木のようにしっかりとした茎を持つ雑草
自然の中にはいくつもの植物がありますよね。

しかし中でも特に目立つのは太い茎を持ちまるで木のように成長していく植物ではないでしょうか?
その中には草本でありながら木のように太いものもあれば、実は木本だけれども雑草のように身近に入り込んでいるものもあります。
そこで今回は身近で見られる木のようにしっかりとした茎を持つ植物の中から16種類を紹介していきます。
もちろん植物の紹介だけでなく、それを利用する生き物など多角的に植物を知ることができますよ
タケニグサ
タケニグサはケシ科の有毒植物の一種です。

竹のように太い茎を持ち、成長速度も速いことや荒れ地や開発の跡地に入り込むパイオニアの性質を持つため街中であっても見かける機会が多いはずです。
茎は緑と白を混ぜたような色をしており、葉は表は緑裏は白。
そして掌を広げたような切れ込みが入る大きな葉が特徴的であり間違えようのない植物と言えます。

ケシ科の植物は有毒種が多く、その汁にはかぶれたりかゆみを伴う成分が含まれていることが多いです。タケニグサも同様に傷をつけるとオレンジ色の汁を出します。有毒とされていますので生えやすく除去が困難で放置しておくとどんどん場所を占有していくな厄介な植物です。
タケニグサは山地に面したエリアにも広く分布しており、シカが好まない植物として非常に有名です。
シカのいるエリアでは下草が全滅し、生えているのはタケニグサにゼンマイやワラビ、テンナンショウなどの有毒植物まみれであるというのは日常です。
逆に言うとシカに食べられないのでどんどん分布を拡大し安定して定着しているともいえますね。
ビロードモウズイカ
ビロードモウズイカは道路や高速道路、工事の跡地などを中心に見られるゴマノハグサ科の大形の草本です。

木のような植物の名にふさわしい対象と言えますね。
なんといっても最大の特徴は大きさであり、花期を迎えたビロードモウズイカのサイズは人をもはるかに超える2mになるものもいます。
こんな見た目で草だというのだから驚きです。
ビロードモウズイカはヨーロッパなどに自生している外来種の草本です。

花茎が立ち上がる夏季に非常に目につきやすくなりますが、休眠状態や伸びる前の時点でも葉の大きさは巨大であり、伸びる前の時点でも葉の大きさは大人の顔を超えるぐらいの大きさがあります。
この葉には毛がびっしりと生えており、水滴を弾く機能があります。
ビロードモウズイカの葉は幹の軸を中心に放射状に出ており、水が葉につくと毛で弾かれて根元に届く仕組みとなっています。
非常に優れた戦略と言えますね。
セイタカアワダチソウ
セイタカアワダチソウはキク科の侵略性が強い植物です。

なんといっても他の植物の生育を阻害するアレロパシーで有名な植物であり、強力すぎて最終的には自分も枯れてしまうと言います。
セイタカアワダチソウは春から大変旺盛に生育し晩夏から冬の始まりにかけて黄色い泡のような花を付けます。
背丈は2mに届くほど大きくなり、周辺のエリアを占有するためとても目につきます。

セイタカアワダチソウはもはや町中でも普通に見る植物となりましたが、花粉症の原因という訳でもなく、花の少ない時期の蜜源としてハチ類やチョウ類など多くの昆虫が利用しているような側面があります。
在来植物が減り外来や園芸植物がそのポジションに成り代わっています。
一方でこのセイタカアワダチソウに付属してきたセイタカアワダチソウアブラムシのようにこれまでなかった別の昆虫などを持ち込んでしまうリスクも持ち合わせているのがこうした状況の怖い所です。
オオブタクサ
オオブタクサはキク科の外来種の植物です。

伸びると2mをも超える大きな姿で木のような雑草と間違われやすい種類であるかと思います。
オオブタクサは一見すると若い木と間違えてしまうぐらい幹も太く、群落を形成する能力も高いです。
また、ブタクサ花粉症の媒介人であり河川敷や荒れ地で大群落を形成しエリアを占有していることも多いです。
オオブタクサの恐ろしい所は水による散布能力を持つことで、上流域などに入ると下流へと種子を供給し続けます。

