カブクワ飼育のコバエ問題
夏になりカブトムシやクワガタを取って飼育してみたり、外国産のカブクワを育てている人もいるかもしれませんね。

彼らを育てていて気になるのがコバエです。
どこからともなくやってきて気が付けば大量に発生し、部屋の中に漂うコバエにうんざりしてしまうケースも多いのではないかと思います。
結論的に言えば専用のコバエ対策ケースを使いましょうという話なのですが、100均のケースでどうにか対策できないかとも思いますよね。
そこで今回はコバエのライフサイクルや対策、種類などについて紹介していきます。
カブクワ飼育で湧くコバエ
カブクワの飼育をしていて湧いてくるコバエとしては、ショウジョウバエという体長2mm程度のものが非常に有名です。

これに加えて底材として使用するマットから発生するキノコバエの仲間がいます。基本的にはこの2種類に悩まされることになります。
ショウジョウバエは比較的よく飛翔しており、キノコバエの仲間はマットや飼育ケースの壁面などに張り付いていることが多いですね。
まずはハエの種類を特定することをお勧めします。
それにより対策方法も変わってくるからです。
2種類のハエの見分け方
さて、最もよく目にするコバエがショウジョウバエというものです。

カブクワ飼育においてはかなり厄介な存在で、気が付かないうちにケース内に侵入してやってきます。
ショウジョウバエの見分けですが、キノコバエに比べるとサイズが比較的大きいこととガラスケースなどで捕まえられると頭部が赤い個体もしくは白い個体が多いことなどが初心者での判別点としては有効です。

一方のキノコバエの仲間はショウジョウバエと比べると一回り小柄で非常に弱そうな体格をしています。
色は黒が主体となっており種類にもよるかと思いますが、観察しているとショウジョウバエとは飛び方が違うようです。
壁面やマット状に張り付いていることが多く、ショウジョウバエのように匂いやゼリーに誘引されることがありません。
2種類のハエの発生源
ショウジョウバエは日常生活でも目にする害虫で、熟れたり腐敗した食べ物など様々なものから発生します。

昆虫飼育関係なく個体数は多く、屋外から屋内へ侵入してくる場合が殆どです。
それは生ごみの香りだったり果物の熟した香りであったり、カブクワのゼリーのようにケースバイケースなのですが、多くの場合偶然ではなく産卵のための食料に誘引されてやってきています。
例えばバナナを熟してみるとどこからともなく彼らはやってきます。
つまり夏場の人間生活においてショウジョウバエを断つというのはなかなかに厳しい部分があるのです。これがうっとおしくて嫌われる理由です。
キノコバエの方はどうかというと、この虫はクヌギマットなどの成虫飼育の際に虫かごの底に敷く底材の内部に既に入っている場合が多いです。特に湿ったマットですね。

マットの状態により発生はまちまちであり、敷いた直後はいなかったのに後ほど出て来たり、開封直後からたくさんのキノコバエが出てきたりと一概にこのタイミングで出るというのは特定できませんが、キノコバエの場合には底材から出てきているというケースがほとんどですね。
そしてそれらマットの香りを嗅ぎつけて外部からやってくる場合もあります。
時には拾った枝や朽ち木から出る場合もあります。自然下で拾ったものは何かしら付いていると考えておきましょう。
2種類のハエの対策
ショウジョウバエの対策ですが、まずは彼らのライフサイクルを理解しましょう。

ショウジョウバエは卵から大人までが約10日で、成虫の寿命がおよそ1か月と言われています。つまり彼らの侵入を許して放置していると6月頃から飼育をし始めたとしてもその月の中旬ごろには大量発生してしまうことになります。
ショウジョウバエの侵入を防ぐことは意外と難しいので、繁殖させないことに重点を置く必要があります。

基本的にはショウジョウバエに侵入されたら約1週間から10日後に大量に発生すると考えておく方が良いです。そうすることでどうやって侵入させないか?というのを考えることができます。
それから発生源の多くはゼリーとなりますが、ゼリーがひっくり返った後のマットも発生源となるようです。
ショウジョウバエの発生事情を調べるためにショウジョウバエが発生している飼育ケースを通れない程度の空気穴を空けて密閉し、ゼリーを変えてみたものとゼリーとマットの両方を変えてみた実験をしました。

ゼリーだけを交換したものからは数日後にショウジョウバエが発生するのが見られ、ゼリーとマットを変えたものでは発生が見られませんでした。
このことからもゼリーで汚れたマットはショウジョウバエの発生源となることが分かります。そのため、コバエを断つにはゼリーとマット両方を処分品しなければなりません。
少なくともゼリーは彼らのライフサイクルとなる10日以内での交換を強く推奨します。
数日たったらゼリーの表面を眺めてみると小さい幼虫が這っているのが見えるはずです。

それから食べ残しの廃棄したゼリーも注意です。
袋などにそのままポイすると食べ残しを餌にして袋内でショウジョウバエが大発生し、えらいこっちゃになります。
ゴミ袋に防虫剤となる薬効成分を放つ物を1つ入れてあげると薬の成分が効いてだいぶ良くなります。私はコバエに悩まされていた飼育初期には袋を外に置きつつ殺虫スプレーを軽くふいて密閉していましたが、最近はお世話の旅に小さな袋に捨てることで完全防除しました。

