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青色と黒い水玉模様のルリボシカミキリは珍しい? 探し方を覚えて美麗種に遭遇しよう!

鮮やかな青の美麗カミキリ

カミキリの中では虫を知らない人にも認知される人気種

初夏~真夏にかけては多くのカミキリを目にします。

その中でも自然のものとは思えない美しい青色と水玉のような黒模様を持つルリボシカミキリは圧倒的人気を誇るカミキリムシであると言えます。

今回は人気のルリボシカミキリを紹介し、出会うための知識を紹介していこうと思います。




ルリボシカミキリとは?

伐採木に飛来したルリボシカミキリ

ルリボシカミキリはカミキリムシ科のカミキリであり、あまりにも鮮やかで目立つ青色を持つ昆虫です。

日本全国の山地で見ることができますが、近年では平地にも進出しており、様々な場所で目にすることができます。しかし個体数は多いという印象はなく、やや珍しい虫というのが私見です。

飛来した木はおそらくクヌギ

枯れ木利用のカミキリであり、その出現は立ち枯れや伐採木などの材に依存しますが、利用可能な樹種は幅広いようで私的な観察ではクヌギコナラの伐採木や樹液にて、高尾山のHPによればイヌブナの倒木などに訪れることが記述されていました。

立ち枯れ利用で成虫が樹液を利用するということから近年関東圏で猛威を振るっているナラ枯れにより出現が増加傾向にある可能性が考えられます。

姿かたちについては青色の体が特徴的です。

ルリボシカミキリ(左)とラミーカミキリ(右)樹木のルリボシと草のラミー。

類似というよりは似た配色としてラミーカミキリがおり、ルリボシを見たことがない人がこれをルリボシと呼んでいることがあります。

枯れ木や樹液に来ることから生活圏が違うことや、色合いが全く違うことから見分けは簡単です。

出現時期はおよそ6月中旬~8月中旬ごろまでで昼間にカブクワの樹液を探していると見つかる場合も多いです。


ルリボシカミキリの探し方

昆虫を探す鍵は餌資源や産卵などの生態の理解にある。

その色からとても人気が高いカミキリムシですが、伐採および立ち枯れなど死んだ木を利用するという性質からなかなか遭遇するのに苦労するケースを聞きます。

実際ルリボシカミキリは地域にもよるのでしょうが私の観察地域では多い種類ではありません。

神奈川を例にとればもともとは標高の高い場所に生息していたものの平地に拡散したという話を何かで目にした記憶があります。

カミキリムシを探す場合にはその種がどの植物を利用するか?というのがとても大事です。

例としてヌルデを利用するヨツキボシカミキリ。ヌルデがわからないと捕まえられない。

ルリボシカミキリは多くの倒木などの枯れ木と、成虫が樹液を利用するためにそれら2種の条件がそろう雑木林を見る必要があります。

樹種はクヌギやコナラがナラ枯れにより伐採、立ち枯れしているケースが多く、それらが土場に積まれている場合も時折目にするのでそういう場所が良いと考えます。

伐採木を見かける機会がここ最近とても増えた。一部のカミキリには朗報。

ナラ枯れ由来であればルリボシの条件がそろうため、関東では樹液の探し方と同じやり方でルリボシを始めとするブナ科の枯れ木由来の虫が見つけられるため、以下の記事を活用していそうな場所を開拓してみてください。
pljbnature.com
この記事を理解すればルリボシの出現要因である樹液と枯れ木の両方を理解することができます。

日の指す場所に張り付いているホソカミキリらしきカミキリ。

ある程度場所の雰囲気などつかめたら、晴れた日を基本として実際に様子を見に行きましょう。鮮度の良さそうな枯れ木を見つけることができれば捕獲の可能性はグッと上がるはずです。

特にカミキリは午後、伐採木などが集まる土場に飛来することが知られています。

コナラやクヌギは雑木の普通種なので伐採木を見ればok。キイロトラカミキリ。

ルリボシの傾向は分かりませんが、先人の知恵に乗らせてもらうことでルリボシ以外のカミキリムシにも遭遇しやすくなるはずです。

天気についてですが立ち枯れに来るカミキリ類は材に日が当たるレベルの光量があるタイミングがベストです。

ただし傾向であるため、できれば晴れが良い。今回のルリボシは曇りの日。

ルリボシに関しては曇りの日にも材に来ていることがありましたが、基本的には晴れを狙いましょう。

これは私見ですが害虫となる種も多いカミキリに対する薬剤としてボーベリア菌というものを利用した生物農薬があります。

ボーベリア菌はこのように虫が白い泡のようなものに包まれて死んでいるもの

この菌は甲虫の外骨格から侵入する恐るべき菌なのですが、自然界でも普通に存在します。

真っ白くなって死んでいるカミキリを見たことがありませんか?カミキリムシはボーベリア菌によく寄生されています。

水分の比較的多い場所にその菌がいることからカミキリ側もそれを理解しており、晴れた風通しの良い環境の安全性の高い材に来ているのではないかと思うのです。

少なくとも半日は日が当たるような場所の材にはカミキリがよく来ているように感じる

天気や場所などあたりを付けたらその次は近隣にある公園などの昆虫情報などを当たってみましょう。昆虫採集において近隣地域の情報というのはとても役に立つ情報となります。

特に木々を利用するカミキリムシの出現にはある傾向があると感じています。それは樹木による拡散です。

クヌギの大径木の衰弱木を利用するカミキリムシ。ナラ枯れで大径木の衰弱が増えるとともに拡散している可能性がある

例としてアカアシオオアオカミキリを上げれば都内にいた個体が衰弱クヌギを利用して急激に拡散し、神奈川の広範囲まで出現した可能性が考えられます。

植栽される機会の多いヤマボウシとともにいろいろな場所で見られるアオカミキリ

成木でもアオカミキリやサビナカボソタマムシのように植栽される木が他地域から採取されたものである場合に既に木々に入っており、植えられた場所で急に珍しい種が出現するというケースも起きています。(最近九州にいるムラサキアオカミキリが神奈川で確認されたようです)

ルリボシカミキリも出現要因となる枯れ木が増えているので拡大していくと思われる

これらの例によれば、ナラ枯れにより餌資源が供給され続けているため、ルリボシカミキリも拡散していく可能性は十分考えられます。身近な場所でルリボシカミキリが見られる可能性を考えれば朗報と言えますよね。

少し前に話題となっていた昆虫すごいぜ!というテレビ番組でも採集対象として取り上げられていたことから認知度はかなり高いカミキリであると思います。

実物はかなり美しいのでぜひとも生で見てほしいものです。


ルリボシカミキリを取れたら?

運よくルリボシカミキリに出会えたならおめでとうございます。

惚れ惚れする色合い。長く見たいもの。

この虫は本当に綺麗ですよね。

この虫の鮮やかな青色は生きているときのみ見ることができます。

死んでしまうとグレーと言いますかかなり色はくすんでしまいます。今のうちに堪能しておきましょう。

餌ですが昆虫ゼリーで飼育することが可能です。樹液性の虫はほとんどが昆虫ゼリーで買うことができるので、一つ覚えておいてください。

伐採木でルリボシカミキリを見つけられたならばそれ以外の魅力的な枯れ木性の虫にも出会えるはずです。虫への興味の世界を広げてみましょう。

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