また、生存能力が日本の草本よりも優れている面があり、在来種が繁茂し始める4月以前の3月から発芽し旺盛に生育します。
すなわち在来種の群落でより優位な立ち位置を早く確保し、他の植物への太陽光を奪ってしまうことから在来個体群を外来個体群へと塗り替える可能性があります。
侵略性の強い植物ですね。また、ブタクサハムシのように外来種に付属する外来昆虫を持ち込んでいます。
オオアレチノギク/ヒメムカシヨモギ
オオアレチノギクとヒメムカシヨモギもキク科の草本外来植物ですが、より町中の身近な環境に出現する場合が多いです。

背丈は人と同じか高いこともあり、キク科のタンポポでおなじみの綿毛の散布のように大量の種子を風で散布しコンクリの隙間や緑のある場所に定着しています。
これらのお花はタンポポのように満開になることは無く、先端が色づいたような時点で開花している状況です。
キク科の仲間にはこのような花を咲かせるものがいくつかあるのですが、この2種類の外来種は最も身近な萎んだように咲く花のキク科として名を挙げられます。
ノゲシ
ノゲシはキク科の草本の一種です。

主に春先から夏前程度の時期にかけて草地やその辺の植え込みなどに出現しますが、タンポポと同じように綿毛で散布するためにコンクリートの隙間なども入ってきます。
これにより身近な環境でもよく目にすることができます。
ノゲシの茎や葉は身近な草本の中でも特に太く木のような雑草として目につくはずです。

類似種には棘のあるオニノゲシがありますが、とげの有無などで簡単に見分けられるはずです。
ヨウシュヤマゴボウ
ヨウシュヤマゴボウはヤマゴボウ科の有毒植物の一種です。

そう街中でおなじみのブドウみたいな実を付けている美味しそうなあれです。
毒草なんですね。草本でありながら茎も太く木本のような雰囲気を持つ本種ですが、やはりパイオニア的な側面があり開発跡地や道路沿いなどに広く見られます。

高さは大きいもので人を容易に超える2mのものもあり、純粋な2m垂直たちと異なり実が垂れ下がることや毒々しい色も相まってやたらと目につく植物と言えます。

町中に生えることとブドウにそっくりな見た目を持つことから帰り道の小学生などが誤食して中毒を起こしたり、過去にはこの果実を誤食した集団食中毒の事件などがあったりします。
分からないものは食べないようにしましょうね。
一方でタケニグサやトリカブトなど毒草に比べると毒性は弱いらしく、哺乳動物のシカは平気でこの植物を食べます。
人は痙攣したり死亡するのに不思議なものですね。
果実は色味が強く服などにつくとお母さんに怒られますよ。遊ばないようにしましょう。
アカメガシワ
アカメガシワはトウダイグサ科の木本の一種です。

木本なのですが山地に必ずあるわけではなく意外と町中などにも生えてきます。
その性質はお馴染みのパイオニア傾向が見られ、開けた空間に入り込んできます。
パイオニア故成長が早く雑草が出たと思ったらあっという間に成長し、木へと変わっていきます。
木のような雑草ではなく木なんですけどね、コレ。

トウダイグサ科の植物であることから毒があると思いますが、アカメガシワには毒性が無いとされています。試す勇気はいですが食利用などできるようです。
新芽の時期に赤い芽を出すことから赤芽の名がついており、魚の赤眼のように見た目がそのままつけられている面白い植物です。葉には柏餅のカシワのようにざらついた特有の感じがあります。

マイナーながら非常にいい虫がつくことで知られており、洞にはヒラヤマコブハナカミキリという珍品が、枯れるとトラフホソバネカミキリというかっこいいカミキリが、葉にはムネアカチビナカボソタマムシという綺麗なタマムシが付きます。

カミキリやタマムシが好きだといつか探しまわることになる木です。
カラスザンショウ
カラスザンショウはミカン科の木本の一種です。もはやお馴染みのパイオニア植物です。

山地の沢沿い谷沿いに多い植物ですが、街中でも意外と見られます。
幹から枝にかけて無数の棘があり、街中でそんな植物はあまりないですから見分けは簡単です。
成長が早く雑草かと思ったら気になっていることが多いですね。アカメガシワとは葉の付き方で判別が可能です。

カラスザンショウは羽状複葉という特殊な葉の付き方をしています。
カラスザンショウはアゲハ類の食草として利用される他、花が咲くとチョウ類ハチ類甲虫類が広く飛来します。

