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オサムシ類の飼育。プロゼリーの飼育と死亡例、ペットとしての可能性

オサムシをお試しで飼育

この頃オサムシ類に興味があります。

今期はオオルリオサムシを飼育するなど

オサムシ類は標本にするならば間違いなくすぐに〆てしまった方が良いのですが、なんとなく姿形も気に入っているので飼育してみようかなと思い試してみることに。

ブリードではなくただの飼育ですが、試したところ成熟した成虫であればプロゼリーで飼育できるようです。

オサムシの飼育実例

底材は針葉樹マットやハスクチップなどのクワガタ飼育用のものを流用しました。

繁殖目的でなければハスクチップで問題はなさそう

今期飼育してみたものはアオオサムシ、クロカタビロオサムシ、オオルリオサムシの3種類です。

餌としてはプロゼリーである必要がどうかというのが気になっていましたので、昨年のあまりである昆虫ゼリーをアオオサムシに試してみることにしました。

アオオサは集めやすくて飼育向き

アオオサムシの飼育では1匹目が1週間持たず、2匹目が2週間程度で死亡してしまいました。

6月頃の話であったため、昆虫ゼリーの影響か寿命なのかは不明ですが、この2個体は死亡が速かったですね。

クロカタビロオサムシとオオルリオサムシはプロゼリーでの飼育です。

前者は7月の中旬ごろに頂いたもので、後者は7月の上旬に頂いたものです。

頂き物の千歳ルリオサ。意外とゼリーのみで9月末までの3か月ほど生きてくれた

飼育環境はクロカタビロオサムシが針葉樹マットにプロゼリーのハーフカット、霧吹きは少々して壁面にうっすら結露ができる程度の環境を維持。

オオルリオサムシはクリアスライダーの底にハスクチップを敷いて壁面に結露しない程度の水分量、餌はプロゼリーのみとしました。
いずれもカタツムリは上げていません。

これらの飼育からクロカタビロは現在も生きておりオオルリオサムシは9月の末頃に死亡しました。

オオルリオサムシは自然下での出現が8月頃程度までと言われていますので、飼育下でのことを考慮すると通常程度には生きたのではないでしょうか。

クロカタビロオサムシ。これもゼリーのみで3か月ほど生きている。

オサムシ系は羽化後にカタツムリを食べることで性成熟したり、カタツムリを食べないとすぐに落ちてしまうと言われます。

完全飼育下では羽化後にこうした後食の必要性が出てくると思われます。

一方で野外で捕まえてきた個体は既にカタツムリ食を終えていると考えられますので、ブリード目的でなく飼育するだけならばプロゼリーのみでも育てられる可能性が考えられますね。

オサムシ類は新成虫が秋ごろに出るものが多いです。

アオオサは時期的には新成虫の出現初期と被りそうですが、屋外採集で活動しており、ミミズなどを捕食していたことを考えると既に成熟していたと考えられます。

アオオサムシがノーマルゼリーですぐ死んだ理由が気になる

そのため後食が理由とは考えられないかなと思います。

であるとサンプルは少なすぎますが仮説としてゼリーのタンパク質量は思ったよりも大事なのかもしれません。

今後もゴミムシ類やオサムシ類を捕まえて検証できればなと思います。

ペットとしてのオサムシ類

今期はオサムシ類を飼育してみたのですが、彼らはなかなかにペットとしての優れた可能性があると思っています。

クワガタよりもコスパに優れ、鑑賞性も悪くない。

まず餌が簡単であることは重要です。プロゼリーでの飼育の可能性が浮かびましたのでこれは優れています。

そしてゼリーの食べ方が上品であること。クワガタのようにゼリーをこぼしてマットがひどく汚れたりすることがありません。胸部と頭部が長いことが影響していると考えられます。

そして翅が無いので夜行性ですがぶんぶんとうるさくありません。

こちらはクワガタマット。10日もすればぐちゃぐちゃになる。

カタビロオサムシ類は翅をもちますがこれもまたうるさくはなく、気配や音に敏感な私も気になりませんでした。

そして鑑賞性ですが良く動き回るためになかなか優れていると思います。標本で見ても美しい彼らオサムシたちですがやはり生きているときの方が美しく見えるものです。

一度飼育してみると既に持っている標本のオサムシたちも少し見え方が変わるものです。

飼育してみると手元の標本の虫たちもよりよく見えるというもの

標本のオサムシは触覚がお尻側に挙がっていますが、通常は前に伸びているものです。

脚は結構しっかりしていますし符節も元気なうちは全然取れませんが弱ってくるとちぎれてしまうようです。

ハスクチップで立体的にケースを作ると思ったよりも器用にそれらを乗り越えるんですね。

ボケーッとしていることも多く、野外で時折目にする止まって何かを待っているような行動は結構とるものなんだなと思ったものです。

個体の美しさもあり、なかなかに鑑賞性は高く飽きないと言えます。音も静かで気になりません。

メンテナンスが楽

オサムシ類はケースのメンテナンス性にとても優れているのも飼育に向いているなと思いましたね。

マットは湿度が大事とは聞くが、試しに霧吹きとかしなくても全然生きた。再現性は次年度の課題。

オオクワガタなどではクリアスライダーでは1~10日位を目安に底材を変えてあげる必要があります。ゼリーを結構こぼしてしまうので底材からダニが湧いたり、ぐちゃぐちゃのべちょべちょになるためです。

オサムシ類はゼリーをこぼすことは今期の例ではまずありません。底材が濡れたり汚れる機会も少なく、メンテナンスの必要がありません。

加えて彼らはひっくり返ることもありませんからかなり安全にある程度放置的な環境でも飼育をすることができます。

オサムシの飼育に比べるとクワガタは手間がかかってしょうがないのですね。

生き生きとしたオサムシの姿を気のゆくまで味わえるのはいい

ゼリーの消費量もかなり少なく、カビなどの要因を除去すると10日~2週間程度はハーフのプロゼリーで持ちます。

クワガタがハーフをほぼ1日で食べることを考えるとだいぶお手軽と言えるでしょう。

ペットポテンシャルは高いと言えます。恐らくですが餌としてはこれに加えて鶏肉などのお肉類なんかを上げたらよいのではないかなと思いますね。

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