マイナー山菜のヤブレガサ。味が気になる
山菜を始めると最初はタラやワラビなどが気になりますよね。

そこから色々なものに手を出していくとある時ヤブレガサやモミジガサに興味が沸いてくるはずです。
キク科の植物であり、葉の形が面白いヤブレガサやモミジガサ。恐らく探し始めるころにはその姿を見たことすらない方が殆どで、どうやって探すのか、その味わいはどうなのか気になりますよね。
ヤブレガサとは
ヤブレガサはキク科の植物の1種です。

名の通りやぶれた傘を連想させる面白い見た目と、展開した葉の中心にある紫色のやや不気味な模様、群生することから妖怪の出現時のような奇妙な風景などなどなかなか日本らしい植物であると言えます。
背丈は大きいもので成長時に1m以上に成長し、およそ夏ごろにラン科のような花茎を伸ばして花を付けます。
花は筒状花で白く、背丈が高いので林床でも非常に目立ちます。
山菜としてはモミジガサの方がシドケと呼ばれており、ヤブレガサにおいてもこの名で呼ばれていることがあります。

若い葉にはゼンマイのような白い面のようなものが付いており、春の林床でベールをまとったように出てくるヤブレガサの象徴のようなものです。
ヤブレガサはどこに生えるか
ヤブレガサですが林縁や林床に生えていることが多いです。

具体的には1日中日は当たらないが、半日程度は日が差し込む、もしくは1日の4分の1程度は日が差し込むような環境に生えています。
水分としては多すぎるとダメで乾きすぎてもダメという感じでしょうか。
過去の発見例を述べると広葉樹林下がやはり多く、いずれも朝日の差し込みがある程度の環境でした。

スギ林床下でも見つけたことはあります。これは林内ではなく林縁でした。
やはり光は必要なようなので、林縁などのギャップが生まれる環境を中心に見ていくのがコツです。

また、平野部ではあまり見かけません。
ヤブレガサはやや山地よりの植物であるため、山側に足を運ぶ必要があります。
完全に腐葉土環境ではなくやや礫などが混じるような地面でも問題ないようです。
ヤブレガサの味わい
ヤブレガサですが、春菊の香りと苦みを凝縮したような味わいをしていました。

私はおひたしで食べましたが、間違いなくおひたし向きではありません。
味の濃いすき焼きなどに入れるといい口のリセットになるかと思います。
天然のヤブレガサの味わいはとにかく強烈です。
とりあえず2度目は無いかなと思うくらい印象に残っていますね。

参考程度に身近な山菜で例を挙げると香りの強さは自生のセリや三つ葉などと並べるくらい、苦味はハリギリを天ぷら以外で食べた時ぐらい苦かった記憶があります。
とにかく苦く、飲み込むのがつらい。それくらい強烈なインパクトがありました。
天然のものはタラにしろヨモギにしろミツバにしろ市販のものとは比べ物にならない香りがするものですが、キク科のヤブレガサの力は私の想像を超えて食材認定できない程でしたね。
ヤブレガサの採集注意点
ヤブレガサですが採集において注意点があります。

ヤブレガサは結構早く硬くなってしまうので、葉が完全に開ききる前に摘んであげるのが良いです。
そのサインとして使えるのがゼンマイのようなコットン状の物質です。
これがあるまだ開ききる前のものを摘むようにしましょう。

ちなみにヤブレガサの採集は楽しいです。
この植物は程よく見つかり、その形状も項垂れて絹を被ったように見えるため、群落を見つけると盛り上がれます。
一方で取るか?という話になると中々手が出ず、見つけて楽しむ山菜という面白いジャンルに君臨していますね。
今年はもう遅いかと思いますが、皆様も天然ヤブレガサの強烈な味わいを一度は試してみて欲しいです。
ヤブレガサとトリカブト
ヤブレガサはトリカブトに似ていると言われますが、山菜として取る時期には影響はあまりないと思われます。


ヤブレガサの採集時期には葉が萎れたように下を向いていることと綿状の物質がついていることから間違えようがありません。
夏頃になるとヤブレガサも70cm程度に大きくなります。その際には葉はさらに大きくなっているので間違えようがありません。
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