更に果実ができると多くの鳥類が種子を食べに来ますので意外と多くの生き物が活用している木だったりします。
代表種でいえばカラスアゲハが挙げられますね。
植物としては山菜のタラノキに似ており、山菜取りはタラの芽だと思ってカラスザンショウに近づきふざけるな!と時に怒りを覚えます。
ニワウルシ
ニワウルシはニガキ科の木本の一種で、やはりパイオニア植物です。

身近に見られ成長が早いとなるとやはりパイオニア植物が中心となります。
ニワウルシはウルシと付きますがウルシ科の植物ではありません。
葉はカラスザンショウと似た雰囲気を持ちますがトゲを持たない点で見分けられると思います。
ウルシの仲間との見分けは初心者には難しく、間違えるとかぶれて大変なので除去する場合には気を付けましょう。

ニワウルシにはシンジュサンやシンジュキノカワガという蛾の仲間が利用します。
ニワウルシは別名シンジュという名があり、この名が虫の名がつけられています。

シンジュキノカワガは通常木の皮に紛れていますが、後翅に大変美しい模様を持つ偶産的な飛来で見られる美麗な昆虫です。
ニワウルシを利用し、関東近辺では目撃例が近年増加している非常にホットな昆虫が利用していますね。
ヌルデ
ヌルデはウルシ科の木本植物です。

やはりパイオニア的な性質があり、開けた空間や林縁部でよく目にします。ウルシの仲間であるため、他のウルシ類よりは強くないとされるものの皮膚が弱い方などはかぶれる可能性があります。
葉は前述のカラスザンショウやニワウルシに似ており、羽状複葉をしているパイオニア植物として目にする機会は多いです。
やはり成長が早いので立派な雑草のように思われる方も多いはずです。
葉にはギザギザとした鋸歯があるため、分かりやすいといえますね。

ヌルデには一部のカミキリムシ類がやってくることが知られており、中でもヨツキボシカミキリはヌルデをホストとする人気のカミキリムシの一種です。
葉脈を食べる種類であるため、この虫がいるとヌルデの葉の脈が茶色く変色しているために分かります。
また、ヌルデをホストとする虫にはイッシキキモンカミキリという人気種もおり、幼虫がヌルデ、成虫がクワを食べるという面白い生態をしています。
クサギ
クサギはシソ科の木本植物の一種です。

やはりパイオニア的な性質があり林縁部に街中などでも目にする機会があります。
成長が非常に速く雑草のようでありながら木のように太く素早く伸びてしまいます。
クサギはシソ科に由来するのか特有のピーナッツのような香りがあり、新芽の季節にはてんぷらなどにして食べることができます。
軽いエビせんのようなふわふわとした食感と特有の香りが癖になる好きな人は好きな味わいです。

葉は丸みを帯びておりスペードのような見た目をしています。
花期は8月程度となりますが、このお花は非常にチョウ類からの人気が高く、アゲハチョウの仲間がとにかくやってくる夏のお花として活用することができます。

ほぼすべての種類が見られるアゲハ類の夏のオアシスです。
それ以外ではあまり虫を見かけません。実がピンクの星形をしていてとてもかわいい点は伝えておくべきでしょう。
ヨシ
ヨシはイネ科の草本で背丈が2mをも超える巨大な植物です。

水辺に生える大型植物を見つけたらヨシの仲間を疑っておけば大体よく、ヨシかどうか分からなくてもイネの仲間と行っておくと大体当たっています。
ヨシは草本でありながらもタケノコのように非常に幹は硬く、長靴などでも運が悪いと貫通しかねない鋭さを持ちます。
葉にはイネ科特有のケイ素に由来する頑丈さがあり、人の肌を容易に切り裂くため切り傷に気を付けなければなりません。
イネ科草本はその葉の硬さをケイ素により得ているため、土中のケイ素を集めやすいという特徴があります。

栄養豊富な土がある穀物帯がイネ科の草原であるように(雨などの要素もあります)ケイ素が吸収されると土中のアルミニウムがケイ素と結合しにくくなり、土壌を豊かにする腐食の形成を助けるといわれています。
ヨシにそのような機能があるのかは不明ですが、イネ科の草原が豊かな穀物地帯を作ることは調べてみると面白いですよ。
ヨシなど木みたいなイネ科が生える場所は繊維が進みやすい環境であり、湿地性の昆虫など貴重な生き物が生息していることが多いです。
カラムシ
カラムシはイラクサ科の草本です。

