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カミキリムシに似た虫の正体は? ジョウカイやカミキリモドキの仲間やアカハネムシなど。

カミキリみたいな変な虫

自然の中やお家の周りを見て回ると、時折想像の中のカミキリムシと合致する昆虫に遭遇することがありますよね。

カミキリムシみたいな虫の代表格、ジョウカイボンの仲間

こんなところにカミキリムシがいるんだな~と思いきや?その虫はカミキリではないかもしれません。

今回は身近にもいるカミキリムシっぽい仲間の昆虫として、ジョウカイの仲間とカミキリモドキの仲間を紹介していきます。

カミキリムシとは?

カミキリムシは鞘翅(しょうし)目カミキリムシ科の昆虫の1種で、いわゆる甲虫と呼ばれる生き物です。

いわゆる甲虫と呼ばれる虫の仲間。1cm以下から7cm近いものまでたくさんいる。

幼虫は様々な樹木の様々な生存状態を利用し、木の内部で種により1年から数年の期間を経て成虫となり野外に出てきます。

利用樹種は大変幅が広く、広葉樹のような広いくくりを利用するものもいれば針葉樹のみ、○○のみというように特定樹種への嗜好性を示すものも多いです。

針葉樹の中でモミをよく使うオオトラカミキリの痕

成虫には硬い翅と薄い翅があり、飛翔性に優れています。堅い鎧のような体は生存に有利なものであると考えられ、発生後は多くの種類が植物を利用します。食事も様々で葉を食べるもの、葉の脈を食べるもの、樹皮を食べるものなどなど様々です。

こうした生態から庭木の害虫としてもよく知られており、木を枯らす厄介な存在と考えられていることも多いですね。

枯れ木、生木、衰弱した木など種により好みもある。

足の爪には毛が密集しており、ガラス面などに張り付くことができます。これに加えかぎ爪状のものもあり、木の上や葉の上でも問題なく歩くことができます。

触覚が立派な種類が多く、体よりも長いケースさえあります。こうしたユニークな生態や利用樹種の幅の広さから種数に富むため、愛好家も多い昆虫のカテゴリーです。

ジョウカイとは?

ジョウカイは正確にはジョウカイボンの仲間であり、鞘翅目ジョウカイボン科の昆虫の総称です。

ジョウカイボンの仲間。見た目はカミキリムシのそのものに見えるが、柔らかい。

見た目はかなりカミキリムシに似ており、知らない人からすればカミキリムシそのものです。

それもそのはずで同じようなフォルムをしている鞘翅目の仲間ですからね。この仲間は甲虫としてよく知られており、その代表格がカブクワやタマムシ、カミキリムシです。

ジョウカイボンの仲間は全体的に軟弱で弱弱しい雰囲気を受けます。

植物食のカミキリと肉食もあるジョウカイボン

また、カミキリムシによく見られる触覚の発達はなく、食性も雑食性と異なります。

幼虫も木材中ではなく腐葉土や落ち葉の上に出現し、徘徊性の生態を持ちます。

見た目は似ていますが、大きく異なる昆虫ですね。

カミキリモドキとは?

カミキリモドキは鞘翅目カミキリモドキ科の昆虫の総称です。

最も身近な代表種、アオカミキリモドキ。知らないとカミキリに見えるかも。

触覚こそやや長いのですが、全体的に小さかったりひ弱な印象を受けます。

ですが見た目は虫を知らない人からすればカミキリムシに非常によく似ています。

この仲間は派手な色をしたものも多く、体内に有毒成分を持っているものがいます。カンタリジンと呼ばれ、火傷のような症状が引き起こされる成分を体液に持つため、うっかり潰してしまうとひどい目にあいます。

お花に来ていることが多い。うっかり潰さないよう注意。

成虫は主に花に集まり、春から夏程度の期間にお花を掬ってみると網に入ります。幼虫は枯れ木の中などに出現します。

日中でもそれなりに活発ですが、代表種のアオカミキリモドキは夜でも見つかります。ジョウカイと違って思わぬ事故につながることがあるので、庭の明かりなどに来ていたら注意してください。

具体的にどこが違うの?

