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非常に大きなタンポポの正体は? タンポポみたいな花をつけるブタナという植物

タンポポの花だけど巨大!

春から初夏頃にかけて緑のある場所を歩いているとスラリと立ち上がる非常に巨大なタンポポに遭遇することがあります。

背丈の低いたんぽぽ。これがセイヨウタンポポ。

春だねぇとタンポポを愛でようとすると随分柄が長く、タンポポって大きいんだねぇと知らぬ間の成長にびっくりしてしまうかもしれません。

この植物の正体はブタナ。花こそタンポポにそっくりですがあらゆる点でタンポポとは異なる植物です。

ブタナとは?

ブタナはタンポポと同じキク科の植物です。

ブタナの花の写真が全然ない。イメージとしては茎がやたらと長いたんぽぽという感じ。

高さは開花期に50~60㎝程度で大人の膝位の大きさがあります。

花は黄色で、舌状花(ぜつじょうか)のみとここもタンポポと共通しています。

葉は少し革質で特有の光沢と厚みがあり、地面にべたりと張り付くように見られます。その中央から長い花茎を伸ばし、花を付けます。

ブタナは外来種の植物であり、主に日当たりのいい草地環境に出現します。受粉は虫に頼っており、種ができると綿毛上の種子を飛ばし新たな環境に侵入します。

巨大タンポポに見えるわけ

ブタナですが、タンポポモドキの異名があることからも昔からタンポポに間違われていたことが分かります。

知らなければたんぽぽにしか見えないであろう

タンポポとの共通点を見ていくと実はかなり似ていることが多く、葉は地面にべたりと張り付くこと、その中央から花茎を伸ばし花をつけること、花の構成が舌状花(ぜつじょうか(舌のような多数の花の集合体))であること、種子も綿毛であること、花の時期がおおよそ近しいこと、などなど多数の共通点を上げることができます。

これにより植物にあまり関心がない人にはタンポポにはこんなに大きい種類もあるんだねぇという風に映っており、外来種でありながら在来種のような顔で当たり前のように我々の日常になじんでいます。

タンポポとの違い

そんなブタナですがタンポポとの違いも見られます。

タンポポとブタナは花の密度に大きな違いがある。茎が複数に分かれるブタナのほうが密度が多い。

タンポポは通常花茎の先に一つの花をつけるのに対し、ブタナは花茎が複数に分裂するため、1つの花茎の先に複数の花を付けます。

2種はタンポポがタンポポ属、ブタナがエゾコウゾリナ属ということでこの花の違いが属の違いかと推測したのですが、エゾコウゾリナはタンポポと同様に花茎の先に一つの花をつけるようなので詳細な属の違いは私の知識では不明です。

ブタナはどこに生えているか

ブタナですが、見ている限りでは乾燥地に生えていることが多い印象を受けます。

ブタナの地上葉。かなり日当たりのいいところを好む。

日当たりはかなり好むようですが、ススキなど背丈の高い植物がある場所ではあまり見られず、どちらかというとそうした植物が入り込んだ縁に侵入している印象があります。

コンクリートの割れ目などに侵入している様はまさに他植物が利用できないニッチを活用していると言えます。

造成地、埋め立て地、工事後、道路沿いなどなど王道の外来植物出現ルートに出る

外来種の植物であることからその侵入は工事後や道路などの舗装など土砂やダンプなどが入る環境に出現する傾向があります。

これは外来種の王道侵入経路なのですが、持ち込む土砂に種子などが混入していて生えてくるというものです。

また、こうした工事後の場所はむき出しの環境になることが多いので、種子が定着しやすいという傾向も見られます。そして一度定着するとキク科特有の綿毛による散布でエリアに高密度で見られることがあります。

都市部ではコンクリの隙間などに生えていることも。

厄介なのは葉がほとんど見えないことであり、一見すると花茎と黄色い花しか見えない状況はよく目にします。
近づいてみれば足元には革質の葉がびっしりと生えているのです。

花茎が50㎝くらい立ち上がるので、群生しているとそれなりに綺麗なのが複雑な気持ちですね。

ブタナの花茎はなぜ巨大なのか

ブタナの花茎はキク科植物の中でも以上に大きいです。ここにブタナの生存戦略を見ることができるのではないかと思います。

背丈の低いたんぽぽはいわゆるダーウィンの進化論でいう首の長い個体のキリンであると考えられる。

以前タンポポの中には花茎が長いものと短いものがあるということを紹介しました。ブタナはいうならば身長というパラメーターにステータスを特化した植物なのではないかと思います。

学術的なものではなくあくまで私の妄想ですが、ブタナの花茎はキリンの首が伸びたものと同じ説明ができると思われます。

すなわち背丈の低いタンポポを始め、身近に生える植物には踏圧という踏まれることで潰されてしまうリスクがあります。

この葉の形状も踏圧にかなり強いものになっている

タンポポの花茎が全くないものはその踏まれることに耐える構造を見出し、適応したものであると考えていますが、ブタナは逆に巨大になることでこれを避けたのではないかと推測します。

つまり昔ブタナには花茎の低いものもタンポポぐらいのものもあったものの、踏圧により背丈の低いものは淘汰され、結果的に花茎が長いものが生き残ったとするものです。

ブタナぐらい花茎が大きくなるともはや踏むというよりも避けてしまうんですよね。なぜなら花には虫がついていることが多いから自然とそれをよけてしまうんです。

花茎が高いことで風散布の種子が飛びやすいなど利点があると思われる

こうして生存する機会が増えると種を残せる機会も増え、綿毛による高い位置からの拡散によりブタナは現在に至るまでの一大勢力を築き上げたのではないかと考えます。

タンポポモドキの異名の通り彼らは大きなタンポポとして人の生活に当たり前の存在としてなじんでいるんです。ある意味見事な戦略ですよね。

巨大なタンポポを見つけたらぜひ注目してみてください。

ちなみにほかのものとしてはオニノゲシやノゲシ、コウゾリナやジシバリなどの種類が大きなタンポポみたいな花として名を上げられます。

オオキンケイギク。巨大すぎるがタンポポではない。

また、オオキンケイギクという植物も近年よく見るようになりました。

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