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庭などにいる黒いナメクジみたいな虫の正体は何?クロコウガイビルは陸のハンマーヘッドシャーク!?

奇妙な黒いナメクジ

雨上がり、水分の多い地面を散歩していると地面に大きな細長い黒いナメクジのようなものが徘徊していて背筋がゾワワ...。

不気味な生き物が苦手な方のあるあるではないでしょうか。

クロイロコウガイビル(本記事では分かりやすくクロコウガイビルとする)

その生き物の正体はクロコウガイビル。(クロイロコウガイビルが和名)もしくは色が明るいならばコウガイビルという種類の生き物です。

ミミズみたいなフォルムから分かる通り実は虫ではなく、扁形(へんけい)動物というあまりなじみのない生き物だったりします。

そこで今回は奇妙なナメクジらしきコウガイビルについての知識を深めていきましょう。

クロコウガイビルとは

クロコウガイビル(クロイロコウガイビル)は扁形動物の一種です。

出会える時が雨天であるため写真がこれしかありません

多くの方にはなじみのないカテゴリー群であるこの扁形動物ですが、きっとなじみのある生き物で例えるとプラナリアが該当するかなと思います。
プラナリアのような再生能力はありません。

体長はおよそ10㎝程度で全身は真っ黒をしており、頭部は金槌のようなT型をしています。

このような見た目をしていながらもその生態は肉食性であり、ナメクジやカタツムリなどを捕食するハンターです。

その見た目と肉食性を見るに陸のハンマーヘッドシャークとでも呼びましょうか。

クロコウガイビルとプラナリア。いずれも頭部が金槌のようになっている。

クロコウガイビルは主に湿度の高い環境に出現し、普段は薄暗い環境もしくは夜間に活動をしていると思われます。

雨の日には彼らの出現する環境が暗くなったり、湿度のある範囲が増加することで活動圏が広がり、かつ捕食対象であるナメクジやカタツムリも同様に活動圏が広がるために一時的に行動範囲が広がりわれわれ人間の目にとどまるのです。

その姿を始めてみた人々は黒いナメクジのような虫がいるとその発見に驚き、この記事にたどり着くわけですね。

クロコウガイビルは珍しい?

クロコウガイビルですが、意図的に探し出すのはなかなかに難しいぐらいには珍しいかなと思います。

身近にもいるのだが、出会うのは意外と難しい。珍しいといえる。

雨や曇りの日などの活動は我々生き物好きにはあるものですが、クロコウガイビルの遭遇は10年近いそうした活動の中でも両手で数えられるぐらいです。

彼らの生活圏は自然豊かな庭や畑、緑のある公園などなど意外と身近な環境やそれに隣接している道路沿い、道の端など意外とあるのですが、夜行性であることと雨が降った後でないと生活圏が拡大しないことからその姿を見れることはなかなかありません。

夜行性なのでクワガタとか探していると見つかることも

見つけた方は珍しいものを見たと思ってよいと思います。

類似主としてはコウガイビルがおり、クロコウガイビルは黒い色をしていると思われがちですがクロコウガイビルにも色が黄色っぽいものがおり、また、種数もいくつかいるなど多様性が見られます。

クロコウガイビルはヒルなのか?吸血性は

クロコウガイビルを始め名前にヒルとつくものはかなり否定的な印象をもたれるかなと思います。

ヒル...ヤマビル...吸血...ヒル=吸血性と考えるが吸血性のものは非常に少ない

ヤマビルやチスイビルのような吸血性のものがヒルの仲間にはいるためですね。

クロコウガイビルはヒルと名がついています。ヤマビルなどのヒルは環形動物、コウガイビルは扁形動物とカテゴリーが異なります。

環形だの扁形だのややこしいですよね。単純に言うと軟体動物ということです。無脊椎動物のことですね。クラゲなんかが分かりやすいかなと思います。

同じような細長いにょろにょろなのでは?いえいえ。

環形動物は体に節があり扁形動物は節がありません。

例としてヤマビルを見てみると体には無数の節が横線のように見られます。ヒルの仲間は体に34の体節があるといわれていますから、詳細な分かれ目はわからなくとも節を見て環形動物だなとわかります。