キノコバエについてはショウジョウバエ程うっとおしくもないのですが、対策としては虫かごに入れる前に屋外で一度湧いているか確認しておくのがいいですね。
冷凍庫などが空いていれば一度凍らせてしまうのもいいかもしれません。
例えば展示用の葉や朽ち木、木材などは冷凍や燻蒸処理することが多いようです。
いずれかの処理をしないで管理していると後ほど湧いてくるということもありますが、虫かごに敷いて直後から数日が最もキノコバエを目にするタイミングだと思うのでそこに気を付けてください。
底材は幼虫飼育などマットにこだわらなければ実はクヌギマットなどである必要はありませんので、キノコバエがわかないような園芸用の乾燥した土を利用してみたり、マットでも直射日光で天日にして一度乾かしてから使ってみるなどしてみるとキノコバエ対策にはなります。
その代わり一度乾かすと菌類も死んでしまうため、砂漠の土のように水のしみ込みが悪くなります。
空調を整えられるなら楽な対策
エアコンをずっと使えるという前提ですが、虫かごの蓋の部分にキッチンペーパーやサランラップなどの通気性がいい紙類を張り付けてしまうというのも効果的ですね。
ショウジョウバエは外部から内部へ、キノコバエは内部から外部へ出ていくので、その通過点を物理的にふさいでしまおうというものです。
これは通気性がやや悪くなることから蒸してしまうというリスクとの天秤になりますが、エアコンで温度を維持できる環境で飼育するならばなかなかにおすすめできる選択肢となります。
ゼリーをハエのライフサイクルに合わせて交換しなくてもよくなるので安心感が高いですね。 非常に快適です。
私が個人的にラップ及びキッチンペーパーで試してみましたが、蓋にハエが通れない程度の空気穴を空けてラップやペーパーで覆い、テープで止めています。
湿度の維持はラップが抜群に優れていますが、ラップは蓋の閉じる部分が敗れるリスクが数日で発生します。
これによりショウジョウバエの侵入が見られました。
ペーパーは湿度の維持能力はラップにかなり負けますが、破れにくくショウジョウバエの防除に効果的でした。
これはローコストで非常に効果的かつ湿度も保持できるのでコバエに困っている場合にはとてもおすすめできる選択肢として紹介しておきます。
総じてたまたま虫かごに来たものは仕方ないが、繁殖は絶対に阻止しようというスタンスです。繁殖だけ拒否できればそこまで個体数に悩まされることはありません。
ハエが家にいて目障りだったら?対策アイテム
ショウジョウバエを始め、蚊などもそうですがいざ自分で処理しようと思うと中々つぶせなくてイライラしませんか?
このパートではそうしたイライラを解消するアイテムを紹介します。

まず予算の都合がありますが、コバエシャッターやクリアスライダーのような専用の防虫容器はとてもおすすめです。
コバエシャッターが1個600~1000円ぐらいでサイズにより変化し、クリアスライダーが300~400円ぐらいです。

ラップの手間や管理のわずらわしさが一気に解消されるため、あらゆる層にお勧めできます。
カブクワの飼育を100円の空気穴が大量に大きく空いた容器でやるとコバエにはかなり悩まされる他、特有のマット臭やゼリー臭に悩まされることが多々あります。

小サイズでも通常の虫かごと比べると大きいので、おすすめできますね。私も試しに購入してみましたが、ハエ絡みと湿度の維持の両方が解決されました。
コバエ処理用アイテム
おすすめアイテムの一つが虫網ですね。

虫網は虫を捕まえるアイテムです。目の細かい網が自宅にあるならば目の前のハエを網に楽々入れることができ、繁殖前に個体を処理できる可能性が大きく上がります。虫取りをすることも多いかと思うので、害虫処理の兼用で活用してみてください。
それから食事時にショウジョウバエがいて嫌な気分になることがありませんか?
納豆の容器は意外なショウジョウバエキラーです。
面積が広く粘り気が強い。そして匂いがあるのでハエがやってくるとハエキラーとしてなかなかに優秀です。
手でつぶそうとすると掌がかち合うときの風圧で彼らは漏れてしまうのですが、納豆の容器では狙ったところにそのまま着弾できるため、捕獲率も高いです。
健康にも良いので、虫を飼育しているならば積極的に納豆を食べ、ショウジョウバエがいないか確認していきましょう。
それからコバエがいる環境下ではゼリーにたまごが植え付けられており、次世代が待ち構えている可能性が高いです。

ゼリーが残った状態で袋などに捨てる場合には殺虫剤などを密閉容器に少し噴霧しておくと発生を抑えることができます。
というように実際に飼育していく中で遭遇するコバエ対策を色々と述べてみました。
基本的には厄介なショウジョウバエが問題となるケースが殆どであり、外部から来たものに産卵させない、産卵させても密閉容器外で放出させないというスタンスを取ることがコバエの大量発生を防ぐコツです。
とにかく1匹の侵入を徹底的に防ぐことが発生の予防となるため、今回の記事の内容を実践してみてください。