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2月の真冬に茶色のカエルをたくさん見つけた?正体はヤマアカガエルの可能性あり!

真冬で寒いのにカエルがいる...

2月は春の訪れを確実に感じられる日々が増えてきますよね。

ヤマアカガエルの姿。今期は2/14に初確認。

暖かい気候、花は確実に増え、小さなハエやアブに越冬性の蝶がひらひら止まったりしていい気持ちな日々も増えるものです。

そんな陽気な気候に誘われて、沢の水がきれいだなぁなんて考えているとカエルが大フィーバーしていたり、丸い卵塊が見つかってビックリしてしまうことがあるかもしれません。

そんなカエルの正体は恐らくヤマアカガエル。

真冬に一度目覚めて産卵をする非常に奇妙な生態を持ったカエルなのです。

ヤマアカガエルとは?

ヤマアカガエルはアカガエル科のカエルの一種です。

明るい黄土色から茶色、赤茶色などなど色合いも様々

体長は身近なアマガエルよりは大きい5~6㎝前後、体色は茶色く、頭部に黒っぽい線が走るのが特徴的なカエルです。

生体は主に昆虫類を捕食しており、オタマジャクシは主に水中に沈殿した葉などの有機物を摂取しています。

ヤマアカガエルを育てた時のオタマ

ヤマアカガエルは主に山地に近いエリアに生息しているカエルです。

山地に隣接した沢や池、沢沿いや水田などの水辺環境を生息圏としており、冬季にはわざわざ一度冬眠から目覚めて産卵をしに止水域にやってくるというユニークな特徴を持ちます。

ゼリー状の卵塊もあったが、まだ時期が早すぎて撮影できる位置にはなかった

冬季に産卵する卵塊は通常球形をしており、無数の黒い粒がチアシードのように水中に綺麗に円形で保たれます。

こうした特徴的な卵からもその存在を知ることは簡単であり、実は非常に身近なカエルの一種として名を上げることができます。

冬眠から目覚める奇妙なカエル

ヤマアカガエルの奇妙な生態としてはわざわざ寒い冬を乗り越えるために越冬という状態に入るのに、2月の中旬ぐらいを目安として一度目覚めて各種の止水域で♂♀が入り混じり産卵をし、そのあと再び越冬に入るという摩訶不思議な生態があります。

水辺が見えなくとも鳴き声で存在が分かるほど大きな声が聞こえる

冬季になぜわざわざ目を覚ますのか?というのは色々な説がありそうです。

カエルの天敵としては蛇、一部の哺乳動物、一部の鳥などが挙げられるかなと思います。

カエルの天敵といえばヤマカガシなどの蛇

この内鳥や哺乳動物が年間を通して活動していることを考慮しておくと、早期に活動するメリットとしてはヘビなどの捕食者に産卵のタイミングを狙われにくいという点が一つの明確なメリットとして挙げられるかなと思います。

サンショウウオの例などにおいてはアライグマやタヌキなどの捕食により卵塊が消失したりカエルにおいても同様の例があったりします。

そのため天敵が来ていればカエルたちの生体は捕食されてしまう可能性が増えます。

水辺の天敵、外来種のアライグマ

水辺を好む蛇にはマムシやヤマカガシなどがとくに有名で、彼らが活動を開始する4月以降においては上記の哺乳動物に加え蛇までもが水辺で彼らを捕食しに来てしまい、捕食圧が増えてヤマアカガエルの生存率が下がったりするリスクがあるのではないかなと思います。

そう考えてみるとアカガエル科やヒキガエルなどのように春より少し前に産卵するカエルの特異的な行動に筋が通るように思いますね。

実際のところヤマアカガエルは2月の中旬ごろに冬眠から一時的に目覚めて止水域で交尾、産卵をし、再び冬眠に入ります。

真冬に一時的に大量に現れ、その後卵塊を残してすべての個体が消える

この奇怪な行動を取るべきメリットがあるはずなんですね。

一方でヤマアカガエルの当期中の目覚めにおいては日中から日没ぐらいにかけて非常ににぎやかなお祭りが止水域で繰り広げられます。

彼らのお祭りはとにかくにぎやかです。水の中を見なくてもカエルたちの声でいるかどうかが分かってしまうほどです。カエルの交尾は一匹のメスにオスが無数に連なり、非常に派手なものとなります。

水面に映る私の姿を見て7匹ぐらいが一斉に逃げてしまった

我々はこの光景を見て春が来てるなぁ~とウグイスのさえずりのような感覚を覚えることができますが初めて見た一般の反応としては蛙が多すぎて気持ち悪いとなるかもしれません。

