捕まえたカブト、クワガタ。同じかごで良いよね?

カブクワ採集に行ってきて取れたカブトムシやクワガタムシ。
せっかくなら育ててみようと思っても同じかごで一緒に育てていいのか気になりますよね。
今回の記事ではできれば別々にしてあげた方がいい理由を紹介します。
カブクワは樹液を取り合う仲である
まず結論ですが、カブトムシとクワガタムシは角や顎を用いて餌資源を取り合う傾向があるので、傷だらけにしたくないならば別々で飼育してあげた方が良いです。

クワガタがその大あごで敵を挟み、投げるのはよく知られています。
そのパワーはすさまじく、種によっては人の手でも出血させるほどの力があります。

それだけ強い力を持っているので、挟まれたカブクワは翅などが部分的に凹んだり、場合によっては陥没したりバラバラにしてしまう事すらあります。
一方でカブトムシも非常に強い存在です。挟むことこそしないものの下からものすごい力で救い上げるため、投げられた個体は足が欠けたりしてしまいます。

カブクワを綺麗に飼育して、死んでしまったら標本にしてあげたい。傷とかを付けずにちゃんと飼育してあげたいという場合には別々にしてあげるのがおすすめです。
一緒に飼う場合
とはいえスペースの問題や個体数が多い場合にはかさばってしまうことから、一緒に飼わざるを得ない場合というのもあるかと思います。

そんな時にできる対処法を紹介します。
まずは大きめの虫かごを利用するという点です。そしてゼリーを多めに入れてあげること。
こうすることで餌資源の取り合いが起こる可能性を減らすことができます。

喧嘩は、お互いが接触することで始まりますから、それを物理的に下げる戦法ですね。
また、虫かごが大きい場合には仕切りなどで区切ってしまうのも有効です。
虫かごが大きいならば3~4分割位は出来ますので、喧嘩することもなくかさばらずに複数頭を飼育できます。

また、昆虫飼育では止まり木やゼリーを置くための木、ひっくり返りを防止するための木が入れられたりします。
こうした木々の上で戦いが始まると挟まれたり投げられた衝撃で足が飛んでいくので、入れる枝は細い枝にとどめておくと踏ん張って足が取れるのを防ぐことができます。
深めのマット、細い枝、落ち葉辺りを敷いて転倒した時の足場にしてあげましょう。
一緒に入れる虫の相性
共に飼育する個体によっては問題ない場合があります。


基本大型種同士は相性が悪いです。
このうちカブトムシ+コクワガタやカブトムシ+小さいクワガタの組み合わせは比較的問題がありません。
体格差が大きく勝負になりにくいからです。


これはノコギリやミヤマなどの小型でも同様です。
一方で体重、足の力共に強くなってくる5㎝前後からは傷のリスクが高まります。


カブトムシ+ノコギリ、ミヤマ、ヒラタの大型という組み合わせでは一緒に飼っていた個体がバラバラになってもおかしくありませんので、大型個体の場合にはやはり別々に飼育してあげた方がいいかと思います。
♀においてもそれは同様です。彼らは交尾の時を除いて別に優しいわけではないので平気で挟みますし投げ飛ばします。


基本的には♀も隔離してあげた方がいい存在です。
♀は顎が小さく、体も小型なことが多いので♂より安全に思えるかもしれません。しかし♀の顎は産卵時に朽ち木をかみ砕くほどの力があるので力は強いです。

加えてクワガタの♀は産卵のために動物性たんぱく質を必要とすることが知られており、ゼリーなどでこれらが不足すると一緒に飼育している個体からタンパク質を得るために捕食する場合があります。
昨今のゼリーは高たんぱくなものが多いので、こうした事故が起こることは少ないと思いますが、♀の場合にはそうしたリスクがあることを想定しておいた方が良いです。
ということで可能ならば飼育は単独にしてあげた方が綺麗なまま飼育できることが多いと思います。
標本にすることを見据えてもその方がいいですね。
pljbnature.com
まだまだクワガタを捕まえるならば、知識の肉付けをするたびにどんどん取れるようになります。そのための情報をまとめました。初心者こそ是非活用してください。
カブクワ飼育関連記事
pljbnature.com
ノコギリクワガタの♀バラバラの事例を紹介します。♀殺しは結構あるので飼育には要注意です。
pljbnature.com
寿命に注目した記事です。自然下では3から10ヶ月と以外に長い寿命を持つそのなぜ?を紹介。大型と小型が出る理由などの理解にも繋がります。
pljbnature.com
個人的な経験から越冬の可能性や秋ぐらいまで飼育する例の紹介です。
pljbnature.com
飼育個体が死んでしまったら思い出に昆虫標本の作成をしてみましょう。記憶に残る昆虫となりますよ。