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フチグロトゲエダシャク採集記。春の多摩川で人気のスプリングエフェメラル観察。

春の人気者を求めて

2月はまだまだ昆虫シーズンには早いと考えている方も多いのではないかなと思います。

今回のターゲットは美麗なフチグロトゲエダシャク。実物はもっと美しい。

確かに新緑もまだとなるタイミングではありますが、昆虫の中にはこの2月から3月中旬ぐらいのわずかな時期にだけ現れるような面白いものもいます。

その代表がフチグロトゲエダシャク。知る人ぞ知るイイ蛾なのですが、分布は広くはなく局所的な傾向が見られる遭遇がやや難しい蛾です。

本格的な春が来る前のわずかな時期にのみ現れるいい虫を求めて採集に行ってきました。

思い立ってフチグロ採集に

フチグロを探しに行こうかと思っていたものの今週の天気がいまいちな予報であり途方に暮れていました。

行くか迷ったが結果いってよかった。

例年ならば2月最終週ぐらいがいい感じなのではないかなという予想を立てており、このあたりを目安に当たりをつけているポイントに足を運ぼうかと思っていたのです。

フチグロトゲエダシャクは成虫が食事をしないフユシャクの仲間であるため、出現時期にはシビアに情報に目を張らせておく必要があります。

今期は2月の頭には情報が出ていたり、早い場所では1月の時点で暖かい日に出現したとの情報がありました。

真冬でも蛾の仲間の一部は出現する。むしろ真冬にしかいないものも。

それゆえにシーズン中期から後期ぐらいとなるここを逃せばかなり厳しいかもしれないと思いつつ、天気によって怪しい感じとなりました。

しかしちょうど今日の金曜日は雨予報→曇りとなっていたのですが、直前で曇り。そして当日朝には日が差しています。

これは自然の神からフチグロに行けという一報だと思い早速足を運ぶことに。

当たりをつけていた現地へと直行します。

足元の草地の雰囲気を紹介。薮漕ぎはありません。

現地には先着が一人いました。後程ピンと来たのですが、おそらく有名な生き物系youtuberの方であったように思います。

フチグロトゲエダシャクのいそうな環境

現場につきます。

素人目でも明らかにいそうな感じ

実は神奈川においてはフチグロトゲエダシャクの採集場所はここという情報はありません。よく行く場所においても記録がないため、いそうな環境の雰囲気をつかんでおきたいという背景もありました。

現地につくと一目みてこれはいそうだなという環境です。

300m程度の広い草地とエノコログサ?か何かの枯れ草でおおわれた斜面、シナダレスズメガヤのような植物が繁茂している広いエリア、ツルヨシか何かでおおわれて壁のようになっているなどなどイネ科が繁茂しています。

斜面、膝程度の枯れ草、シナダレスズメガヤなどのエリア

ノイバラを始めヨモギなどフチグロトゲエダシャクが利用できそうな植物も割と見つかりますね。

さてまずは私はフチグロトゲエダシャクの実物が飛んでいるのを目にしたことがありませんので、まずはそれを目視して対象を把握する必要があります。

キタテハはサイズが大きいのもあって飛んでいるのが目に付きますが、フチグロはいるのでしょうか?

