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紫色のシジミチョウは珍しい!? ムラサキシジミの紹介とゼフィルスとの違い

ムラサキの輝きを放つ小さなチョウ

およそ早春~秋の終わりにかけて、時には真冬の晴れた日などに屋外を散策していると紫色にキラキラ輝く大変美しい蝶に遭遇することがあります。

きらきらと紫色に輝く綺麗なチョウが今日のターゲット

こんな綺麗な蝶がいるの?絶対に珍しい種類に違いない!と考えてしまいますよね。

その蝶はムラサキシジミもしくはムラサキツバメ。食草の影響で街中などでも見かける可能性が十分にある美麗種のチョウです。

今回はムラサキシジミがどんな蝶なのか紹介し、珍しい種類なのか?を紹介していきます。

ムラサキシジミとは?

ムラサキシジミはシジミチョウ科に所属する蝶の仲間です。

美麗種で身近な種類のチョウ。出現期間もほぼ通年と長い。

最大の特徴は紫色に輝く翅の金属光沢。特に♂のものは非常に強い光沢があり、一見の価値があるものです。

♀においても光沢は見られますが、♂と比べると弱いです。

体長はおよそ2㎝程で通常目にするヤマトシジミに比べると一回りほど大きいです。

紫シジミの強烈なアメジスト様の光沢

食草はドングリでおなじみのカシやシイの木を利用しています。

特にシラカシは庭木や植木として大変好まれるために様々な場所に植えられています。これを利用することでムラサキシジミは街中でも見つかる可能性があります。

類似種にはムラサキツバメがいます。写真が無いので文字だけの紹介となりますが、翅後ろ部分に尾状突起がついているのが最大の違いです。

尾状突起のイメージとしてツバメシジミ。翅のお尻に尖るものがある。

こちらもマテバシイという主に公園樹木などで利用される樹木を食草としているので近年見かける機会が増えています。

成虫越冬を行うため、出現期間は非常に長いです。

成虫は一年を通して見つけることが可能で3月~11月頃にかけてはカシ類の多い林の縁を歩いていると見つかります。

ムラサキシジミの翅の裏側。一見すると地味だが、越冬性の種類のため枯葉に溶け込む。

翅の裏側は枯葉を連想させる茶色をしており、自然下にいるとなかなか気が付きません。しかし裏にもニスを塗った様な光沢があり大変綺麗です。

ムラサキシジミはゼフィルスではないのか

美しい金属光沢をもつ蝶といえば欠かせないのがゼフィルスの仲間です。

ミドリシジミをはじめ、きらきらした金属光沢をもつものが多いシジミチョウのカテゴリー。

ミドリシジミ亜科に所属する中で25種のチョウを愛称をこめてゼフィルスと呼びます。

このカテゴリーのチョウの仲間によく見られる(すべてではない)のが美しい金属光沢です。

例としてキリシマミドリシジミやオオミドリシジミのものを上げますと芸術品としか思えない光沢があります。

青白いオオミドリシジミ

ゼフィルスの仲間といえば年一化でおよそ初夏から夏にかけて出現することがよく知られています。

しかしゼフィルスの様に年一化するカラスシジミの仲間はミドリシジミ亜科でありながらゼフィルスではありません。

色合いを見ればムラサキシジミはゼフィルスなのか

これについてなぜ違うのかを紹介した報告があり、「初心者のためのゼフィルスの見分け方」(長谷川大)によれば翅脈の分岐が違うという点が挙げられています。

正確には第6翅脈が、7,9脈と基部でつながっているものがゼフィルス。分かれているのがカラス、ムラサキ、トラフという訳方です。

ゼフィルスはミドリシジミ族ですが、ムラサキシジミはムラサキシジミ属、トラフシジミはトラフシジミ属、カラスシジミはカラスシジミ属と分かれています。

ミドリシジミ族のアカシジミ。ゼフィルスは年一化というくくりでは分けられていない。

同じミドリシジミ亜科でもムラサキシジミの様に成虫で越冬し年に数回も発生するものやトラフシジミの様に年2化のものがいるなど分類的に見てみると同じように見えてもしっかり違っているのが面白いですね。

ムラサキシジミを探す

チョウの出現は食草に依存しています。

身近でも目にするシラカシやアラカシがねらい目

そのためムラサキシジミを探す場合には食草であるカシの木の生態の理解が役に立ちます。

カシの木を始めとする常緑樹は薄暗い環境を好むものが多いです。

自然下で特に目にする機会が多いものはアラカシとシラカシ。

どちらも暗い環境を好む陰樹です。

暗所付近の日差しが差す場所を見ればこのように止まっていることが多い

そのため林の中で探すならば樹木密度の高い雑木林に足を運んでみるとカシの木が良く見つかります。

雑木林内では暗すぎるので、それらの林の日当たりがいい林縁部に注目してみると日向ぼっこしているムラサキシジミが目につくはずです。

時期としては越冬直後の時期は擦れた個体ばかりです。その子たちが産卵し、次世代が生まれる6月頃から美しい個体が目につきますね。

新成虫のムラサキシジミは一見見慣れない色合いで驚いてしまう

また、公園などもおすすめです。公園樹木としてカシの木は非常に有用であるため、たくさん植えられているケースは多いです。

厚みのある濃い緑の葉を探してみましょう。公園ではシラカシやシイの木の場合も多いですが、どこでも目にするくらいには見つかるはずです。

もし見つからないようでしたら葉先を叩いてみるのもおすすめです。葉先でテリトリーを張って待機している個体が驚いて出てくるかもしれません。

ムラサキシジミは珍しい?

ここまでの話をまとめるとムラサキシジミは普通種のチョウであって珍しい種類ではないことが分かりますね。

色合いから珍しく感じるがそんなことはない。

普通種ながら他の身近な種では味わえない美しさがあるのがこの蝶の魅力です。

年一化のゼフィルスはその美しさを味わおうとしても季節が限られているばかりか樹上8m以上の高い場所にいるばかりでなかなかその姿を眺めることはできません。

しかしムラサキシジミならば低所で個体数も多く、出現期間もほぼ年中ということもあって蝶の魅力を味わう入門種としてとてもおすすめできます。

参考文献「初心者のためのゼフィルスの見分け方」 長谷川大 
https://www.jstage.jst.go.jp/article/yadoriga/2016/250/2016_2/_pdf

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低地で6月ごろに見られるゼフィルスの仲間を紹介したものです。人気カテゴリーも納得の美しさです。
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身近な草地でも見つけられるおなじみの種類についてはこの記事から楽しめます。