オサムシの仲間の魅力
オサムシは地上を素早く徘徊することから虫に興味が無い人からするとあまり興味を持たれていない対象です。

一方で虫好きの方の中にはコレクターと呼ばれる程このカテゴリーを好んで採集している人がおり、私も最近はこの仲間への関心が深まっています。
今回は身近なアオオサムシを例にとりオサムシの仲間の良さや面白さについて紹介していきます。
アオオサムシとは?
アオオサムシはオサムシ科の昆虫の1種です。

関東平野においてもっとも普通に遭遇することができるものがアオオサムシであり、昆虫採集ならず散歩やランニングなどをしていても遭遇できるぐらい身近な環境にも生息している昆虫です。
成虫は飛ぶことができず地面を徘徊します。肉食性であり、昆虫類やカタツムリなどを捕食します。
環境としては乾燥した場所には少なく、落ち葉が堆積したような湿度の高いふかふかの土の環境を好む傾向が見られます。

夜行性であり、地上を徘徊するだけでなく外灯などの明かりにも来ます。これは外灯に来た虫を捕食するためと考えられます。
成虫は越冬することができます。新成虫の出現は夏頃であり、越冬場所などを知っているとほぼ通年みることができます。
オサムシの面白さとは
アオオサムシのような身近な種類でもオサムシの仲間の面白さを見ることができます。

なんといっても飛べないために地形の影響などで個体群が異なるという点が面白い所です。
通説としてオサムシの仲間は山や大型河川敷を挟むと遺伝的に異なるという話があります。

そのため、オサムシには亜種がとても多いのです。
亜種とはゲームなどでよく目にする言葉ですが(〇ンハン)、別種ではないものの形態的な違いが認められるものです。
アオオサムシを例にすると交尾器などが同じアオオサムシでも異なるという話があります。
関東の南部、およそ多摩川の南部のものがアオオサムシの基亜種と言って、基準となる個体です。

多摩川を挟むとカントウアオオサムシ、千葉の鴨川南部にいるのが房総半島亜種というようにひとえにアオオサムシと言っても亜種がたくさんいます。
千葉のものはアカオサムシの愛称があり、マニアが大好きなものです。
アオオサムシを例にしましたが、他のオサムシの仲間やマイマイカブリでも同様の亜種の違いが見られ、色彩の違いなどを楽しむことができます。
何より地域により異なるということですから、その地域に別の幼児などで行く際の楽しみが増える、これがオサムシの楽しい所だと思います。
種数と個体変異が多い
オサムシ科の中でもオサムシは種数自体は40種程度と多くはありません。

しかし亜種を含めると150以上もの種数に増えます。
それだけオサムシの地域変異が豊富ということです。
これに加えその種の中でも色彩変異や体長の変化が見られるのが面白い所です。
アオオサムシ一つを例にとっても10種類ほどの亜種がいます。

私は基亜種がいる場所で観察しつつカントウアオオサムシのいる場所にも行きますが、基亜種は緑が濃く、関東はチョコレート色というか茶色っぽいようなものもいる感じです。
もちろん緑が強いものを追い求めても良し、グラデーションを目指しても良し。
コレクションを始めるとキリがないのがオサムシの面白い所で、色彩変異を集めるのが好きな人は集めた標本でうっとりしてしまいますね。
これほど亜種が多いのもやはり飛べないことが成した多様性と言えます。オサムシは生物的にもとても面白いのです。
フォルムが独特で可愛い
オサムシの仲間はかなり独特な姿をしています。お尻がでっぷりしており、胸部が細長い。

奇妙な形をしており、最初は多くの方が忌避感を覚えます。
しかし標本にしてみたり実際に飼育してみるとそのフォルムが他の虫には無い唯一無二の形であることに気が付き、腹部の丸みや上翅のツヤ、模様、頭部の造形に金属光沢などなどの造形美に気が付くようになります。
オサムシの仲間はじわじわと好きになるのではなく、ある日スイッチが入ったように コレはイイ!と切り替わるのです。

特に腹部の丸みと上翅の模様は種により形はおおよそ同じなのですが、光沢の入り方や入る位置、模様に違いが見られ集めれば集める程にその違いが分かり沼へと入っていきます。
更にカラバリが豊富であり、マイマイカブリを例にすれば胸部の色の違いが同じ産地でもグラデーションのように異なり、別の山地との境界のラインがありもはや止まりません!

唯一欠点があるとすればガスを出すことですね。このクサイガスが無ければカミキリ、タマムシに並べるぐらい人気があったのではないかと思います。
アオオサムシでオサムシ沼に踏み込もう
身近なオサムシとしてアオオサムシからオサムシ沼に入るのがとてもおすすめです。

アオオサムシは越冬明け直後の4月頃に目視することがとても増えます。探してみたい方はこの時期が特におすすめです。
標本にする場合には酢酸エチルで〆てもいいですが、オサムシだけの容器は作った方がいいです。
容器は液体でデンジャラスな様になります。
持つときは自分の顔に向けないようにしないと失明する可能性があります。
環境としては前述のとおり腐葉土的な湿度のある環境で夜歩いていることが多いです。紙コップを仕掛けるピットフォールトラップがとても有効ですね。

そうしてオサムシ類に興味を持ったならば一度インセクトフェアや昆虫関連のイベント、標本即売会に足を運んでみましょう。
全国のとても美しいオサムシ類の姿を見たり、その亜種の違いを購入したりすることもできます。
特に北海道のオオルリオサムシやコルベキンオサムシはそれはもうキラキラ虫の頂点なのではないかと個人的に考えています。
そうなればオサムシ沼にはまり込んだも同然。ゴミムシの仲間にはまる手前まで来ており、気が付けば大型ゴミムシも取るようになってしまいます。
冬も探せるオサムシの魅力
昆虫は冬に探すことはなかなかできませんがオサムシ類は冬こそ本番というものもいます。

オサ掘りです。越冬するオサムシ類を熊手などで崖から掘り出すもので、冬だからこそできるオサムシ採集の楽しみ方となります。
私はまだ未経験ですが今冬はマイマイカブリや一部のオサムシを求めてやっちゃおうかなと考えています。
地面に眠る宝石掘り。そんなの楽しいに決まっていますよね。
春~秋はメインの虫を狙いつつ冬はオサムシをやるというような虫屋も多いのではないでしょうか?
冬のキリガと合わせてマニアが多いオサムシの仲間たち。そのポテンシャルは計り知れないものがありますよ。
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標本を見たい場合にはインセクトフェアやフェスティバルのようなイベントに参加することをお勧めします。
オサムシは特定の地域にしかいないものが多いため、楽しめますよ。