近づいても逃げない不思議なハト
ハトといえば日常生活でもおなじみの最も身近な鳥の一種といえます。

ちょっと紫っぽい色合いをしてふっくらとした姿が目に付き、電線の上や時には電車のホームなどでもよく目にしますよね。
うわぁハトだと思ってみればそのハトは逃げるどころか時には人に近づいてくることもあり、生き物が苦手な人からするとなんで近づいてくるの!怖い!と思ってしまいますよね。
そこで今回は近づいてくるハトの不思議について考察していきましょう。
ハトとは?
ハトはハト科の鳥の仲間の一種です。

日常で目にするスズメなどとは異なるふっくらとした見た目と頭を振りながら歩く特徴的な歩行、胸部が目立つ鳩胸に鳥のサイズの指標として使われる物差し取りなどなどなかなかにユニークな要素を兼ね備えた身近な鳥です。
色味は紫とグレーを混ぜたような特有の色合いをしており、ドバトでは白い色合いが目立ちキジバトでは紫が目立ちます。
身近ではこのドバトとキジバトの2種類がおり、ドバトは都市部、キジバトは自然というように言われることもありますが実際にはキジバトも最近は都市部でも見られます。


食性は雑食であり、木の実や穀物、昆虫類など広く食しているものと考えられますが都市部においては人の食べ残しをついばんでいたりパンにより餌付けされていたりするケースも多く道路上を始め街中でもよく見つかります。
フクロウのようにホーホーと鳴いていたり、早朝によくその声が聞こえることから朝うるさい鳥として認識されていたり、大きく羽ばたくので人を驚かせたり、30㎝程度とサイズも大きいことから時に怖がられたりしています。

また、都市部においては鳥の糞による爆撃もよく行われる鳥であり、私も被害にあったことがあります。
ある意味都市部で適応したからこそ多くの生き物に慣れていない現代人を驚かせている鳥といえるでしょう。
逃げないハトのなぜ
ハトは道路上や緑のある公園、芝生の上、植木があるような道、電車のホームやバスロータリーなどなど人工物や人の活動がある場所でもよく目にします。

そんな場所でハトと遭遇しても逃げる個体は少なく、時には人に近づいてくる個体もおり、慣れていない人はそのハトの図々しさにこっちに来るな!と内心びびってしまうはずです。
ハトはなぜ逃げないのでしょうか?
水槽で飼っているお魚が人が近づいただけで水面に来るように、川にいる鯉が人影を見ただけで口をパクパクさせるようにハトもまた人という姿を認識すると誰かから餌をもらった経験を思い出してこの人もご飯くれるかもしれない。と考えている可能性が高いです。

逃げなくても人がいる所ではパンくずを始め人の食べ物のおこぼれにありつけることが多く、食べ物の味を覚えて簡単にありつける場所としてその場所に定住しているんですね。
私の体験を例にすると桜の時期に行く河川敷にて毎年パンを買いお花見をしているのですが、桜を見ながら食事をしているとハトに囲まれていることに気が付きました。
周囲にいるハトは6~8羽ぐらいいたと思います。

このハトらはハト界のギャングのような奴らであり、なんと図々しくも人が座っているベンチの背後から忍び寄り手に持っているパンをつつきに来たのです。
恐らくそうした成功体験を持っていたり、花見に来るような客たちは日ごろから生き物に触れる機会がない方たちがほとんどであるためにこいつも簡単に取れそうだぜと近づいてきたのでしょう。
しかしハトたちは瞬時に気が付いたはずです。この人は背後から近づいてもパンを食べられなさそうだと。

私はトンビがいるような場所で食事をしたりすることも多いですから、食事中の警戒心は訪花したアゲハチョウのように手でつかめるほど油断していません。
ハトたちが近づいてくる気配はとっくに感知していましたから、ビビらせてやることにしたのです。
ハトVSホモサピエンス
ハトは数匹で周囲を囲み食事の機会を狙っています。

この接近の感じを見るに彼らはパンをつついたか近づいたら人が逃げると認識しているようです。
土地柄か反撃されることはなかったのでしょう。
ハトが遠慮なく近づいてきます。こちらは花見の食事を邪魔されて絶対に許さんという気持ちです。

ハトが近づき、私のリーチに入ったところで瞬間的に手を伸ばしハトの首を掴みにかかります。首をかすめたものの掴むには至らずハトはギリギリのところで危機を逃れました。
が、ハトは意外に賢いのかこいつはこれまでとは違うとでもいうかのように私のパンを狙うことをやめたのです。しかも単体ではなく集団で。
花見の食事をかけたハトとホモサピエンスの戦いは初手の一撃で終わったのです。
これらの経験からハトにも学習能力があり、その場所での成功体験に応じて接近の度合いが変わる可能性があると考えました。

ハトが逃げないのはあなたが人間としてご飯をくれそうな人として認識されているからです。
個人ではなくその地のホモサピエンスがそうした餌を与える行動をとることでその地のハトがこのフォルムの生き物は危害を加えてこない。それどころかご飯をくれると捉えている可能性があります。
逃げるハトと逃げないハト
ハトの接近は山地から都市部まででかなり変わることが実際にいろいろな土地に行ってみるとわかります。

逆に山地ではハトは10mも近づけば逃げて行ってしまいます。人が餌ではなく危害を加えるかもしれない恐怖の対象となっているからです。
リス園のリスが人にたかるように、ハムスターがエサ皿を覚えるように、ハトは人という形を餌がもらえるなにかとして認識しているのかもしれません。
一般的にはドバトは都市部に多くキジバトは自然のある場所にいるため、近づいて逃げないのがドバト、逃げるのがキジバトというように思われがちですがそんなことはなく、都市部にいて人慣れしていればドバトもキジバトも近づいても逃げませんし、逆に人のいないところではドバトもキジバトも10mも近づけば逃げてしまいます。


ハトに限らずカラス、スズメ、ハクセキレイ、ヒヨドリなどの都市部でのおなじみの鳥にも同じ傾向が見られることからもこの性質はハトのみに見られるのではなく、人間との距離感で形成される可能性が高いと考えられますね。
都市部でハトが近づいてきてけりを入れたり危害を加える人というのは倫理的にもなかなかいないと思います。
そうした安全な生き物として認識されるとハトはやがて逃げないどころか近づいてくる、時には襲ってくる生き物へと変化します。
同じような行動は観光客により餌付けされたサルなどでもいつは見られるんですよね。

適度な距離があったサルが餌付けされやがて人から食事を奪う、北海道のヒグマが最初は人を恐れていたものの車から餌付けされ、飯の味を覚えてしまう。やがて人の食事を求めたり、距離が縮まり事故が起きる。
このように実は接近してくるハトというのは規模が変われば日本の自然ですでに起こっている動物由来の事故などにつながっているのです。
そのハトに対する感覚は攻撃性のないハトだから反撃がないだけであり、近づいてくる動物はかわいいとハトは人懐っこいと考えてしまうのはとても危険です。
生き物との適度な距離を保つことを忘れないようにしつつ、近づいてくるハトにはちょっと怖がらせてやるぐらいが彼らのためでもあると私は考えますね。

皆様も近づいてくる動物にはいい距離を保つ意識を持つことをお勧めします。
今回は身近なハトを例として近づいてくる理由やそうした生き物と人との距離について紹介しました。
同じように身近な現象を考察していく記事もいくつかありますので、楽しめた方はぜひそちらも読んでみてください。
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