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小さくて黒いクワガタの見分けを紹介。コクワガタ、スジクワガタ、ネブトクワガタ、アカアシクワガタ、ヒラタクワガタを見分けよう。

黒いクワガタの正体は?

黒いクワガタ。しっかり探し方を理解すればそれなりに遭遇できますが、中には珍しいものもいます。

夏場にカブクワ採集をしていると黒い小さなクワガタに遭遇する機会が多いはずです。

黒いクワガタには似たような種類が複数おり、中には非常に珍しい種類もいます。

一見すると同じに見える黒いクワガタの違いを学んで、多様なクワガタを捕まえる楽しみを体感しましょう。

関東における黒い小さなクワガタをまず紹介

並べた名前順の黒いクワガタたち。どれも似ているのがよく分かる。

黒系のクワガタを見つけた場合に候補として挙げられるものは5種類おり、可能性の順に並べるとコクワガタ、スジクワガタ、ヒラタクワガタ、アカアシクワガタ、ネブトクワガタの順になるかと思います。

一気に並べてみると全て同じに見えるかもしれませんが、どの種類も明確に見分けるポイントがあるため、覚えていきましょう。

コクワガタの見分け

コクワから疑っておけば間違いなし。全体の90%以上を占める程度の出現率。

コクワガタは最も普通に見つかるクワガタの1種であり、基本的にはこのクワガタである可能性から疑うのが妥当と言えます。

見分けのポイントとしては顎の形が分かりやすく、コクワガタは大あごの中心部に1対の突起が付きます。

顎の真ん中に内歯(ないし)という突起がある

小型、中型のコクワガタにはこの1対の突起だけの場合が多いのですが、大型個体の場合には顎の先端にも鋭い突起がついています。
平地から山地にかけて広く分布しており、あらゆる環境でコクワの可能性を考慮する必要があります。

スジクワガタの見分け

スジクワガタはより森林面積を必要とする種類です。

♂は顎の形で見分けられる。内歯が面状なのが分かりやすい。

関東では平地でもかつての丘陵地の名残の場所で見つかることがあります。

姿はコクワガタにそっくりなのですが、顎の形に違いが見られます。

スジクワガタの顎は大あごの中心に1対の突起が見られる点でコクワガタと似ていますが、この突起の形が台形のような面状になるという特徴があります。

小型のスジクワガタ。顎の内歯に注目すれば極小以外は十分見分けられる。

また、スジの名の通り腹部の翅の部分に縦線が入る傾向が見られます。

これは小型の個体程目立つため、顎の突起が見えにくい時に重宝します。

そっくりなのですがサイズにおいては小さい個体が多く、自然下でのギネスは39㎜と言われています。(コクワは54mm)全体的に小さいのも違いと言えますね。

出現率はコクワに比べるとガクッと下がりますが、見つけると嬉しい種類ですね。

ヒラタクワガタの見分け方

ヒラタクワガタは温暖な環境に出現する種類であり、近年温暖化により東京などで見つかると言われています。

東京神奈川では平地にもいるが多くはない

サイズ幅が大きく、20㎜程度のものから60㎜程度のものまで色々なサイズがあります。

この内コクワやスジクワと同じサイズ範囲のものは雰囲気が似ており、ややこしい場合があります。

ヒラタクワガタの場合大あごの最も大きい突起がかなり口のブラシ側に近いことが挙げられます。ほぼ顎の下についています。

ヒラタの内歯はかなり大アゴの付け根に近い

30㎜以下程度の個体では光沢感が強くピカピカしており(通称豆ピカ)、40㎜程から艶消しの個体が出る印象です。

前種と比べるとお尻が大きいので、場合によってはお尻のサイズ感で見分けられる場合があります。体高も厚いです。

出現は河川敷や河岸段丘などの湿度がある蒸した環境にいることが多いです。

元々南方系の種類であり、照葉樹林という海に面した環境を好むことに由来すると考えられます。

アカアシクワガタの見分け

アカアシクワガタは主に標高400m程度から出現する可能性がある黒いクワガタです。

実は個人的に最も出会う機会が少ないクワガタ。好きなのだが標高の都合で合わない。

顎の突起は先端に集中しているのが特徴ですが、それよりもひっくり返すと足が赤いという唯一無二の特徴で見分けることが可能です。

サイズ幅はおよそコクワガタと同じくらいですが、小さい個体が多い印象があります。

アカアシの内歯は大アゴの先端に集中しており、足が赤い。

また、身近な環境では樹液採集できることは少なく、外灯によく飛来するクワガタであることが知られています。

さしずめ標高のある場所でのミヤマクワガタのお供という感じですね。

出現は低地での記録は近年はありません。東京神奈川ならば丹沢の末端エリアから高尾、奥多摩あたりでの記録が知られています。

この内高尾と丹沢では確認しています。

ネブトクワガタの見分け

ネブトクワガタはヒラタと同じく南方系のクワガタとして知られています。

黒系のクワガタの中でも難易度は高い

高尾山周辺では多くはありませんが、記録があります。

サイズは10mm~最大28㎜程度で非常に小さく、雰囲気はスジクワのものに近い縦線と大顎の基部に内歯があることが特徴です。

ネブトの小型と大型の顎の違い。小型が特にスジクワなどに似ている。

大あごの突起は小型~中型では1対ですが、大型になると2対見られます。

出現は東京においては局所的ですが、生息地においては頑張って探せば見つかるくらいの難易度はあります。

グジュグジュの樹液に集まる性質があり、それがクリアされているとモミやケヤキのような意外な樹木からも見つかります。

神奈川では近年絶滅扱いされていましたが、2024年に大山で再発見され、非常にホットな種類です。

5種類の黒いクワガタの違いを紹介しました。

多様な種類を探せるのがクワガタの魅力と言える。ぜひ探してみよう!

アカアシの赤い脚のような分かりやすい特徴こそありませんが、その顎の違いや出現環境の違いなどを押さえておくと思わぬレア種を見つけてびっくりかもしれません。

一方で中にはしっかりと行く場所や時期を狙わないと取れない種もいます。カブクワの採集はとても奥が深いので、興味がわいた方は当ブログ記事を活用して昆虫採集を楽しんでみてくださいね。
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カブクワを採集したい方に向けた採集に必要な情報をまとめた記事です。樹液、探し方、ポイントの見つけ方などの殆どを学ぶべき順に紹介しますので、分かりやすいかと思います。

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