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自生のウドは香りが強い! 探し方や環境、葉の雰囲気などの特徴を紹介

春後半の山菜、ウド

ウドといえばスーパーなどにも並ぶ養殖も盛んな春の味覚ですよね。

自生のウド。環境条件的に平野部ではなかなか見かけない。

自然下で見かける話はあまり聞かないかもしれませんが、環境や葉の雰囲気などを理解しておくと、山菜シーズン以外でフラッと見かける機会があります。

ウドは生える環境と葉の形や大きさなどがその環境にある植物の中でも特に目立つため、要点を押さえておくととても分かりやすいです。

今回は一度は味わってほしい自生ウドの魅力を紹介していきます。

ウドとは?

ウドはウコギ科の植物の1種で、主に沢沿いやそれに面する斜面、湧き水があるような環境など常に土中に水分がある環境に生える植物です。

ウドが生えていた沢沿い。水分がかなりないとウドは見つからない。

葉はタラと同様の羽状複葉(うじょうふくよう)という葉付きがいいものなのですが、タラとは異なり冬季には地上部から姿を消してしまうため、見つけるためには初夏から夏頃にかけてウドが生息していそうな環境にアクセスしていく必要があります。

また、山菜としての時期も主に平野部を基準にすると、タラやハリギリなどと比べ1か月程度からそれ以上遅いため、なかなか探す対象としてついでに取ることが難しい山菜と言えます。

ウドの新芽。比較的芽を出してくれる。

芽出しの時期はおよそ4月下旬から5月中程度で、6月頃になるとかなり大きな株に育ってきます。

一方でウドは新芽を先端から次々と出してくれるため、タラのようにシーズン開始のみしか味わえないということはありません。

もちろん多少清涼感や風味の差などはあるのかもしれませんが、気にならない程度の範囲ですね。

花期は8月頃で丸い特有の花を付けます。

ウドの生える環境について

ウドですが、平地の乾燥した土地で見かけることはほぼないと言えます。

沢沿いはもちろん、地形的に水が集まりやすいところ、湧くところに見つかる。

これは前述の通り、ウドは常に土中が湿っているような環境に出現するためです。

一方で採集は禁止なものの、各種公園や谷戸的な環境では散発的に見かけることもあります。

そうした場所でウドの生えている環境のイメージを掴んでから山などへ行ってみると、感覚は掴みやすいかと思います。

ウドの茎。毛が多く濃い緑色をしていて太いので分かりやすい。先程の沢沿いにあったもの。

具体的な環境ですが、沢沿いに隣接して生えていることは多いですね。沢は水が集まる場所であり、地下水が地中を流れています。

直射日光がガンガン当たることも少ないので乾燥もしにくく、いいポイントになるようです。

土は落ち葉が堆積した腐葉土的な場所にあることが多く、ウドの埋まっている場所は掘りやすいふかふかであることが多かったですね。

これに加え沢に隣接する斜面も同様にいいポイントです。

ウドの大きな葉。一度認識できればすぐ分かる。複葉の一枚が手のひらぐらいある。

理由はほぼ同じですね。

沢がない場合に見つかることもあるのですが、過去の例では付近に湧き水が出るポイントがある、滝があり周辺の湿度が高い、木漏れ日が差す程度の斜面で苔むした土地などで見つけていますね。

ちょうどヤマビルが好みそうな場所と一致していることが多く、初夏だと足元がかなり気になります。

綺麗な水が多いので、真夏ならばアブやブヨが出そうな環境でもありますね。土地の水の流れを意識して探してみてください。

水の流れを読め!

地下水の動きを読んでいくのは難しいのですが、土中にしみた水は土の中を浸透していき岩盤の上を通過してあるところで湧き出てきます。

そうした環境でよく見つかるリョウメンシダは良いヒントと言えるかも

そのため、水の動きを読むには高低差と地上に生えている植物を見ていくのが有効です。

例えば平地で例を挙げるとドクダミという植物がありますよね。花壇や庭の裏などで繁茂するドクダミは土中の水分を好む植物のため、ドクダミがある場所は水が多いと分かります。

同じ沢にはニリンソウがあった

ウドがあるような場所ですと春にはゼンマイやミヤマカタバミ、ウワバミソウ(ミズ)やネコノメソウ類、ユリワサビなどが見つかります。
もしくはヤブヘビイチゴなんかもありますね。

地表にそうした高水分を好む環境に生える植物が見つかるならば、ウドもあるかもしれません。

ウドは大きく目立つのだが、冬場に消えてしまう。そのため初夏頃に探す必要がある。

ウドは前述の通り冬場には地上部がなくなってしまうので、春から探すとなかなか苦労します。

根茎は残り続けるので、およそ初夏から真夏にかけて太い緑色の茎をした1m程度の植物を湿った場所で見つけておくのが有効です。

ウドを味わう

ヤマウドですが、天然物のアクはかなり強烈です。

新芽を切って表面の皮を剥く。アク抜きもしたいが、そのままかじってフレッシュな天然の香りを感じてみるのも一興。

鼻を抜ける清涼感は抜群に強く、天然物のウドはあらゆる料理に入れてもウドの主張をしてくれます。

基本的にはスライスして水さらし、何かに入れる時は私はウドの香りが好きなのであく抜きはせずに香辛料的な立ち位置で使うこともあります。

天然物を取ったらまずは水さらしのウドを食べて欲しいですね。香りの爆弾具合にぶっ飛びます。

天然ウドのおひたし。香りは抜群だが、アク抜きしてないので2枚くらいで満足する強烈な味わい。

そして自然を生き抜いた強いアクを感じ、思わず顔をしかめてしまうぐらいなのですが、時にはそうした味わい方をしてみるのも一興だと思います。
力強さを感じられますよ。

これは酢味噌と合わせて食べた時のものです。初見の天然ウドで印象に残っていますね。

天ぷらなども美味しいです。

写真はありませんがウドの茎は太いので食べ答えがあり、タラやハリギリ同様アクもかなり飛びとはいいつつ強い香りが楽しめます。

時間が立つと噛み切れないくらい硬いのだが、風味は十分に抽出できる。春の爽やかさを出汁につける。

私のお気に入りは成長していたウドの芽を少しもらって香りづけに利用する使い方です。ウドはおひたしや天ぷらが王道かと思いますが、天然ものならばその香りを生かしてみるべきです。

私のお気に入り料理がウド香る肉ざるうどんですね。これはぜひ一度試してほしいです。

めんつゆやだし塩に豚肉を浮かべてうまみをまとめ、そこに強烈なウドの清涼感ある香りを付け加える物なのですがめちゃくちゃうまいです。

そばつゆや肉うどんのつゆにウドを浮かせるだけ。これが抜群にうまい!

やっぱりおいしいものって1品で完結しているんですよね。タラやハリギリでも述べましたがめんつゆのちょっと甘い後味を豚肉の油が強調し、だし塩などの塩味がそれを引き立てる。味がごちゃついてきた所にウドの強烈な清涼感でそれらがリセットされ、次の一口では再びそのループが楽しめるのです。

天然物のウドを食べた人はその香りのあまりの強さに驚くとともに、これをどう生かすのかと悩むはずです。それくらい主張が強いのです。

味の濃いものに入れてみるとかなりその良さを生かせるので試してみてください。

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