ。

例えばホソツツタマムシ。イネ科草本を利用するそんなタマムシがいるんだなぁと思いましたよ。

他にも沖縄などのタマムシ類や亜種なども本州ではなかなか見られませんが、綺麗だなぁ。いつか見てみたいなぁと思いつつ頭の片隅に入れておくことでインセクトフェアなどでウバタマムシの島の亜種じゃん!と楽しめたりもしますね。

値段も安いのでタマムシというものに興味がある全ての方にお勧めができる良書です。

タマハンの素晴らしい所

タマムシハンドブックが優れているところはたくさんあります。まず種類がたくさん知れる点です。

密かに人気なマスダクロホシタマムシ。

この本では131種類のタマムシの仲間が掲載されています。約半数が載っています。

タマムシの多くは特定の樹木を利用するため、知らずに遭遇することがとても難しくなっています。種毎の利用樹種が知れるのはとても大きい知見です。

さらに出現時期も記載されています。特にビギナーのような私はこの時期に出るんだという発見も多く、ワクワクしたものです。

最初に憧れるシラホシナガタマムシ。出会えた時は感動したなぁ

ナガタマムシも知らなかった私はこの本を夏に購入し、必死でクロナガタマムシなどの盛夏でも見られる種類を探したものです。

翌年はホソアシナガタマムシにアサギナガタマムシ、ヒメアサギナガタマムシやクロホシタマムシ、マスダクロホシタマムシにシラホシナガタマムシ、ムネアカナガタマムシや、ケヤキナガタマムシ、サトウナガタマムシやトガリバシラホシナガタマムシなどなど美しいタマムシを見つけてうっとり楽しんでしまいましたよ。

ナガタマの珍種、トガリバシラホシナガタマムシ。知らずに人生過ごすのは損でしょう。

この本にはザックリですが採集難易度も掲載されており、昆虫採集におけるハンティング的な視点でも楽しめるようになっています。

集めてよし、探しても楽し。な新しい昆虫採集の知見が1000円台後半で手に入るとても良い本なのです。

加えてこの図鑑はでかでかと標本写真が掲載されているのですが、合わせて実寸のサイズも載っているんですね。タマムシちっさ!と思いながらも実物大が知れるのはありがたいものでした。

まさに模範的な専門家の知見を一般の方に贈る本である!

更にさらに小さい本ながらも採集に当たっての道具や取り方なども書かれています。

時折差し込まれる採集秘話のようなおまけがこれを作った人たちはタマムシ馬鹿に違いないと思わせるものばかりで、そりゃーこんないい本ができるわけだと納得してしまいます。

個人的に素晴らしいと思うのはややこしいナガタマムシ類の判別点すらも掲載されていることですね。

この本の入手以降恒例となったアオタマムシ採集。タマハンのおかげである。

ナガタマムシ類は正直私のような素人では分からないものが多いのですが判別のポイントとなる側隆線を始め、前胸の突起、上翅の判別点などなど種の判別をしたいような方にも役に立つ情報が載っています。

これまでタマムシ科の詳細な図鑑はむし社の日本産タマムシ大図鑑(約2万円)であったらしいのですが、入門者のハードルが大きく下がったものと思います。

極小のチビタマムシも知れるよ

実際に野外ではタマムシ科をやっているという人にも良く遭遇するなと思いましたし(主観ですが)影響力はあったんじゃないかなと思いますね。

とにかくタマムシ科に手を付けたいならとりあえずこの1冊からと言っても良いレベルの本です。興味があるならば間違いなくお勧めできます。

タマムシハンドブックの不満点

価格、内容量ともに正直文句は付けようがないくらいなのですが、欲を言うとこんな感じの環境で記録があったなどの情報があるとより素晴らしいなと感じますね。

普通主なのに苦労したシロオビナカボソタマムシ。発掘するのは虫取りの楽しみなので、情報の塩梅は難しい。

この価格でそれは無理なのは承知の上なのですが、タマムシは採集をすると例えば材の鮮度や日当たり、スウィーピング箇所などの要因が絡んできます。

立ち枯れはどのレベルまで許容範囲なのか、やたらいる木といない木の差は何か、採集におけるプチエピソードなどなどの要素が積まれるともっと楽しいなと思いますがそれは大図鑑でいいじゃんという話になってしまいますね(笑)

本自体もキラキラしており、内容も濃密。不満のつけようがないくらいです。

おかげさまで本の購入から3年もタマムシ科を楽しませてもらっている

しいて言うならば未掲載種が文字だけでもラインナップに乗っていれば特にナガタマムシの様な見分けに困る種類の選択肢が浮かんできて嬉しいかなと思いましたね。

3年ほどお世話になっていますが、間違いなくこの本を景気に昆虫の視野が広がったとてもよい良い図鑑です。

まだ購入しておらずタマムシに興味があるならば購入は強くお勧めできます。

購入時期は真夏を避けて昆虫シーズンが始まる前ぐらいまでがおすすめですよ。タマムシ探しにいきてー!となりますので(笑)

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