まずカミキリムシとジョウカイ、カミキリモドキはカテゴリー的に大きく違う存在です。

見比べても違いがわからない程度には似ている

それぞれカミキリムシ科、ジョウカイボン科、カミキリモドキ科と異なる存在ではありますが、その前の上科を見てみるとカミキリムシがハムシ上科、ジョウカイボンがホタル上科、カミキリモドキはゴミムシダマシ上科となっています。

つまりそれぞれハムシに近い仲間、ホタルに近い仲間、ゴミムシダマシに近い仲間となっています。

ジョウカイボンはホタルに近い

ホタル上科にはおなじみのゲンジボタルやヘイケボタルが含まれ、同じく柔らかい翅をもつ昆虫です。

ゴミムシダマシ上科にはカンタリジンを持つツチハンミョウの仲間やクワガタモドキの仲間、キノコムシの仲間などの虫が含まれます。

マルクビツチハンミョウ。カンタリジンを持ち、カミキリモドキに近い仲間。

上科は目と科の間に必要がある場合に用いられる分類群なので、この3種は似ているからこそ上科というくくりで分けられているんですね。

カミキリムシには総じて発達した顎があります。

種により触覚がとても長いなど判別に役立つ点も

産卵時には生木もしくは朽木に穴を空けて産卵するためと食事に茎や葉、樹皮などを利用するためだと思われます。

カミキリモドキの顎はカミキリムシほど発達はせず、大あごが見られることはありません。成虫は花粉などを利用するからかもしれません。

顎はあるにはあるが、食事用という感じ

詳細としては符節の数の違いなどがありますが、そこまで詳細に聞かれることもないと思うので、明確に違うところもちゃんとあると覚えておきましょう。

ジョウカイボンは生態的に違いますよね。姿は確かにカミキリに似ているのですが、ジョウカイボンは肉食で地表性です。

カミキリは草食性で材中を利用します。

見た目では初心者だと少々難しいかもしれません。

お互い似ている昆虫たち

この3種は読んでもイマイチ違いが分からない方が多いかと思います。

小型のカミキリを探していると、飛んでいるジョウカイボンやカミキリモドキを間違える。

それもそのはずで外で飛んでいたりすると分からない場合も多いからです。

サイズ感、出現環境が同所的になる種類もあり、シルエットを見つけてネットに入れてみたらジョウカイボン、カミキリモドキというのは多々あります。

栗の花に飛来する小型昆虫を捕まえたら?おおよそジョウカイやカミキリモドキ

この3種は毒を持つ毛虫に擬態する毒無し毛虫や、毒を持つジャコウアゲハに擬態する黒系アゲハ類のような関係性なのではないかなと考えたりします。

例えばアオカミキリモドキという青と黄色のカミキリモドキがいますが、ジョウカイの仲間にはアオジョウカイというこれに似ているものがいます。(そんな似てない)

左からアオカミキリモドキ、アオジョウカイ、フタコブルリハナカミキリ

そしてカミキリにはフタコブルリハナカミキリのようにアオジョウカイに擬態しているとされるものがおり、話によるとアオジョウカイの色合いとフタコブの色合いには関連性があるという話も耳にしました。

カミキリモドキの仲間には黄色っぽい種類もおり、これに似たジョウカイボンもおり、カミキリにもハナカミキリの仲間にはそうした近い色合いを持つ物が多数います。

このジョウカイボンも毒を持つカミキリモドキのマネをしているのかも

というように学術的には不明ですが何か関係ありそうな3種の不思議な模様を見ることができます。

シルエットだけですが、アオジョウカイやフタコブに似たモモブトカミキリモドキもいます。

お家周りを始め自然の中で目にするカミキリとジョウカイとカミキリモドキ。カミキリモドキの仲間だとかぶれてしまう可能性がありますが、どれも潰したりしなければ問題はありません。

それっぽい虫を見つけた時には生き物の魅力を観察するチャンスと言えますね。

これ以外にカミキリに似た虫

実はこれ以外にもカミキリに似た虫というのはいます。

アカハネムシも非常にカミキリに似ている

それがアカハネムシ科の昆虫です。

飛翔、枯れ木への飛来、姿、触覚など移動中のアカハネムシの仲間はカミキリムシに似ているため、虫についてあまり知らない人はこれもカミキリムシだと思ってしまうかもしれません。

特にアカハネムシはベニカミキリやヘリグロベニカミキリの時期と微妙に出現が被っているので、見慣れていても間違えてしまうことがあります。
一応有毒のベニボタルに擬態しているとされています。

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