キタテハ。そこそこいるが、大きいので見間違えることはない。

膝ぐらいまでのイネ科草本が繁茂している場所を見上げつつそれらしきもの飛翔を探していくことにします。

しかし広い枯草のエリアです。フチグロトゲエダシャクは開翅長で2.5cmぐらいかなと把握していますので、飛翔物体とはいえなかなかに見つけるのは苦労しそうです。

そもそもいるのか、その姿を映せるのか気になるところです。

こういう飛翔する物体を探すときには生き物屋は空間をボヤッと見ることでその視界に映るノイズのようなものを探します。

なんとなく視界をボヤッと見続ける

目を引きつつ斜面の枯れ草の様子をぼやーッと眺めていると、小さな変な虫が飛んでいるように思いました。

その虫は枯草のほんのわずか上をジグザクに飛翔しつつアップダウンも交え、時には枯草の中に入り非常に複雑な飛翔をしています。

そして目で追っているのに消えてしまいました。

随分と変な飛び方をする虫だなと思いつつも、ネットにある採集記ではフチグロは消えるという話を聞いていたのでこれはまさかと思います。

この辺で着陸したように見えたのに全くいないのである

この地での個体数は少なくないようで、日差しが差すと時折同じように枯草のすれすれの当たりを複雑に飛ぶ姿が見えました。

そして不思議なことに目で追っているのに消えるのです。飛翔スピードは想像以上に早く、目では終えるものの変な飛翔の癖と出現する枯草の環境の影響もあり、見えた個体を次々と見失います。

しかし、間近で飛び出てきた個体を目視し、その大きな触角を捕らえることができました。

この奇妙な飛び方をするものがフチグロトゲエダシャク!!

何とか捕まえたいものです。

フチグロトゲエダシャクとの激闘

フチグロの採集をした方は共感してくれると思いますが、この虫の飛翔の軌道を読むのはなかなかに大変です。

いつも60㎝だから36㎝が単純に小さい

今回は下見ついでにいたらいいなというノリだったので網は志賀昆虫の36cm、柄は1.5mです。

これに加え昨年10月ごろを最後に網を振っていないためブランクがあります。

このブランクと網のハンデにフチグロトゲエダシャクの飛翔は強敵ですね。

基本的には日差しのある時にかがんで枯草を水平に眺め、飛翔している個体を目視して捕まえます。

が、日差しが入ることで活性も上がり、網や人の接近を素早く感知したフチグロは逃げていきます。

この移動がやはり早く、追いかけた個体が消えてしまいます。

やばい、捕まえられる気がしないぞ...忍者、忍者である!

見失ってしまうのですが、本当に追いかけていたのに消えるんですよね。

フチグロは色合い自体は派手なのですが、枯草に溶け込むような素晴らしい配色になっており、ちょうど顔を左右に振った時に視界に映るものが線形にぶれるように移動中のフチグロを追いかけていると視界の枯れ草とフチグロの動きがゲームで言うモーションブラー(背景や動いているもののブレ)のように機能して消えてしまうようです。

現れた個体を8匹ぐらいは逃しつつ目も慣れてきます。

そして斜面から飛び出た個体をうまくネットに入れることができました。

ふっちー(愛称)キター!ヤンマを捕まえたような達成感である

フチグロトゲエダシャクとのご対面です。

これがフチグロトゲエダシャクですか。実物は写真で見るよりもはるかにきれいであり、金色に輝くようなゴージャスさがあります。

触角がデカデカとしていて大変かわいらしい

そして触角の大きさがとてもかわいいですね。

春の妖精ことスプリングエフェメラルとも呼ばれるこの蛾ですが、確かにそれに負けない美しさを持っていますね。

ブログ的にも坊主が避けられましたので良かったです。

あとは生態写真的なものが狙えるといいですね。

フチグロの生態写真を求めて

生態写真を狙いたいのですが、これは非常に難儀しそうでした。

止まっていてもわからないよ...

まず飛翔以外に見つけることができないこと、追いかけても止まらないこと、止まっている場所もわからないことなどの要因からこの虫は止まっている場面を見つける難易度がとても高いです。

とりあえず追加の個体を探しつつどうするか考えていくことに。

最初にいた先客の方がフチグロですか?と挨拶をしてくださり、1匹取れましたと話すとこちらの方が個体数がいますよと案内してくれました。

斜面のほうではなく、シナダレスズメガヤのようなイネ科が繁茂している場所なのですが、確かに話し中にも次々と出てくるようで個体数が明らかに多いようです。

環境はこんな感じです。多分シナダレスズメガヤ?

