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カブトムシの捕まえ方。時期や探し方などの基本を紹介。

夏、カブトムシに挑む方へ

真夏のアイドルといえばカブトムシ。

夏のアイドルカブトムシ。写真は6月11日のもの。

特に男性ならば自身の育つ過程で一度は通過することになる大人気昆虫の1種と言えます。

しかしながら自然も減少する現代にカブトムシを果たして捕まえられるのか疑問に思う方も多いことでしょう。

今回は夏にカブトムシを捕まえたい全ての方に向けてカブトムシ採集のコツを紹介します。(別記事込み)

親子から大人で虫に興味を持った方まで参考にしてみてくださいね。

カブトムシとは?

カブトムシはコガネムシ科に所属する昆虫の仲間です。

7月上旬のカブトムシ。ピークシーズンの個体数はそれなりに多い。

体長は3㎝~8㎝程で♂には立派な1本角があります。

出現時期は5月下旬~8月中旬程度で主にクヌギやコナラを中心とした雑木林の樹液を訪れます。

初夏の夏に特有の香りがすると夏の甲虫を感じる

成虫は年一化で8月に夏に生まれた幼虫は翌5~6月頃に蛹となり、およそ夏ごろに成虫となります。

主に樹液を利用し、クヌギやコナラのものによく訪れますが意外と樹液の選択性は広くブナ科のカシやシイ類はもちろんのことアキニレやイタヤカエデ、ヤナギなどクワガタが訪れるような樹液ではだいたい見つかります。

こうした木々が分解されたものを利用することもある。

クワガタが朽木の内部を利用するのに対しカブトムシは腐葉土や朽ちてぼろぼろになり堆積した木々のおがくずなどを利用します。

ライフサイクルが早めなので環境条件さえ整っていれば現代でも十分目にすることができます。

夜行性と思われがちですが昼間もかなり活発に行動しています。

カブトムシを見つけるには

カブトムシの捕まえ方ですが、さすがに何も知らない状況では現代の自然ではなかなか見つけられません。

出現環境が決まっているのでその条件を把握する必要がある

カブトムシ採集の要点は以下の通りです。

樹液の出る木の見つけ方を知る


カブトムシが出現する時期を知る

細かい点は上げれば切りがありません。勝負の土台として絶対に必要な部分を取り上げていきます。

樹液の出る木の見分け方はカブトムシが樹液を利用する性質上絶対に理解する必要があります。

カブトムシを見つけるということはクワガタも見つかるということ。

クヌギやコナラの木が分からず、樹液も分からないならば出会えないのは当然です。

しかし数ある植物の中からクヌギやコナラを見つけるのが大変というのもよく分かります。植物は同じに見えますからね。

そこで活用したいのがドングリを付けるブナ科樹木(クヌギコナラを含む)を加害するナラ枯れを利用した樹液の見つけ方です。
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この記事になりますが木々を見分けずに樹液を見つける方法を記しています。

クヌギコナラ以外にもシイやカシの木なども自然とターゲットに設定でき、関東圏を含むあらゆる場所での採取に対応できる方法です。

ナラ枯れはピークは過ぎましたがまだまだ有効な手法なので覚えておきましょう。樹液周りに関するコンテンツはこれだけで完結してしまいます。

要点だけ抜粋すると樹液というのはカミキリムシのように木々に穴を開ける虫が木を攻撃することで流れます。

木々に白い粉がついており、ナラ枯れ進行中のカシの仲間

ナラ枯れのキクイムシは木に大量に穴を開けるので、虫たちが内部から出す大量の木くずや樹液痕を見つけることで樹種を見分けずにカブクワの来る木々を見つけることが可能です。より詳しく知る場合は別記事へ。

出現する時期を知る

カブトムシがいつ出るのかを把握しておくことはとても重要です。
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甲虫のピークシーズンというのは非常に短いため、万全の状態を整えておきたいですよね。

意外かもしれないが5月の半ばごろに早い個体は出る

カブトムシの出現は5月中旬ごろから始まっています。5月中旬から6月中旬程度まではポツポツ出現するという感じですが、6月下旬から7月中旬ごろにかけて一気に個体数が増加します。

もし夏休み以降に採集を始めていたならばカブトムシに関しては最も良いタイミングは逃していることになります。時期の意識を改善して最も良いタイミングに行動できるようにしておきましょう。

カブトムシがいそうな場所を探る

樹液の見つけ方と時期に関する情報を理解すれば勝ったも同然です。しかしそれら木々が生えている良さそうな場所を見つける感も必要です。

山に行けば良いわけではないのが面白いところ。河川敷のアキニレ。

SNSや各ブログなどを見ているとたくさんとれている人がいる一方で全く取れない人たちがいます。

2者を分けるのは何かというと前者は自分たちでポイントを開拓して自分だけの場所を見つけているのに対し、後者は他の人が出した情報に後乗りしていることです。

基本的に情報が出ている場所では期待が薄いと考えてください。特に初心者や親子層はそういった情報を基にやってくるため、競争が激しくなります。

樹液の見つけ方や時期の情報を最初に伝えたのは絶対に必要な情報だけを理解してもらい、その情報を活用して自身でポイントを開拓してもらうためです。

河川敷で当たりをつけたポイント。カブトはいなかったが、狙いのヒラタはとれた。

その場所を見つける方法ですが、航空写真が非常に便利です。
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方法は別記事で既に述べていますので参考にしてみてください。要約するとグーグルマップの航空写真から緑の有りそうな場所を抽出することです。

場所を絞り込んだならばぜひ下見はしておきましょう。場所が良ければカブトムシは昼間も行動していますので見つけられるかもしれませんし、樹液の場所を把握しておくだけでも夜の巡回はかなり楽になります。


これで樹液、時期、場所の3点を見つける方法を理解できました。

ここが分かっていれば後はご自身で開拓できるはずです。

そしてカブトムシが見つけられるようになれば同じやり方でクワガタも自分の力で見つけられるはずです。

騙されたと思ってしっかり3つの記事を読み込んで挑戦してみてください。

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