良く名前を聞くアマガエルとヒキガエルの違い
カエルは昔から人間の生活になじみの深い対象です。

水田や川、用水路を始め里山的な環境に当たり前にいたカエルたちも今では観察できる場所が限られてしまったりしてカエルについて知る機会が減ってきてしまっていますよね。
故にアマガエルやヒキガエルというよな名前こそ知っていても彼らがどんな姿をしていてどんな違いがあるのか?を見ていく機会というのはあまりないのではないかなと思います。
そこで今回は身近な代表的なカエルとしてアマガエルとヒキガエルの2種類を紹介しつつ変えると言ってもこんなに違うんだねという多様性の面白さについて触れていきます。
アマガエルとは?
アマガエルはアマガエル科のカエルの一種であり、両生類に所属する生き物です。

体長は3~4㎝程度で色合いは環境にもよりますが基本的には緑色をしていることが多いです。
主に水田を始め水辺が付近にある環境に出現します。生体は主に昆虫類を食べており、脚の吸盤を活用することで樹木の上や植物の上、人工物上や飼育ケース内などを自由自在に上っていくことが可能であり、大きさに対して足の力が非常に強いです。

見た目としては眼の付近から人でいう首あたりにかけて黒っぽいアイラインのようなものが入るのが特徴で、この緑と黒のマーブル具合により類似種であるアオガエルの仲間であるシュレーゲルアオガエルやモリアオガエルなどとも容易に区別することができます。
産卵は主に初夏頃に水辺で行われます。
ヒキガエルとは?
ヒキガエルはヒキガエル科のカエルの一種であり、両生類に当てはまる生き物です。

体長はおよそ10㎝~15㎝程度とカエルの中では外来種のウシガエルに続いて大型であり、動きは鈍く鈍感、よく言えばどっしり構えているが悪く言えば太いという感じです。
それもそのはずでヒキガエルは皮膚から毒を分泌する能力を持ちます。毒持ちの生き物においては沖縄のカバマダラやアサギマダラのようにまるで見せつけるかのようなゆったりとした飛翔を見せるものがいます。
マムシがとぐろを巻いて反抗するかのように毒を持つ生き物というのはどこから余裕を見せてくることがあるように思います。

ライフサイクルにおいてはオタマジャクシのステージにおいて水辺を必要とする者の、生態の出現場所においては水辺とかけ離れた場所で見つかることも珍しくはなく、分かりやすく言うと高尾山の観光路である1号路沿いなどでも平気で目にします。
主に山地から平地までの水辺が少なくともあるような環境に出現すると考えられ、食性としては昆虫類などを中心に生き物を捕食します。
脚に吸盤は無く、壁面を上ることはできません。
ちなみに魚の養殖をしている知人の庭などにもいたことから本種は都市部への適性能力もなかなかに高いものと考えられます。
アマガエルとヒキガエルの違い
アマガエルとヒキガエルの違いについて述べていきますが、軽く紹介した上記の項目を見ての通りこの2種類は比較してみると全然違います。


体色については個体差があるものの基本色はアマガエルで緑色、ヒキガエルで黄色から茶色系です。
大きさについては言うまでもなくアマガエルが3㎝程度、ヒキガエルが10~14㎝程度はありますのでアマガエルを見てあれはヒキガエルかも?と勘違いすることはめったにありません。

ヒキガエルに遭遇した時の感想は素直にでっか。であり、アマガエルに遭遇した時の感想は素直い可愛いです。
このファーストインプレッションの感覚というのは2種を比較していくうえではとても大事です。
また、アマガエルは草の上を始め何かの上で見つかることが結構多いのですがヒキガエルはそのどっしりとしたたたずまいと渋さからお察しの通り何かの上に乗ることはとても苦手としています。

発見場所が地面の上なのかどうか?というのもこの2種の判別においては有効と言えます。
一方で出現場所においては一部被ることもあり、特に両者とも産卵のために水辺や水田環境に訪れますのでその際には間違え....ないんじゃないかなぁと思いますね。
アマガエルの茶色個体をヒキガエルの子供と間違えるぐらいのことはあるかもしれませんが根本的にこの2種類は大きさが違いすぎます。

