夏の日本の代表的な昆虫
セミは日本の夏の風景におなじみの昆虫です。

種類を知らなくても声は聞いたことがあり、暑さを感じたり子供のころの体験を思い出したりしますよね。
少し遭遇するのが難しく、憧れを持つのが透明な翅をもつセミたちです。ここでは夏に役立つ透明な翅をもつセミの仲間を一部紹介していきます。
私も捕まえたことがない種類もいますが、それは名前だけでも紹介しておきます。
セミの共通知識として
セミはカメムシ目セミ科の昆虫のことを指します。

足は6本、翅は4枚、口吻(こうふん)と呼ばれる針状の口を持ち、これを植物の内部組織に差し込んで栄養を吸います。
出現は種にもよりますが早い春ゼミで5月、遅いチッチゼミが10月頃まで見つかります。
通常10月中旬ごろに最後のセミが鳴いているのを毎年目にしています。
幼虫は土中に生息し、種により成虫までの年数が異なります。
数年かかるものが多く、大人になるまでのサイクルが長い昆虫の代表ですね。


種類には透明な翅をもつものと色を持つ種類がいます。
世界的に見ても主流は透明な翅の方であり、アブラゼミやニイニイゼミのような色合いの方が希少だったりします。
ミンミンゼミ
ミンミンゼミはミーンミンミンミンミンの鳴き声でおなじみのセミです。

活動時間は主に日中で、午前中に活発な印象を受けます。
セミの仲間としてはは大型の方であり、緑色の体色と大きい体、特徴的な鳴き声により発見するのは簡単な方です。
体長は35㎜程度とそこまで他種と差が有るわけではないのですが横幅がかなりあるため、見た目以上に大きく見えますね。

色彩変異が知られており、山梨県のミカド型のように色合いが鮮やかな緑単一になるものがいます。
色彩変異型として一部が単色になるアドニス型や、全身が単色になるコンコロール型などゼミ界隈においては知られています。
ヒグラシ
ヒグラシはカナカナカナカナの鳴き声でおなじみの昆虫です。

活動時間は早朝や夕方、それから曇ってきたタイミングなどであり、林内の照度の影響を受けて鳴いている可能性があります。
体長は30㎜程度と身近なセミの中では小型な種類です。
色合いはやや赤みがかる個体が多く、似た姿のツクツクボウシとは簡単に見分けられます。
小型種であり、ミンミンゼミほどの体高もなく基本的に鳴く時間帯にはヒグラシが大合唱をしているうえに声自体も大きいため見つける難易度は高めです。
ツクツクボウシ
ツクツクボウシはオーシツクツク、オーシツクツク、ウイ↑、オイオース、オイオース、オイオース、ウイイイイィィぃ↓となく特徴的な鳴き声のセミです。

活動時間は日中ですが、出現期間がセミの中では遅く、8月下旬や9月中旬ごろにかけて比較的多く目にします。
体長は30㎜ぐらいとヒグラシにサイズ感は似ていますが、色合いが緑っぽいような苔のような特有の色合いをしています。
鳴き渡りの性質が強く、前述の鳴き声の1サイクルで別の枝に移動してしまうことが多く捕まえるのはとても難しいです。
一方で仲間の声に集まってくると言った面白い行動も見られます。時期と張り込みを徹底すれば1匹捕まえるぐらいはできますね。
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アカエゾゼミ
アカエゾゼミは標高の高い広葉樹林に出現するセミの仲間です。

エゾゼミ属の仲間で、平地で見かけることはまずない珍しいセミです。
活動時間は日中が主ですが、他のセミ同様環境に行けば夜間に鳴いていることもあります。
体長は40㎜程度と大型で、名の通り赤っぽい体色をしていることが多いです。
一方で緑色のエゾゼミにそっくりな体色をしたものもおり、その判別には悩まされることがあります。翅の模様が2つならアカエゾ、4つならエゾゼミと見分けます。


