緑色の大きなカエルの正体は?
自然の中を散策していると時折緑色の大きなカエルを目にすることがありませんか?

もしくは木の上にしろい泡状の物質が6月頃に見つかることがあります。
それらのサインが目に見えたらそれはモリアオガエルかもしれません。
モリアオガエルとは
モリアオガエルは森林に生息するアオガエル科のカエルの1種です。

生体は森林環境に生息しており、主に樹上で生活しています。
水辺の周りで見つかることもあります。
自然下ではなかなか珍しいカエルなのですが近年愛好家による放流が話題となる種類でもあり、アカハライモリと同じく見つけた個体が在来のものなのかどうかの判別が難しいカエルです。
生体は緑色の単色をしたカエルの中では群を抜いて大きく、アマガエルの3倍程度の大きさ(最大)があります。

脚には吸盤があるため、ガラス面やプラスチックをものともせずに登っていきます。
初夏の時期には水辺にせり出した木々の枝に泡状の卵を産み付けます。これにより時期が来ればモリアオガエルが生息しているかどうかは非常に簡単に判別することができます。
鳴き声はグココ、グココという感じで低音です。
モリアオガエルとアマガエル
日本にはなじみ深いカエルとして田園環境のアマガエルがいます。

もう一種シュレーゲルアオガエルというのがおり、これがサイズ以外とても似ているのですが、手持ちの写真が無いためアマガエルで比較します。
アマガエルやシュレーゲルアオガエルとはサイズ感の違いが決定的にわかりやすいです。
モリアオガエルの体長は4㎝~6㎝に近いものもいます。

一方でアマガエルはせいぜい2~4㎝程度。体長の差は非常に大きいです。
また、アマガエルは色彩の変化に富みますが単一の緑色ではありません。目元に黒い模様が入っている場合が殆どであるため頭部を見ることでも簡単に見分けることができます。
後は環境ですよね。
アマガエルは山地性というよりは平地性であり、モリアオガエルは山地性です。

モリアオガエルとシュレーゲルアオガエルは質感や色が似ています。よく目の色が違うと言われるケースがありますが個体差も激しいらしく、今回紹介するモリアオガエルのものは良く判別点とされるシュレーゲルと同じ金色の目となっています。
そのため、2種の判別にはサイズに加えて環境が重要になると考えられます。

森青鹿森林性で樹上性、シュレーゲルが平地の水田などです。
2種はアマガエルよりもより生態が似ており、実はシュレーゲルもメレンゲのような卵を残します。

モリアオガエルが水辺の木の枝の上であるのに対し、シュレーゲルが水辺に隣接した畔であることから似たメレンゲでも判別は容易と言えますね。
モリアオガエルの質感の魅力
カエルの仲間は独特の質感を持ち、その癖になる感は多くのカエルファン共通の可愛いポイントであると思います。

このモリアオガエルはサイズが大きいことからしっかりとした重量を感じられ、それに応じた吸盤の踏ん張りを強く味わえるのがポイントだと思いました。
手を冷やし、触れてみた時の彼らのどっしりと載っている感じはアマガエルでは味わえないものとなります。
アマガエルはちいかわという感じです。モリアオガエルは小さくないけどかわいいですね。

やっぱり水かきの大きさでしょうか。しがみつく力が強いんです。新鮮なイカの刺身を食べたことがありますかね?
げその部分が張り付いてくるのですが、それに近い感覚があります。
程よい吸着力でずっと乗っていてくれーと思ってしまう気持ちと、あんまり上ると体温でよくないよという気持ちが葛藤する感じです。
モリアオガエル側もサイズの割には鈍いというかのんびり屋さんな個体であったのかまったりしていました。

老後の縁側で隣にいて欲しい生き物ランキングがあれば上位に食い込めるぐらい馴染みがあるような落ち着きをしていましたね。
実は私は卵こそ見て鳴き声は数えきれない程聞いていても実物を見るのは初めてだったりします。
だからこそこのモリアオガエルのサイズ感には驚きつつも、改めてペットとして両生類が人気である一端を見たというような気持ちです。
モリアオガエルの探し方
モリアオガエルの探し方は非常に簡単だったりします。

確実なのは6月頃に水辺がある環境に足を運ぶことですね。生息していれば水辺にオタマジャクシもしくはせり出した枝の上にメレンゲ状の卵が見つかるはずです。
場所は山地に近い環境がベストですね。具体的な場所は述べませんが、放流により広範囲でそのサインが見つかる神奈川県西部や高尾山にも生息しています。
環境を特定してもモリアオガエルは夜行性であるためにその姿はなかなか見ることはできません。
オタマジャクシがいれば場所によってはそれを育ててしまう方が確実に個体には遭遇できると思います。

一方でそうしたサインを見つけた場所で雨の日や切りの日など空中湿度が高い日に散策すると見つかることがあります。
私もクワガタ採集の日の天気が悪かった時に偶然モリアオガエルに遭遇したことがありました。
湿った環境が好きなこうしたカエル類やタカチホヘビ、サワガニやイモリなどは雨の日に行動圏が広がる傾向があるように感じます。
こうした特性を活用すれば見つけられる可能性は大きく上がるのではないかなと思いますね。
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夜行性で湿度の高い場所を好むタカチホヘビ。幻の蛇といわれます。