似た黒いクワガタの違いとは?
特に平野部で黒いクワガタを見つけた場合、そのほとんどはコクワガタになります。

ですが平地においてもヒラタクワガタという珍しい種類が混じっていることもあるのです。
大型のヒラタならばそのサイズで見分けることも可能ですが、東京神奈川などの都市部においては2種が同程度のサイズで見つかることも多いことから、見分けるためのポイントを覚えておいた方が採集の楽しみが増えます。
今回の記事では特に人気が高いオスに注目し、判別点が理解できるようになります。
コクワとヒラタの決定的な違い
まず結論ですが、コクワガタとヒラタクワガタには内歯の付く位置が異なるという決定的な違いがあります。


内歯(ないし)とは大あごにつく突起のようなものを指します。
コクワガタはおよそ顎の中央辺りに突起がつくのに対し、ヒラタクワガタでは顎のほぼ付け根側に付いています。

この点を理解して置ければサイズを問わず2種の見分けに悩むことはありません。
具体例を見ていきましょう。
大歯ヒラタとコクワ
大歯型の場合殆ど悩むことはありません。

なぜならばヒラタの大歯型は5㎝以上であることが多く、そのサイズにより判別ができるからです。
コクワガタの5㎝サイズはまず見つかることはありません。

ですが見つからないとは言い切れませんので大型個体で比較します。
ヒラタの顎です。コクワの比ではない程厚みがあり、内歯も強く太いのが分かります。


コクワの大型も厚みはそれなりにあるのですが、ヒラタに比べると細く見えます。突起は必ず中央にありますね。
自然界では大歯型の場合お尻を見るだけでも判別が可能なくらい厚みが違います。
神奈川ではこの5㎝ラインのヒラタもだいぶ珍しいと思われますが、見つけられた方はおめでとうございます。東京でも嬉しいサイズですね。
中歯ヒラタとコクワ
サイズでは3タイプが見つかります。



そのため、判別ポイントとなる顎の内歯と艶を確実に見ることをお勧めします。
中型サイズでも慣れてくればお尻のでかさや翅のツヤ感などで分かることもありますが、洞の中やめくれなどの場合判別しきれないこともあるので顎を確実に確認しましょう。
ヒラタではおよそ35mm前後、コクワでは30mm前後の個体が多いです。
小歯ヒラタとコクワ
この2種は顎での比較が難しく見えますが、クワガタの翅の部分の上翅(じょうし)の艶で簡単に判別できます。


このことから通称豆ピカ、豆ヒラタなどと呼ばれています。
チビヒラタの光沢は非常に強く、コクワのものとは比較にならないので、やたら艶のある黒いクワガタがいたらヒラタと考えることができます。
小さくとも内歯の位置は変わりませんのでそこで判別も可能です。
ヒラタとコクワの見分けは決定的なポイントがあるため、複雑ではありません。
そのため、記事はあっさりしたものとなりましたが、簡単なことがよく分かりましたね。

捕まえる場合には2種は似たような性質を持ちますがヒラタの方が環境にはうるさいく東京神奈川での採集には慣れが必要です。
遭遇するためには温帯環境に出現する傾向があるヒラタの生態を理解することが近道と言えます。
成虫の出現の傾向や新成虫の出現戦略などの情報をまとめたものがあるので、これから挑む方はぜひ読んでから探してみてください。
pljbnature.com
これからカブクワを探す場合にはこの記事より0から成果を上げるための情報をまとめてあります。いきなりヒラタは難しいので、まずコクワやノコギリあたりから挑んで目を鍛えていきましょう。
pljbnature.com
pljbnature.com
これらの記事は有料版ですが上はポイントの探し方と見るべきサインを、下は現地で樹液を見つける方法とどんなところに彼らがいるのかを詳細に述べました。親子で憧れのカブクワを探し、思い出を作るその助けとなる記事にしました。
コクワヒラタ採集関連記事
pljbnature.com
2025年はヒラタ採集も行っています。ヒラタ採集にスポットを当てたものです。
pljbnature.com
メス編です。オスよりもさらに難しくなり、知らないと野外でコクワのメスかとがっかりすることになります。必ず判別点を知っておきましょう。
pljbnature.com
ヒラタを捕まえたいならば越冬する生態と前年の羽化に関する生態を知っておくべきです。他では学べないヒラタの羽化時期について紹介。
pljbnature.com
黒いクワガタは身近では計5種います。コクワを除いてその殆どが珍しい種類ですが、違いを抑えておくと意外な場所で遭遇できるかも知れません。
pljbnature.com
ヒラタコクワは5月頃からの採集が一般的です。成虫が越冬するためです。他よりもシーズンインが早いため、もうまもなく採集時期が始まります。
pljbnature.com
ちびヒラタを相模川にて捕獲した記事です。河川敷採集のイメージを学ぶのに最適です。
pljbnature.com
ヒラタがいる可能性のあるオニグルミという河川敷の優占種について紹介。