ヤマアカガエルの飼育(卵から)
両生類は比較的飼育も簡単であることから人気の高いカテゴリーと言えます。冬季のカエルと言えばヤマアカガエル。

2月の中旬ごろからおよそ3月頃にかけて止水域の水辺に出現するちょっと赤みのあるような拳大程度のカエルです。
見つけやすく卵塊なども取りやすいことから、ヤマアカガエルの飼育をしてみたいと思う人もいるかもしれません。
そんな方に向けて卵からオタマジャクシ、そして尾がなくなり幼生のカエルとなるまでの飼育についてお伝えします。
ヤマアカガエルとは?
ヤマアカガエルはアカガエル科のカエルの一種であり、山地では普通に見られる中型のカエルです。

色は個体差が激しく赤みを帯びたい茶色のものから黒いもの、黄色いものなど個体差が激しいです。
水田や山地の沢沿いを始め湿った場所を好み、そうした環境に出現する昆虫類を捕食します。
産卵は冬季に一度冬眠から目覚め、止水域の水辺で行われることがとても多く2月の暖かい日などにはそれらの水辺から高いプカカ↑というような特徴的な声がします。

春の訪れを感じさせてくれる素晴らしい声ですね。
卵塊は基本的に初期は丸く、水を吸うことで崩れていきます。およそ1週間もすれば球形は崩れてしまいます。
類似種としてはニホンアカガエルがおり、背中の模様を除き見た目が非常に似ています。が、ニホンアカガエルの方が希少でありおおよそヤマアカガエルであることが多いですね。
卵を採集する際の注意
飼育に辺りヤマアカガエルの卵を確保する必要があります。

ヤマアカガエルは主に山地や広い森があるような環境に出現することが多いため、広い林があるならばいる可能性もありますが基本的には山よりの環境で探すようにしてみましょう。
沢のような流水息ではヤマアカガエルは見られず、落ち葉が堆積している止水域を好みます。
沼や水辺があれば注目してみましょう。また、細い沢などがあると冬季には水の流れが弱く、見つかることがありますね。
卵塊は大きいです。
卵の時点では小さいため、多めに取りたくなってしまうかと思いますが、取りたい量の1/10ぐらいの量にしておきましょう。

個体数が多いと水の汚れるペースも早くなり、事故で全滅する可能性も高くなります。20もあれば十分すぎる量です。
オタマジャクシは丈夫なのでよほどへまをしない限り死にません。
採集時には密閉できる大き目のジップロックやバケツなどを用いるとよいです。バケツ採用時には運搬時にこぼさないように気を付ける必要があります。
採集についてはヤマアカガエルの卵は新鮮なものは卵塊が綺麗にくっついています。

これをちぎってもいいのですが、既にオタマジャクシがいたり卵塊が散らばっていればそれを掬う方が楽かなと思いますね。
ヤマアカの卵塊は独特の質感で面白いので水の中で少し触れてみるのもいいかもしれません。
少なくほんのちょこっと飼育体験用に頂くように意識しましょう。
飼育容器について
卵から初期のカエルへの飼育は3年ぐらいやったことがあります。

まず容器ですが基本的に彼らは丈夫で止水という水の入れ替わりが少ない場所に適応しているため、汚れにはとにかく強いです。
容器については過去3年共にバケツで問題ありません。水についてはバケツに満タンというよりは半分程度で浅めを意識してあげるのがいいです。
水深を深くしすぎるとオタマジャクシの後半では酸素を吸いに水面に来るため、浅めにしてあげた方が気持ちよいように感じます。

バケツなどの止水環境で飼育していく場合には飼育数にもよりますが2~3日程度に一回の水交換が必要となります。
予め交換用の水を外に出しておいてカルキを飛ばしておくのが良いですが、実験として水道水や消毒として使われる二亜塩素酸ナトリウムを溶かした水でも問題ありませんでした。(濃度は人に適応させる程度)
この辺の耐性も強いです。
飼育する個体数が多いと水の汚れるペースが上がる他、酸欠などのリスクも上がりますのでバケツでは20位にとどめておくのが良いと思います。
過去卵塊の半分ぐらいをバケツでやって見たところ、死亡した個体が止水で腐り全滅したようなこともあります。
欲張らず少なめを意識しましょう。
水換えについて
水換えは前述のとおり二日に一度程度を目安とし、バケツを振るって下から糞が舞い上がってくるかというのを参考にするとよいです。合わせて水のアンモニア臭にも注目しましょう。