鳴き声は機械音声的なギーという音を出し続けます。およそ標高1000m程度の環境ではエゾゼミ属の仲間がよく鳴いています。
色彩変異にもとても富み、通常腹部が黒いものがオレンジになるアドニス型、全身オレンジのコンコロール型が有名です。
セミの高標高種ということもあり好きな人も多い人気のセミですね。
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エゾゼミ
エゾゼミはエゾゼミ属のセミの1種です。

平地で見かけることは無く、モミが出現するような山地に行くと最もよく目にする緑色をしたセミの仲間です。
生息域ではモミという針葉樹の枝先の高い所に張り付いており、鳴き声や姿こそ見れても捕まえるのになかなか苦労するセミですね。
体長はエゾゼミとおおよそ同じである40㎜程度で翅を含めると60㎜を超える大型種です。
鳴き声は機械的なギーという音で、声は非常に大きく、高い所で鳴いているため姿を特定することはなかなかに厳しいです。
体色は変異に非常に富み、アカエゾゼミのようなものから緑が強いもの、黄色みが強いもの、黒っぽいものなどがいます。
ミンミンゼミのミカド型のような特殊な色合いのものがおり、新潟県にでるエチゴ型のような特殊な地域変異のものもいます。
色彩に富むため、コレクション性が高く人気のセミです。
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コエゾゼミ
コエゾゼミはエゾゼミ属のセミの1種です。

アカエゾとエゾゼミが似た種類であるのに対しコエゾゼミは一回り小さいために判別は簡単にできます。
鳴き声はギー↑と機械音的であるため、エゾゼミ属の鳴き声での判別は連弩が求められます。私は分かりません。
体長は35㎜程とエゾゼミより一回り小さいです。これに加え胸部にある黄色い線形に模様が両端で途切れるという分かりやすい特徴があります。
生息域は標高700m位から2000mクラスの山地であり、低地で目にすることはありません。夏の旅先で遭遇する特別なセミですね。
エゾゼミの仲間は交尾をV字状ですると言う面白い特徴があります。偶然それが取れまして、それが唯一のコエゾゼミの写真となります。
エゾゼミと同じく枝先についていることが多いらしく、この時もそうでした。エゾゼミ程変異は見られません。
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クマゼミ
クマゼミはクマゼミ属のセミの1種です。(写真はいまのところなし)
退潮が45㎜程と非常に大きく、横幅も広いため日本のセミの中でも特に大きな印象を受けるセミです。
南方系の種類であり、私の神奈川県では2006年ごろに鳴き声が確認され今現在では広く確認することができます。
鳴き声はシャアシャアと非常に大きく、セミ類の中でも群を抜いて大きな声をしていると思います。
出現は真夏の7月中旬から8月中旬ぐらいまでが多く、ツクツクボウシのように鳴き渡りをする性質があります。
活動時間は午前中の早い時間であることが多く、6時30ぐらいから10時ぐらいにかけて活発に鳴いていることが多い印象です。
今現在、温暖化によって分布の拡大が懸念されている種類ですね。
私が知り合った静岡の虫屋さんがクマゼミとミンミンゼミが棲み分けをしているという話をしてくださいました。
クマゼミの分布が拡大してミンミンゼミが減ったとの話もありました。真偽は不明ですが、セミ界隈にもいろいろな戦いがあるようです。
ハルゼミ
ハルゼミはハルゼミ属のセミの1種です。(写真は今のところなし)
松林を始めとした針葉樹林に5月や6月頃出現します。
体長は20㎜の中盤から後半程度と小柄であり、出現環境と時期によりいるならばその存在を知ることは簡単です。
一方で松林の減少などを背景としてその個体数は減少傾向にあります。
高標高地に出現するエゾハルゼミはツクツクボウシに似たセミですが、1000m程度のブナ帯に出現することや6月頃に出現することから簡単に判別することができます。
今回は透明な翅をもつセミの仲間を一部紹介しました。セミ類の亜種やチッチゼミのような希少種などを含めるとセミも実に奥が深いですね。
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