春といえばなモミジの花掬い
気が付けば気温も急上昇し、春の陽気が姿を見せ始めました。

これぐらいの時期に探したい虫といえば夜間ではエゾヨツメやイボタガが有名です。日中にはチョウの仲間が賑わいを見せる時期です。
その中であまり目につかないけれどもいい昆虫採集スポットと変化しているのがモミジのお花です。
モミジのお花を知らない方は多いかと思いますが、この春のわずかな時期にだけ花を咲かせ、数多くの虫がやってくる知る人ぞ知る採集ポイントなんです。
そこで今回はモミジの花掬いで目に付いた数々の虫たちと、個人的にお目当てとなるファウストハマキチョッキリやイタヤハマキチョッキリを求めて探してきました。
モミジの花を探そう
モミジは初心者でも分かりやすい樹木といえます。

秋には紅葉で自然を知らなくても自然と目にしますし、葉っぱはカエルの手に例えられる手のひらを広げたような特徴的な形をしているものが多いです。
身近な雑木林環境から公園、緑地環境などなどあらゆるところで目にすることができます。
モミジは新葉の展開時には花も同時に展開するために花の赤色が目立つ印象があります。

しかし観察をしていると花が開花しているものは葉がすでに開いているものである場合がとても多いので、クリスマスのように緑と赤が混在しているようなモミジを狙っていくのがおすすめです。
また、天気のいい風の少ない午前中がおすすめです。
ファウストハマキチョッキリを探していく
この春のある種の定番として私の中でルーティン化されているのがファウストハマキチョッキリやイタヤハマキチョッキリをモミジの花掬いで狙うことです。

名前を知らない方がほとんどであると思いますので説明すると、ファウストは小型ゾウムシの仲間でイタヤが大型のゾウムシの仲間です。
両種にはピンク色の金属光沢があるという点がユニークであり、春が来た~!と思わせるなにかが彼らにはあるのです。
とはいえサイズは小型のファウストで1㎝もないぐらいです。

見つけるにはよさげなモミジの花を掬って、後食もしくは産卵に来ている個体をネットに入れる必要があります。
このモミジのお花にはカミキリムシを始め色々な虫が来ますので、虫好きにとてもおすすめできるものとなっています。
さてモミジについてはどこにでもありますので見つけるのには苦労しません、見分けにも悩みません。
このように緑が茂ってきたものが個人的にはファウストやイタヤが入りやすいと思います。


彼らは葉巻チョッキりですから、葉を巻く性質があります。
なので少し茂ってるぐらいがちょうどいいのだと思います。
さてモミジを見て虫の飛来を見ていきましょう。いい条件のモミジにはハチの仲間が樹冠を飛び回っていますので一つの目安にしてみてください。
長竿網とウルトラフレームを活用してモミジの葉の先端をネットに突っ込みゆすっていきます。
春先ということで久々のネット捌きです。さあどんな虫が入るのでしょうか。

基本的にはカミキリ、ハチ、クモ、テントウムシ、カメムシ、ハムシなどなどが入ります。
網の中を覗いてみるとうごめく虫たち。早速少しうれしい虫が入ってきましたよ。
この虫はトガリバアカネトラカミキリです。入ると少しうれしい春の昆虫です。

薄い茶色と赤色を混ぜたような色合いと翅の先端がとがるという性質がありますので見分けやすい種類ですね。
これと合わせてはいるのがトゲヒゲトラカミキリです。

ちょこまかとアリのように動き回るグレーと黒と白のカミキリムシです。花を掬うと大体入って来る種類ですが、シーズン初期はうれしいですね。

さらに代名詞的なものがヒメクロトラカミキリです。
極小のカミキリムシなのですが、非常に活発な種類であるためいると目につきます。5㎜前後位でしょうか。大量に入ることも多い種類です。

それからヒナルリハナカミキリですね。ブルーの光沢をもち、腹部から羽周りが少し膨らんだようなハムシっぽいカミキリムシです。
金属光沢をもつ虫を嫌いな人はいない。そのように相場は決まっていますので私も当然見つけるとヒナルリ来た~とうれしくなれる種類です。
ただし掬うほど入ってきますので感動は最初だけです。