球形の卵塊を残すヤマアカガエル

ヤマアカガエルの産卵シーズンになると止水域にはカエルが出現していたり、少し水辺に来る時期が遅れると何もないのに卵塊だけが残された祭りの後に遭遇することになります。

卵塊はゼリー状の球形物質である

ヤマアカガエルの卵塊はなかなかに面白く、手の拳を二つ合わせたよりも大きいぐらいの球形の卵塊が水中にぷかぷかと浮いています。

この卵塊は触れてみれば分かりますが非常にゼリーのようなプルプル感があり、とても気持ちの良いものです。

一方でこのゼリー状の物質は水分をどんどんと吸収し、やがてゼリー感が消えてしまいます。

ヤマアカガエルの新鮮な卵塊。作業で避難させたもので別の場所に移した。

産卵からおよそ一週間もすればゼリーは形状を保てないぐらいになり、堆積した落ち場の上などにオタマジャクシに変化しようとしている卵がまき散らされたような状態へと変化します。

このような事情を踏まえておくとヤマアカガエルのお祭り会場に遭遇できなくても今年のお祭りがいつ行われたのかを間接的に読み取ることができ、次年度以降のその場におけるお祭りに非常に参加しやすくなります。

ヤマアカガエルの数日にわたる止水域での攻防は、冬の生き物の少なさに植えていた生き物好きの心を満たしてくれる春の日差しのようなものなのです。

ヤマアカガエルに似たカエルは?

ヤマアカガエルは茶色をしているため、似たカエルがいくつかいます。

まずヤマアカガエルの姿。とりあえず大きさを覚えるといい。

同じアカガエルの仲間のニホンアカガエルは姿も非常にそっくりなカエルなのですが、日本の方は絶滅危惧種に登録されているなどより珍しい種類となります。

参考に紹介できるのはヤマアカガエルのみですがこの2種は頭部にかけて入る黒い模様が折れ曲がるヤマアカガエルと、直線のニホンアカガエルというように見分けることができます。

ヤマアカガエルの姿。分かりにくいが目の後ろを通る黒い線がある。

私はニホンアカガエルを見たことがありませんが、ポイントは抑えておいてぜひ見つけてみたいですね。

それからヒキガエルは日本人的になじみの深いカエルの一種類かなと思います。

大きさは全然違いますし色合いも異なりますが、カエルという生き物を知らない方も多いかと思います。

ヒキガエルは大人のこぶしよりも大きい!

まず大きさはヒキガエルの方がずっと大きいです。体長でいうと個体にもよりますが2.5倍ぐらい最大で違うぐらいです。体積も倍以上違いますね。

色はヒキガエルは黄土色に近い色をしており、ぼこぼこ感がより強いです。

ヤマアカガエルとヒキガエル。写真の差で左のヤマアカガエルが大きく見えるが実際は倍以上違う。

赤茶色のヤマアカガエル、黄色っぽいヒキガエルと覚えておきましょう。

また、ヒキガエルは体から白い有毒成分を分泌する能力があります。

ヤマアカガエルにそうした毒を分泌する能力はありませんので、興味があれば触れてみるというのはいいかもしれませんね。手で触れるのではなく枝などで突いてみましょう。

ヤマアカガエルの冬季の出現時期

この記事にたどり着いた方の中には時期的にヤマアカガエルなのかどうかわからないけれども卵塊は球形だしどうなんだろう?と思う方もいるかもしれません。

山地の水辺ならば2~3月はヤマアカガエルの可能性が高い。平野部だと線形の卵を産むヒキガエルも可能性あり

カエルの産卵時期は地域により異なり、都市により若干の変動が見られます。

私は神奈川の山地の例となりますが、例年2月の中旬ごろから始まり、卵塊は3月の下旬頃でも見られる場合があります。

一斉にすべての個体が目覚めるという訳ではなく、シーズン中にボリュームを絞るように出現していくと想定されますので、1月から3月ぐらいにかけて球形の卵塊があればヤマアカガエルの可能性が高いと考えておくとよいかなと思います。

ピーク時の個体数が最も多いが、当地でも3月ぐらいにぽつぽつといたりする。

止水域でカエルがたくさん動いていたり、波打っていたり、卵塊は無いけれどもカエルが下りてきたりするとヤマアカ祭りが開催されるのは近いです。

春を告げるカエルたちのお祭りは冬季限定開催となっていますので、カエルのヒントを見つけた方はぜひ彼らの生きざまを目に焼き付けて欲しいですね。
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