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町中にあるトリカブトみたいなピンクの花をつける植物の正体はアメリカフウロ

町中にトリカブトみたいな葉の植物が

春の陽気に誘われて自然散策をしていると、なんとトリカブトのような葉をした植物があるではありませんか。

町中や公園の草地にトリカブト!?危険!と思い調べた方もいるのでは

細く切れ込みが入り水平約180度程度に広がる葉など雰囲気はまさにトリカブト。

しかし開花期は春で花はピンク?帽子のような姿はしていない。とトリカブトとは違うような気がします。

この植物の正体はアメリカフウロ。身近に生える外来種の雑草です。

アメリカフウロとは

アメリカフウロはフウロソウ科の植物です。

アメリカフウロのお花。ピンク色で5枚の花びらを持つ。

花期は主に4~6月。5枚の花弁を持つ薄いピンク色の非常に可憐な花を付けます。

葉はなんとなくイメージとして持っているトリカブトの葉っぽい雰囲気で、葉柄から水平180℃に葉を展開し細い切れ込みが入るなど変異したトリカブトに似ている部分があります。

葉はどことなく記憶に残るトリカブトっぽい

アメリカフウロには通説として毒は無いとされており、なんとなく似ていそうなヨモギや生える環境は違うもののニリンソウなどと間違えても問題はありません。

花が終わるとフウロソウの仲間に特有のロケットのような面白い種の姿に変わります。

これはカタバミと同じく破裂するタイプの種であり、周囲に種をばらまく散布戦略となるためアメリカフウロは同じ場所に群生していることがとても多いのです。

アメリカフウロはトリカブトに似ているのか?

結論としてはトリカブトは変異に富むので、トリカブトの葉にはアメリカフウロに近いものがあるものの、2者は生息環境が大きく違うために間違える機会はかなり少ないです。

トリカブトの特徴的な花と大きな葉

トリカブトとアメリカフウロが同所的に存在するのは恐らく植物園などトリカブトが平地に降りて飼育されている環境にアメリカフウロが入ってくる場合であると思われます。

私のストックのトリカブトはほとんどありませんが、一応比較するとこちらがアメリカフウロ

アメリカフウロ。手持ちだと似ていないがトリカブトには細い葉もある

こちらがトリカブトです。

トリカブトは関東付近のものでは切れ込みはそこまで激しくなく、アメリカフウロほどギザギザ市内で切れ込みがまとまっている傾向が見られますね。

また、アメリカフウロがフウロソウ科なのに対し、トリカブトはキンポウゲ科の植物であるため花の形状が大きく違います。

花が決定的に違う。

トリカブトの花は基本紫色をしており、烏帽子に例えられるような変わった見た目をしています。花期は秋口であることが多く、春には花がありません。また、背丈も大きく立ち上がり、1m以上になることもあります。

そして何より植栽などを覗いて平野部で見つかることはなかなかありません。山地の植物です。

平野部というか町中のアメリカフウロ。山中にはない。

アメリカフウロは花びらが目視で容易に5枚確認でき花期は春先から初夏です。背丈は大きくて50㎝程度のなることがありますが、おおむね20㎝以下程度に収まっていることが多いです。

アメリカフウロは外来種であることから人の活動がその進出に関わっており、平野部で見つかります。

そのため、山菜のニリンソウのようにトリカブトとアメリカフウロが同所で混在しているというケースは見たことがありません。

私が見たことがないだけで広い日本の中にはそんな環境もあるかもしれませんが。


アメリカフウロではないけれどもトリカブトっぽい葉を見つけた場合

アメリカフウロほど切れ込みが激しくないけれどもトリカブトっぽい葉を見つけた場合には、それは同じフウロソウ科のゲンノショウコの可能性があります。

ゲンノショウコの葉。大きさは違うが形状は似ている。

ゲンノショウコはトリカブトっぽいです。

一方で開花期は長く、初夏から秋口位まで散発的に咲いています。

ミニチュアトリカブトの葉と言えるくらい雰囲気は似ている。生息環境はぜんぜん違う。

花の形自体はフウロソウの仲間なのでピンク色から白色で5枚の花弁とはっきり違うため、お花を覚えておきましょう。

アメリカフウロよりもよっぽど似ています。

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