それからお馴染みのキバネニセハムシハナカミキリですね。ハムシ擬態のカミキリムシですので、カミキリだとわからない方も多いのではないかなと思います。
黄色や黒の割合に応じて数種類いることが知られていますが、ここではキバネニセハムシハナだけでした。
虫がたくさんいます。
冬を超えて再び虫たちと出会えるのがこの時期は何よりもうれしいですね。
ファウストハマキチョッキリをゲット
花を掬っていく際に気を付けるべき点はそこに堆積したモミジの花の堆積物の中を見逃さないことです。
甲虫類はころころと転がるため、この中に入っていることが多々あります。

中身をひっくり返しているとピンクのきらりとしたものが見えました。
この光沢感はこの時期であればお目当ての虫でしょう。ということでファウストハマキチョッキリとの遭遇です。

小型のゾウムシなのですが上から見ればピンクの光沢、下から見れば濃紺の光沢があります。
ゾウムシの仲間なので口の部分が少し伸びています。この口を活用して葉を器用に束ねてゆりかごを作るというのですから驚きですよね。
大型種のイタヤハマキになると1㎝ぐらいはある迫力のある姿となりますが、ファウストではちんまりとしてしまいますね。

ファウスト自体は色々な新葉を活用しているようです。私はナガタマムシを求めてブナ科を始め葉のスウィーピングをすることが多いのですが、後食を終えて産卵しそうなタイミングでもモミジ以外では見つけたことがありません。
派手な色なのでいれば目につきそうなものなのですが、不思議なものです。
追加を求めて探していきましょう。
モミジ花掬いで入るほかの虫たち
ここからはマイナーもマイナーな誰に需要があるのかは分からない虫たちを紹介していきます。

モミジを掬っていると肉食性昆虫のシリアゲの仲間が入ります。サソリのように付きあがる腹部を持つ面白い昆虫です。体液を吸うための口器があり、造形美に優れる昆虫です。

ルリマルノミハムシでしょうか。モミジの花掬いでやたらと入る小型のは虫です。ぴょんぴょん跳ねますが、これがノミ見たいということでしょうか。
青く光っていますので、たくさん入るとキラキラしていて綺麗です。ハムシの仲間も面白いですよね。もう少し種類が分かりやすければ海外のブローチハムシみたいに人気が出そうだなと思います。

こちらは美麗種、ルリチュウレンジハバチです。ツツジ科の害虫としてよく知られる本種ですが、ハチの仲間なのにハリを持たないということで知っていれば愛でることが可能です。
セイボウには劣りますが、金属光沢をもつ種類ということでなかなかに渋くてかっこいい昆虫といえます。
ハチなのですが幼虫がちゃんとイモムシなんですよね。

バナナムシことツマグロオオヨコバイです。最近数が減っているとかなんとか。
色合いがバナナみたいで、愛称なのに本当の名前よりも広く知られています。
ツマグロオオヨコバイは知らなくてもバナナムシは知っているという方は多いのではないでしょうか。
昆虫としてはカメムシの仲間が近いです。
ハマキチョッキリの生態写真撮りたいなぁと思っているとトガリバアカネトラカミキリが花粉を食べているのに遭遇しました。

なかなかに珍しい光景です。トガリバアカネトラ自体はぼちぼち入る種類なんですが、いかんせんモミジのどこかに偶然いたのが網に入るだけなのでこのようにじっくりと見たことはありませんでした。
普段はせわしなく動き回る彼らも食事中はおとなしいようです。トガリバの由来がよく分かりますね。

そんなこんなで色々な虫を探しつつファウストハマキチョッキリは5匹捕まえることができました。

残念ながらイタヤハマキチョッキリが0です。

イタヤハマキは後日探してきますが、やはり春のモミジはいろいろな昆虫に出会えて面白いですね。
大きな網があればヒゲナガコバネカミキリなどの造形に優れた種類が狙えることもありますので、虫好きな方はモミジをガサガサしてみてください。
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花掬いには長竿網など大きな網があればたくさんの生き物に出会えます。
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