横からヤマビルの体を見ると凹凸がある。節となって実はストライプが走っているのである。

同様のことはミミズにも言えます。ミミズも体に節がありますから環形動物だなとわかりますよね。

超巨大なミミズ。よく見ると体には節がある。

一方の扁形動物であるプラナリアやコウガイビルにはそれらの節が見えません。この点が分かりやすく判別しやすいのでカテゴリーが気になる方は参考にしてみてください。

扁形動物のボディはつるつる

肝心の吸血性についてですが、クロコウガイビルを始めとしたコウガイビルの仲間には人間への吸血性はありません。

彼らはハンターであり、ミミズやナメクジなどの仲間を捕食すると考えられています。

その捕食対象の探知についてはよくわかりませんが、同様のミミズ捕食性のヒルの仲間には対象の粘液を判別して追跡するものがおり、彼らも近しい能力を持っているのではないかなと推測しています。

陸のハンマーヘッドシャーク

こうした肉食性の生態と陸地を水中のように滑らかに動き回る姿、そして頭部の金槌状の姿を見るに水中で恐れられるシュモクザメことハンマーヘッドシャークの様を思い出してしまいますね。

こう見るとなかなかにかっこいいぞ!

シュモクザメは金槌状の頭部に口を持ちますし生き物の口は頭部についていることがほとんどですから、クロコウガイビルもこのT字に口を持っていると思ってしまいますよね。

しかし扁形動物であるコウガイビルの口は頭部らしきところにはありません。

プラナリアの目に見える部分。ここに口はない。

例えばプラナリアはかわいらしい目を頭部に持っていることからこの目玉のある付近で食事をすると思われます。

しかし実際にはそうではなくて彼らの口というのは体の中央あたりにあるんですよね。

頭部でかぶりつくのではなくて対象に絡みついて体の中央部にある口で食べる

プラナリアを飼育するとわかるのですが、彼らは餌を上げると探知して絡みついて体の中央部で食べ始めるんですね。

クロコウガイビルも同様に口は体の中央部にあります。こんなところでも扁形動物としての一面を見ることができるんですね。

黒い生き物を見つけた時には加害性はありませんのでよく観察してみましょう。


カタツムリなどを利用するほかの生き物

自然界においてはカタツムリを始めミミズやナメクジなどを捕食する生き物というのも存在します。

カタツムリを好んで食べる形状を持つマイマイカブリ。

代表種がマイマイカブリでしょうか。

彼らもまたカタツムリやナメクジなどが多い環境で、湿度のある場所に出現します。

併せてオサムシの仲間も代表的なカタツムリ食の昆虫といえますね。

オサムシの仲間。身近なものならば地面を歩いている。

彼らは性的な成熟のためにはカタツムリ類の捕食をしないといけないことが示唆されており、カタツムリ類への依存度がとても高い昆虫といえます。
すなわち彼らが生息しているような環境では倒木の下や草むらの中などの環境にコウガイビルの仲間などが見られるかもしれません。

また、コウガイビルが利用するミミズの仲間にはミミズを食べるような蛇がいることも知られています。

非常に珍しいタカチホヘビ。

タカチホヘビという蛇の仲間なのですが、見た目もクロコウガイビルっぽく出現環境がじめじめとした場所であることからやはりミミズやカタツムリ系を利用する生き物というのは同じような捕食者が好む環境でみられることが多いですね。

うっかりコウガイビルを見つけた場所であるならば、これらの生き物も夜行性であることから見つけられるチャンスがあるかもしれませんよ。

タカチホがいた場所の近くにクロコウガイビル

今回の例のようにある生き物がいたらとある生き物もいるかもしれないという視点は生き物を探していくうえでは非常に有効です。

クロコウガイビルを例に昆虫採集を始め、生き物探しの視点としてぜひ覚えておいてください。

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