日当たりのいい斜面や林縁部に群生していることが多く、背丈も大きいために木みたいに見える雑草といえます。
カラムシはふさふさとした雰囲気が特徴的で、草本にしては葉も大きく目立ちます。
茎が非常に太く印象づきますが、昔はこの茎を採集して紙などに活用していたようです。現代ではそのようなことをしているのか不明です。
カラムシはいくつかの昆虫類が利用している植物です。代表的なものは外来種ですがラミーカミキリでしょうか。

青と黒が綺麗な中型のカミキリムシです。よくカラムシの葉の上にいます。
また、フクラスズメの幼虫が利用していることも多いです。

緑と黒の大きな毛虫を見つけたらカラムシがあるもしくはカラムシにいる場合が多いです。
アカタテハの幼虫もカラムシを活用していることががありますね。
カラムシで3種の昆虫がぱっと思いつくように身近な植物でも知らない小さな虫たちが利用していることを考えると多様な草地の必要性が必要なことがよくわかりますよね。
アメリカイヌホオズキ
アメリカイヌホオズキはナス科の外来種の植物の一種です。

雑草ですが株がしっかりとしており、分岐もするため目につきます。
また、秋以降には黒いナスのような実がつきます。都市部でも最近は良く生えているために名前は知らなくても見たことはあるという方は多いのではないでしょうか。

美味しくなさそうな黒い実ですが、その通り毒草です。その毒素はジャガイモでおなじみのソラニンとされていますので、食べると食中毒に陥るというのは想像に難くありません。
ナス科の植物はこのように毒を持つものが多く、赤い実であっても有毒であるものもありますので注意が必要ですね。
外来種の植物ですが、実がころころと転がりやすいためか街中でも見かける機会が増えています。
イタドリ
イタドリはタデ科の草本の一種です。

スカンポという山菜名でもよく知られるイタドリですが、タデ科の仲間であることから酸味のあるしるっけが多く好きな人は好きな味わいをしています。ルバーブの仲間です。
茎は緑の赤色が入る独特な色合いをしており、葉っぱは大きいです。類似種はないため判別は簡単といえますね。
イタドリは生食もできるのですが、個体差なのか当たり外れが大きく私はおいしいとは思えません。
昔の太いものはおいしいという話を聞きますが、調理推奨という感じです。

イタドリは9月ごろに花を付けます。このお花は非常に虫に好まれており地域によっては貴重な昆虫が来たりもします。
昆虫採集をするならば覚えておいて損はないといえますね。
ゼンマイやワラビ
どちらともシダ植物の名前で春先に山菜としてよく親しまれている植物です。

葉を展葉すると茎もかなりしっかりとしており、樹みたいな雑草として目につきます。
どちらも根茎から立ち上がったり株が増えたりするため、たくさんある場所では植生遷移のように小さな木が乱立しているように見えるかもしれません。
どちらともシカなどに食べられない植物であることから近年シカが出現した領域の下草に見つける機会が増えてきました。
特にワラビは群生していることが増えたように思います。

シダ植物は広い葉を持つため、マダニなどが潜伏していることも多く散策していると緊張する下草といえます。
食べる場合には春先の転用する前の株をつまみ、主に茎の部分を味わいます。ワラビは粘り気がありゼンマイは特筆することがありません。どちらとも強烈な灰汁を持つため、調理もなかなかに大変です。
身近ではあまりありませんがあるところにはたくさんある木みたいな雑草です。
今回は身近で目にする木みたいなしっかりとした茎を持つ植物を紹介しました。木も含まれていますが、芽生えの時点では草本とわかりにくいものもあります。
有毒種もありますので気をつけましょう。
身近な植物シリーズ
pljbnature.com
棘植物編です。身近にあるあのトゲトゲの植物をまとめました。
pljbnature.com
白い大きな花をつける木の名前が分かるものです。身近なものからチョイスしており、利用する虫などの豆知識も学べます。
pljbnature.com
つる植物編です。ぐるぐると巻き付くあの植物の名前が分かるかもしれません。生き物との関わりも学べます。