また、分類上はアマガエルはアマガエル科、ヒキガエルはヒキガエル科であることから科レベルで異なっています。
科レベルの違いというのは違いとしては結構大きいもので、例えばクワガタムシを例とすればノコギリクワガタとミヤマクワガタというのはクワガタムシとしてみるとだいぶ違うことが分かりますよね。
ノコギリとミヤマはどちらもクワガタムシ科です。つまりそれ以上の違いがアマガエルとヒキガエルにはあるということです。


カエルという形において似ている部分はありますが、吸盤、四肢の発達、生息圏、水かきの程度、水辺への依存度などなど実に多くの要素で異なってきます。
所がこの2種類において共通している点もあります。
2種の共通は毒性と分布?
まず毒性を持つところですね。
アマガエルもヒキガエルも毒としてはブフォトキシンという同じ成分を持ちます。

これはカエル毒を蓄えるヤマカガシに食物連鎖を通じて蓄積されることが良く知れ渡っており、飼育下においてブフォトキシンを持たないヒキガエルを与えることでヤマカガシにその毒が蓄積されないなどの面白い話があります。
アマガエルやヒキガエルなどを触ったら手を洗いましょうという話がありますが、昔からカエルに触れると良くないことが起こるというのが伝わっていたんでしょうね。

アマガエルは皮膚の上の粘膜に毒性を持ち、ヒキガエルは危険を感じると耳の辺りから分泌するという違いこそありますが、使用している毒が同じであるというのは面白い共通点です。
また、アマガエルやヒキガエルというのが現在では通称となっているのも面白い共通点です。
アマガエルはアマガエルとヒガシニホンアマガエルに近年分かれました。身近なアマガエルが実は異なるということが判明したのは何と2024年です。


こうしたこれまで当たり前であったことがひっくり返ることがあるのも生き物の面白さの一つと言えます。
ヒキガエルもヒキガエルという名前がよく使われますがこれは総称でありヒガシニホンヒキガエルとニホンヒキガエルがいます。
アマガエルと同様にこちらも西日本と東日本で違いが認められているのが面白いですよね。
これ以外にもヒキガエルにはいくつかの種類がいると言われています。
カエルは昆虫のように飛んだり長距離を移動することができませんので、分布の距離が延びることでその最中で遺伝的な変化が起こったのかもしれませんね。
カエルの探し方
身近なカエルの違いについて紹介してきましたがこの2種類は意外と違うということがよく分かってもらえたのではないかなと思います。

フォルムは似ていても細部が異なるというのは多くの生き物に見られる面白い部分です。
そんなカエルの違いを実際に見てみたいあなたに探し方について紹介していこうと思います。

アマガエルは水田環境にとても依存している生き物であるため、水田もしくは年中枯れないような水辺の存在が必要です。
流水息にはあまり見られずどちらかと止水的な環境を好む感覚がありますので(水田の流路、用水路などを除く)アマガエルを探したい場合には水田を探してみましょう。

水田環境といえばイナゴです。イナゴもまたバッタの中でも水分の多い土地を好む種類ですので、イナゴのように高湿性を好む生き物を指標として探してみるのもいいですね。
また、5~6月頃にかけては非常によく鳴きます。カエルの声が騒音になる時代ですが、アマガエルやシュレーゲルアオガエルの声は本来は季節の訪れを感じさせてくれるものです。




音は乗せられませんがアマガエルを始めとしたカエルの声が聞こえる場所を探していくのは王道中の王道と言える探し方ですね。
ヒキガエルは巨大種なのですが、夜行性の傾向が見られます。体が大きく天敵の捕食などの機会があるのか夜の昆虫採集時に遭遇することが多いですね。
見つかる場所としてはアマガエル程はっきりとしてはおらず、少なくとも絶えることがない水辺が周囲にある(両生類であるため)必要性はあるかと思いますが、私の発見例を基にすると水辺まで100m以上程度はありそうな雑木林の上などでもなぜか見つけていますので水の気配がありそうな環境の林床を見ていくのが有効かなと思います。
ヒキガエルは3月頃に止水にやってきて線形の細長い卵塊を生みます。水辺にそうしたサインを見つけて探していくのも一つの手段として活用できるかなと思いますね。
ヒキガエルは出現場所が広い分、逆に見つけるのに苦労することがあるかもしれません。
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