フンとアンモニア臭の両方が確認されれば水を変えて上げます。
水は全てを変えず7割ぐらいを変えるようなイメージで大丈夫です。
その際、バケツを回したり振ったりして糞を舞い上がらせて、捨てる水に糞が多く混じるよう意識するとよいですね。
オタマジャクシをどんなところに置くのかにもよりますが、カルキ抜きをしている水とオタマのいる場所で水温が大きく違うなどの問題もであるかもしれません。
死亡率を下げたいならば水の温度を合わせて上げたりするのもいいですね。しなくても大きな問題になったことはありません。
餌について
餌は複雑なように見えますが、ヤマアカガエルのオタマジャクシにおいては植物性と動物性を分けて植物性を中心にしてあげればいいです。
(これが万能です。過去3年ともに利用しています)詳細に述べると基本的にバケツには水を刷った落ち葉が常に入っているように意識し、時折プレコの餌のような沈殿性の人工飼料などを与えれば大丈夫です。
落ち葉だけと落ち葉と人工飼料を与えた実験では落ち葉だけの方は成長がかなり遅くなり、共食いなども見られました。
落ち葉と人工飼料を与えると同じバケツの中でも共食いなどはかなり少なくなり、成長も2週間以上差が付きます。
体感ですがオタマジャクシの成長にはかなり影響しているように思いますね。
バケツに浸しておく落ち葉についてですが、これについてはかなり好みがあるように思います。

試せるものに限りがあるので個人的に試したものの中ではエノキが圧倒的に食いつきが良いです。
クヌギコナラ、イヌシデ、コブシ、サクラ、などの身近な樹木で冬季にとれるような葉で試したところこれらとエノキを混ぜるとエノキしか食べられません。
それぐらい嗜好性が高く、人工飼料と合わせるとエノキの葉と人工飼料だけでカエルの状態まで育てていくことができます。
卵からおよそ3か月でこの状態まで2つの餌で持っていけますので、エノキの葉が取れるならばこの選択肢はかなりおすすめです。

農薬などに気を付ければ一般の野菜なども行ける可能性がありますが、植物の汁には両生類などに毒性を示すものもあるようなので茹でたりして与えた方が良いかと思います。
エノキの葉が無い時に試験的に雑草を取って水につけ、与えようとしたことがあります。確かハルジオンやヒメジョオンのようなありふれた人間も食べられる植物であったと思います。

大きい葉なのでちぎって水に漬けたら、30分後ぐらいにオタマジャクシがしびれるように全滅してしまったことがありましたね。
植物の汁には気を付けてください。
事故を起こさないためにも植物由来のエキスには気を付けたほうがよく、なるべく固形物である人工飼料を活用したほうがよいと思います。
脚が生えてきたら
ヤマアカガエルのオタマジャクシはバケツで二日程度の水交換、エノキの落ち葉を中心に時折人工飼料を与えるだけですくすくと成長していきます。

4月末や5月頭頃になると後ろ足が出てきて、やがて前足が出てきます。
その後にしっぽが縮み、カエルの姿になります。
前足が出てくるとカエルはバケツの上部で浮くようになることから、バケツではなく陸地も用意した飼育セットなどへと移行する必要があります。
尾が短くなる段階で一夜を過ごすと、溺死なのか死んでしまうケースが見られたことから、前足が出た時点で陸地のある環境に移してあげましょう。

尾が短くなると昆虫類などを食べ始める可能性があるかと思います。
この前足が出てから尾が短くなる時期はとにかく溺死なのか餓死なのか分からない事故がバケツで飼っていると起きます。
二の鉄にならないようそれぐらいの時期には飼育用の容器を用意してあげましょう。
なお私は都合で生態のカエルは飼育できない状況なので生体の飼育についての情報はありません。
ヤマアカガエルのカエルの姿までの飼育は非常に簡単に育てることができますので、欲張らず個体数を押さえて飼育していけば簡単にカエルにすることができますよ。
この時期は卵やオタマジャクシを見つけやすいのでお子様と一緒に観察し、育ててみるのもいいかもしれませんね。
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