この方もフチグロ目当てに来られている方でしたが、初対面なのに既視感があるような,,,話をしているとバッタやカマキリが好きとのことで、手に持っているのはカメラですが動画撮影用のもの。

有名な昆虫youtuberの方では?当日にその方のSNSにもフチグロのことが述べられていました。

まあお会いした時にはそうかな?ぐらいだったのですが、フチグロについていろいろと教えてもらえるような貴重な機会ともなりましたね。

お話によればフチグロは日が出ると飛ぶが、曇ると大人しくなる傾向が見られるとのこと。

その方も曇りのタイミングでフチグロの生態写真を撮ることができたようです。

枯草にこんな感じで掴まっている非常にいい写真を見せてくれました

情報ありがとうございますといって別れ、生態写真を目指しつつ2~3匹程度は標本用に求めて行きます。

この後も飛んでいる個体はたびたび見つかるのですが、ネットインすることが非常に難しくも楽しくありつつ、計2匹の追加を得ます。

3匹を捕まえたのに対し空振りは何回したことやら。彼らの奇想天外さには驚かされるばかりでした。

この昆虫の採集は多産しているからというのもありますが、少年時代を思い出すような虫を追いかける楽しみが味わえましたね。

生態写真はやはり難しかったです。

人との珍しい出会いもあるものだと思いつつ、目的の虫にも出会えていい採集となりました。

フチグロ採集の要点?

フチグロ採集に挑む方に向けての個人的な改善点や考察をしていきます。

個人的な体験から考察を

まず網ですね。大きめの網のほうがよいと思います。36cmではフチグロの複雑な飛翔を捕らえるには心もとない感じでした。柄は3mぐらいはあるとチャンスは増えるかなという感じです。

久々に網の頼りなさを感じた採集だった。

環境については今回の場所はひざ下ぐらいの枯れ草が広がる環境と、シナダレスズメガヤのような草が繁茂する腰ぐらいの枯れ草のある環境でした。総じて枯草のある環境に出現します。

左よりも右のほうが個体数が多い。どちらにもいるが原因は不明。

探す際には時間帯が重要であると考えられ、午前中の日が上がる10時ぐらいから正午過ぎぐらいまでが活発な時間であるようです。

日差しが差し込んでいる状態から陰るだけで全く飛ばなくなる

日中に日差しが差し込むと明らかに活性が上がり、曇ることで一気に飛ばなくなります。探す日には晴れた日を選択する必要がありそうですね。

探し方については今回の場所では少ししゃがんで枯草を飛翔する個体を目視して追いかけるというのが有効でした。

多産しているところでは歩いたほうが効率がいい場合も

しかし、イネ科の枯れ草であることから茎がしっかりと立っている点、ノイバラなど網が引っかかるものがある点、フチグロ自体が素早く、複雑に飛ぶことから捕獲はなかなかに大変です。

時間は10時ぐらいからめいいっぱい使うのがおすすめですね。

捕まえるのが単純に大変で時間がかかる。加えて13時半ぐらいまでのタイムリミットもありそうな感じ。おそらく気温が影響している?

有名ポイントでは時期になると虫網を持った人がいると思いますのでそうした先行者を頼りに探してみたりするのもいいかもしれません。

また、河川敷のイネ科草本群落なのでマダニなども生息している可能性があります。頻繁にズボンを見たりするなど対策はしましょう。

今回はマダニ被害はなし。ただし注意は必要な予感。

撮影したい場合には晴れと曇りの両方がある日がおすすめかもしれません。晴れた日では今日一日だけですが飛んだ個体が何かに着地する場面には遭遇できませんでした。

非常にアクティブであるため、こちらもアクティブに動き回り早春の妖精に出会いたいですね。

トンボの採集のようなわくわく感と戦いに勝った感が味わえる採集。体験しないのは虫好きならば損!

冬明けに久々に虫取りの楽しさを味わえるいい採集となりました。

トンボなどのネットインみたいな戦いの感覚が好きな方にもとてもおすすめできる対象であると思います。

今年も記事執筆時点で間に合いますのでぜひ探してみてください。
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採集においてはフチグロは素早いですから口径の広い網を持っていきたいですね。

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