コクワとオオクワの違いとは?
昆虫採集シーズンに入り色々なクワガタを捕まえるのが楽しい時期になりましたよね。

特に見つけやすいクワガタが黒く平たいものが多いため、中にはこれってオオクワガタなんじゃないのか?と思ってしまうビギナーの方もいるかもしれません。
そこで今回はコクワガタとオオクワガタのオスに焦点を当てて比較していきたいと思います。
コクワガタとオオクワガタの体長の違い
この2種は学名からドルクスという愛称で呼ばれている似た雰囲気のクワガタです。

コクワガタは小さい意味を、オオクワガタは大きいという意味を持っている通り2種は自然下におけるサイズの差が非常に大きいため、まずはそこの違いを理解されることをお勧めします。
コクワガタは自然下のギネスが54mm,オオクワガタは76mmです。

自然下では基本的にコクワは45mm程度、オオクワは私の採集歴はありませんが60mm程度を目安としてそれ以上の大型個体には遭遇しにくくなると考えられますので、平野部で50mm以下の黒いクワガタを見つけた場合にはコクワガタを疑うのが最優先です。
コクワガタとオオクワガタの顎の違い
とはいえ平野部においてもオオクワが見つからないという場合も0ではありません。

そこで2種類の顎の違いに注目して比較していきましょう。
コクワガタとオオクワの顎は雰囲気こそ初心者には似て見えます。

手持ちのオオクワが大歯のみなので今後手元に中歯やそれ以下の個体がくれば追加していこうと思います。
大歯のオオクワは50㎜の後半程度のサイズ感からなるので前述の通りそのサイズでも判別ができます。
また、顎はとにかく太く剛健という言葉が似合います。
歯の途中につく突起、内歯はそれぞれ斜め上に牙のようについており、顎全体が緩やかな曲線を描きながら2対の牙のように見えます。


とにかく顎も内歯も太いです。
コクワガタの大歯はおよそ40mm程度から見られるものとなります。大歯のコクワにも2対の内歯があるのは同じなのですが、中央部にある内歯はオオクワ程の曲線は描がきません。
先端の1対は特に45mm以上の大型になると強く内側に曲がってくるため、ここの曲がり具合が目立ちます。
コクワガタとオオクワガタの幅の違い
2種類の黒いクワガタなのですが、顎の太さが違うことはもちろん横幅も大きく違います。

これこそまさに小さいクワガタと大きいクワガタの由来です。
オオクワガタの60mm以上の大歯個体は大人の人差し指と中指をくっつけた位の非常に太い幅があります。

コクワの大歯と比べれば2倍~1.5倍ぐらい大きさが違うことになります。
横幅はこの2種類を見分けるうえで非常に役に立つ判別ポイントと言えますので覚えておいてください。
コクワでもオオクワでもない黒いクワガタは?
この記事を読んでいる人の中にはコクワとオオクワの顎や横幅については分かったけれども目の前のクワガタがどちらにも当てはまらないという方がいるかもしれません。

その場合には恐らくヒラタクワガタの可能性が高いと思われます。
ヒラタクワガタはコクワやオオクワと同じドルクスの仲間であり、体長が最大7㎝にもなる大型種です。
体長が5cm以上でオオクワの顎と一致しない場合にはこのクワガタを疑ってみましょう。
オオクワとヒラタを比較した記事もありますので、気になる場合には参考にしてみてください。
コクワとオオクワの似ている点
同じドルクスの仲間としてこの2種は性質的に似ているところがあります。

まずは隠れるのが大好きという点ですね。
どちらも日中はマットや敷かれた隠れ家の下などに潜んでおり、姿を見せることは殆どありません。
性格もどちらも臆病ですが、オオクワガタの方が体が大きい割には隠れるのが好きなように感じます。
寿命が長いのもこの仲間に共通する特徴の一つですね。オオクワガタは2~3年程度の寿命と言われていますが、4~5年も生きた個体がいることも知られています。
コクワでは1~2年程度ですから体の大きさで寿命の長さも多少異なるようです。
コクワとオオクワ、出現場所の違い
現在の自然に置いて黒いクワガタを目にした場合にはそのほとんどはコクワガタであると考えられます。特に都市部の平地でオオクワが見つかることは殆どありません。

コクワガタは平野部から山地まで非常に幅広く出現する身近なクワガタです。
オオクワガタはかつての里山環境や薪炭林環境で出現した台場クヌギを利用したり、自然豊かなブナ帯があるような標高がある広い森に部分的に出現します。

身近な環境である里山の衰退と、薪管理の減少によりオオクワの好む環境が減っていることからもオオクワガタが平野部で見つかる可能性は関東圏においてはかなり薄い可能性となります。
ですが、時折オオクワの報告が上がるのです。なぜでしょうか。
オオクワガタが近場で見つかってしまう
オオクワガタは今でこそ採集できる場所が限られてきていますが、かつては普通種であった可能性が高いです。現在の平野部でも各地で記録があったほどですからね。

今平野部でオオクワが見つかる場合には飼育品を野に放ってしまったものが見つかることが殆どであると思われます。
オオクワはその人気と、繁殖のしやすさからクワガタの中でも特に人気が高く、ブリードもたくさん行われています。

夏場には手ごろな価格で入手でき、夏の終わりに可哀そうだからという人間のエゴで身近な環境に離されてしまったり、中にはオオクワが増えてくれたらいいなという気持ちで放している人もいるようです。
こうした個体が偶然採集の現場で見つかることで偶発的にあり得ない環境でオオクワが見つかってしまうのです。


なので基本的には薄い可能性なのですが、都市部などである程どういう訳かオオクワが見つかってしまう可能性があります。
ですので都市部などにおいても見つかるのはコクワであると断言することはできません。
今回の記事を活用していただければ身近なコクワと珍しいオオクワの違いそしてそれを取り巻く出現の背景についてはバッチリだと思いますので、違いを理解して夏の昆虫採集を楽しんでいきましょう。
クワガタの見分け関連
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クワガタの見分け方もいろいろな記事があります。